明るいライトグリーンの瞳。
さらさらに輝く黄金色の髪。
モデルのようにスラリとした体躯。
それでも自分は日本人だと厳しい顔つきで答える彼。
私はトオル君のことを何も知らない。
トオル君は一体、何者なんだろう……。
「知らない……」
私はそう答えるのが精一杯だった。
だって、真実、彼のこと、何も知らない。
どうしてあの時、咄嗟に彼の名前を叫んでしまったのかも分からない。
「知らないって何だよ?」
「本当に、知らないの……」
すると突然、かずにぃは車の窓を叩いて、怒りも露わに叫んだ。
「やってる最中に他の男の名前を呼ぶなよ!!」
私は生まれて初めてかずにぃから投げられた「男」としての怒りにたじろぎながらも、唇を噛み締めて今まで堪えてきた気持ちをぶつけた。
「かずにぃだって……」
「え?!」
「かずにぃだって、ひどいよ!!」
「…………」
「あの時、待つって言ったのに!なのに……」
もう、一度溢れ出た思いは言葉を堰き止められなかった。
「私、ずっと、ずっとかずにぃのこと、好きだった!でも、かずにぃは振り向いてくれなかった!!」
驚いた様子でかずにぃは聞き返した。
「……ずっと、好きだった?!」
私の頬を止め処なく涙が溢れ伝っていた。
「私、いつも言おう、言おうって思ってた。でも、2年前のかずにぃの誕生日の時……。あの時、諦めようって……なのに、どうして……今」
そこまで言うと、言葉が出てこなかった。
「2年前?オレの誕生日??」
かずにぃは、眉根を寄せると、暫く考えていた。
それから、突然弾かれたように顔を上げて、私の頬に触れた。
「まさか……ハルナ……」
私は無言でその手を払いのけた。
そして、車の扉を開け、暗く広がる夜の闇の中へと飛び出していた。
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それでも自分は日本人だと厳しい顔つきで答える彼。
私はトオル君のことを何も知らない。
トオル君は一体、何者なんだろう……。
「知らない……」
私はそう答えるのが精一杯だった。
だって、真実、彼のこと、何も知らない。
どうしてあの時、咄嗟に彼の名前を叫んでしまったのかも分からない。
「知らないって何だよ?」
「本当に、知らないの……」
すると突然、かずにぃは車の窓を叩いて、怒りも露わに叫んだ。
「やってる最中に他の男の名前を呼ぶなよ!!」
私は生まれて初めてかずにぃから投げられた「男」としての怒りにたじろぎながらも、唇を噛み締めて今まで堪えてきた気持ちをぶつけた。
「かずにぃだって……」
「え?!」
「かずにぃだって、ひどいよ!!」
「…………」
「あの時、待つって言ったのに!なのに……」
もう、一度溢れ出た思いは言葉を堰き止められなかった。
「私、ずっと、ずっとかずにぃのこと、好きだった!でも、かずにぃは振り向いてくれなかった!!」
驚いた様子でかずにぃは聞き返した。
「……ずっと、好きだった?!」
私の頬を止め処なく涙が溢れ伝っていた。
「私、いつも言おう、言おうって思ってた。でも、2年前のかずにぃの誕生日の時……。あの時、諦めようって……なのに、どうして……今」
そこまで言うと、言葉が出てこなかった。
「2年前?オレの誕生日??」
かずにぃは、眉根を寄せると、暫く考えていた。
それから、突然弾かれたように顔を上げて、私の頬に触れた。
「まさか……ハルナ……」
私は無言でその手を払いのけた。
そして、車の扉を開け、暗く広がる夜の闇の中へと飛び出していた。
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