今、こうしてオレが医者の道を歩んでいるのもこの先生のお蔭だ。
「出来事には必ず必然がある」
その通りだった。
足を故障してからのオレは随分すさんでいた。
思うように進まないリハビリ。
オレがいなくても順調に勝ち進むバスケチーム。
それらのことがオレを苛立たせた。
オレはバスケの優勝戦を松葉杖をつきながら観に行った。
取るか取られるかのシーソーゲームだったが、最後に僅差で俺達が勝った。
嬉しそうに喜び合うチームに「おめでとう」と、観客席から賛辞を送りながらもやるせなさが残った。
ベンチを去ろうとした時、隣りに座っていた女が、駆け寄ってきた。
「ねぇ!あんた、すんごいカッコいいよね。良かったら今度遊んでよ」
女はそう言うなり、ボールペンでオレの杖のカバーにケーバンを書き始めた。
「今日は、これからカレシとデートだから遊べないけど、来週だったらオッケーだよ」
どうでもいい人生に、どうでもいい女……その頃のオレにはお誂え向きだった。
オレは生まれて初めて女を抱いた。
いや、正確には抱かれた。
好きでもない、どうでもいい女に。
女は「渋谷にいいラブホがあるんだ」と、アッケラカンと言った。
「そこね。ベッドのスプリングが結構ツボなんだ」
まるで大したことをする訳じゃないから来いと言わんばかりに、オレの腕をグイグイ引っ張っていった。
オレは、部屋に入るなり、杖をどけ、ベッドに体を投げ出すと、「勝手に動けよ」と言った。
どうせこの足じゃ、動けない。
女は盛りのついたメス猫みたいにオレの上で、勝手に動き、果てた。
大した事じゃないと思った。
女は満足し、オレはスカッとする。
SEXなんてそれだけだ。
単なるスポーツだ。
それから、何人も何人も女を抱いた。
どの女の顔も今は覚えていない。
愛なんて知らなかった。
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。
押して頂けると励みになります。
「出来事には必ず必然がある」
その通りだった。
足を故障してからのオレは随分すさんでいた。
思うように進まないリハビリ。
オレがいなくても順調に勝ち進むバスケチーム。
それらのことがオレを苛立たせた。
オレはバスケの優勝戦を松葉杖をつきながら観に行った。
取るか取られるかのシーソーゲームだったが、最後に僅差で俺達が勝った。
嬉しそうに喜び合うチームに「おめでとう」と、観客席から賛辞を送りながらもやるせなさが残った。
ベンチを去ろうとした時、隣りに座っていた女が、駆け寄ってきた。
「ねぇ!あんた、すんごいカッコいいよね。良かったら今度遊んでよ」
女はそう言うなり、ボールペンでオレの杖のカバーにケーバンを書き始めた。
「今日は、これからカレシとデートだから遊べないけど、来週だったらオッケーだよ」
どうでもいい人生に、どうでもいい女……その頃のオレにはお誂え向きだった。
オレは生まれて初めて女を抱いた。
いや、正確には抱かれた。
好きでもない、どうでもいい女に。
女は「渋谷にいいラブホがあるんだ」と、アッケラカンと言った。
「そこね。ベッドのスプリングが結構ツボなんだ」
まるで大したことをする訳じゃないから来いと言わんばかりに、オレの腕をグイグイ引っ張っていった。
オレは、部屋に入るなり、杖をどけ、ベッドに体を投げ出すと、「勝手に動けよ」と言った。
どうせこの足じゃ、動けない。
女は盛りのついたメス猫みたいにオレの上で、勝手に動き、果てた。
大した事じゃないと思った。
女は満足し、オレはスカッとする。
SEXなんてそれだけだ。
単なるスポーツだ。
それから、何人も何人も女を抱いた。
どの女の顔も今は覚えていない。
愛なんて知らなかった。
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。
押して頂けると励みになります。