フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

解読者、現る

2006年02月21日 21時11分06秒 | 第13章 思愛編
キンケイドから待望の電話が入った。
暗号の解読者を連れて午後の面談に来てくれると言う。

「よぉ!連れてきたぜ」
キンケイドは病室のドアにもたれながら、なぜかくっくっくっと笑っていた。

「有り難う!お待ちしていました……」
と、握手を求めてキンケイドの側にいるであろう解読者に手を差し伸べようとした。
しかし、その影が見えない。

「キンケイド……?解読者は?」

キンケイドは、目線を床近くまで落として、彼を招き入れた。

「マスターヨーダ!」

僕は慌てて口を手で塞いだ。
80代は軽く越えているであろうその小さな老人は、杖をつきながらヨチヨチと病室に入ってきた。
風貌は僕が叫んでしまった通り、かの有名な映画に出てくる老人に実に良く似ていた。


こんな老人に解読が出来るのだろうか?
僕は息を飲み、新聞に載せた暗号文の回答を老人に求めた。

「簡単じゃよ。
『この暗号文を解読せし者に1万ドルの報酬を与え、尚且つ100万ドルの職を依頼したし。
至急、AMH社まで連絡乞う』
……どうじゃ?!」

老人は得意げに杖を回すと、ふふんと鼻を鳴らした。

「完敗です。……一字一句違わず見事な回答でした」
「87歳とて現役じゃ!10代の若さで肺炎で入院するようなヤワな少年にはまだまだ負けんわ!」
「……そのようですね」

僕は、このヨーダ、もとい老人に感服し、解読を依頼することにした。

「わしは、ケイン・ヨシダじゃ。Mr.ヨシダと呼んでくれ」

僕もキンケイドも、「まんま、ヨーダだ」と、心中思ったことが通じたのか目が会い、くすりと笑った。

「じぃさん、俺にはカンケイーねぇけど、ちょいと聞きてぇんだが……手に入れた100万ドルで一体何をするつもりなんだよ」
キンケイドの言葉にMr.ヨシダはにんまりと笑うと、
「宇宙旅行資金じゃよ!」
そう言いながら杖をくるりと回した。
……さすが、ス○ーウォーズ。

「頼もしいじぃさんだなぁ~」
さしものキンケイドも口笛をひゅーと吹いて敬服した。

……そのままフォースの力で行けますよと言うツッコミを堪えて、僕は依頼の詳細をマイクロチップと共に渡した。

Mr.ヨシダは「オチャノコサイサイじゃ!ふぉっふぉっふぉ」と高らかに笑うと、病室を後にした。




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