「ずるいぞ!トオル!!」
「ヒュー♪ヒュー♪」
「ハルナばっかりずるーい!!」
冷やかしややっかみなんか気にしないと言った感じで、トオル君は強引に私の手を引いていく。
トオル君に手を引かれて浜を突っ切っている最中に、最初の花火が上がった。
みんな歓声を上げて、花火に魅入っていた。
「トオル君、一体どこに行くの?待って」
トオル君は強引に手を引いて、歩を緩めない。
「待って!あっ!!」
私は浜から上がる階段に躓いて足をくじいてしまった。
「……痛いっ!」
トオル君は振り返ると、跪いた。
「ご、ごめん。挫いちゃったかな……」
「大丈夫。心配しないで」
私は少し痛む足でひょこひょこと歩き、立ち上がろうとした。
だけど、足がズキズキして、その場にしゃがみ込んでしまった。
トオル君は、屈むと、私の脇に手を通しヒョイと抱き上げた。
「え?!うそ。私、重いから下ろして!歩けるよ」
「とりあえず、別荘に行くしかないか。ちょっと我慢して」
トオル君は私の言葉に耳を貸さず、そのまま、平気な顔して歩いていった。
「あの……重くない?」
「うん。すんごく、重い!」
「え!降ろして!今すぐ降りるから!!」
「冗談。軽いよ」
大騒ぎする私を横目に、彼は柔らかく笑った。
そして、芝生のあるところまで来るとそっとその上に座らせてくれた。
海上には大きな枝垂れ柳の花火が満開の花を咲かせ、観客の歓声が一層大きくなっていた。
枝垂れ柳の先端がキラキラと星のように光りながら流れ落ちると、辺りからは拍手が沸き起こっていた。
トオル君は徐にパーカーのポケットに手を入れ、小さな箱を私に差し出すと、「開けてみて」と私に差し出した。
ドキドキしながら震える手で箱を開けてみると、中にはとても可愛いお星様のペンダントが入っていた。
「可愛い……」
私はペンダントを取り出すと、目の前に翳した。
「これ、私に?!」
「うん。僕が誤ってバッグで殴っちゃった分と、スナフキンのお詫びの分」
トオル君は頷いて、照れ臭そうに笑った。
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。
押して頂けると励みになります。
「ヒュー♪ヒュー♪」
「ハルナばっかりずるーい!!」
冷やかしややっかみなんか気にしないと言った感じで、トオル君は強引に私の手を引いていく。
トオル君に手を引かれて浜を突っ切っている最中に、最初の花火が上がった。
みんな歓声を上げて、花火に魅入っていた。
「トオル君、一体どこに行くの?待って」
トオル君は強引に手を引いて、歩を緩めない。
「待って!あっ!!」
私は浜から上がる階段に躓いて足をくじいてしまった。
「……痛いっ!」
トオル君は振り返ると、跪いた。
「ご、ごめん。挫いちゃったかな……」
「大丈夫。心配しないで」
私は少し痛む足でひょこひょこと歩き、立ち上がろうとした。
だけど、足がズキズキして、その場にしゃがみ込んでしまった。
トオル君は、屈むと、私の脇に手を通しヒョイと抱き上げた。
「え?!うそ。私、重いから下ろして!歩けるよ」
「とりあえず、別荘に行くしかないか。ちょっと我慢して」
トオル君は私の言葉に耳を貸さず、そのまま、平気な顔して歩いていった。
「あの……重くない?」
「うん。すんごく、重い!」
「え!降ろして!今すぐ降りるから!!」
「冗談。軽いよ」
大騒ぎする私を横目に、彼は柔らかく笑った。
そして、芝生のあるところまで来るとそっとその上に座らせてくれた。
海上には大きな枝垂れ柳の花火が満開の花を咲かせ、観客の歓声が一層大きくなっていた。
枝垂れ柳の先端がキラキラと星のように光りながら流れ落ちると、辺りからは拍手が沸き起こっていた。
トオル君は徐にパーカーのポケットに手を入れ、小さな箱を私に差し出すと、「開けてみて」と私に差し出した。
ドキドキしながら震える手で箱を開けてみると、中にはとても可愛いお星様のペンダントが入っていた。
「可愛い……」
私はペンダントを取り出すと、目の前に翳した。
「これ、私に?!」
「うん。僕が誤ってバッグで殴っちゃった分と、スナフキンのお詫びの分」
トオル君は頷いて、照れ臭そうに笑った。
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。
押して頂けると励みになります。