関節脱臼骨折。
オレは生まれて初めて聞くその病名に「ふーん」と首を傾げた。
「で、センセ。治るまでにどれ位かかんの?」
オレは足を前に投げ出すと、椅子に踏ん反り返りながら聞いた。
「うーん。ほら見てご覧」
先生はさっき撮ったレントゲン写真を板に差し込むと、背後のライトを点けた。
「見事に割けてるからねぇ。骨が……」
先生は目を細めてしみじみと写真を眺めていた。
50歳にはなろうかと思われる、そのヤブもとい、先生は、てっぷりとした腹をさすりながら「そうだなぁ……」と、勿体ぶるかのようになかなか答えようとしない。
……ボケてんじゃねぇのか?
苛立っているオレは、食って掛かった。
「で、いつ治るんだよ!」
「4ヶ月位かなぁ」
「冗談だろ!?こっちは1ヵ月後に試合があるんだよ!!」
オレはヤブ、もとい先生に立ち上がって掴みかかった。
その瞬間、ダーンと音を立てて床にすっ転んだ。
「いってぇーーーーーーー!!」
骨折した足だと言うことを忘れて急激に立ち上がったのがまずかった。
ヤブは、てっぷりとした腹を叩くとウムウムと頷いた。
「んー。今ので全治6ヶ月かなぁ」
「もっと早く治せよ!ヤブ!!」
オレは痛みを堪えながら、床の上に這いつくばり叫んだ。
「んー。それは難しいね。あ、言い忘れたけど、手術するからね、明日」
「手術?!ちゃんと説明しろ!ヤブ!!」
「全身麻酔だから大丈夫。痛くないよ。続きは君が落ち着いたらね。とりあえず、入院手続の説明を受けて下さいねぇ」
ヤブはそれはそれは嬉しそうにニヤリとほくそ笑んだ。
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「見事に割けてるからねぇ。骨が……」
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50歳にはなろうかと思われる、そのヤブもとい、先生は、てっぷりとした腹をさすりながら「そうだなぁ……」と、勿体ぶるかのようになかなか答えようとしない。
……ボケてんじゃねぇのか?
苛立っているオレは、食って掛かった。
「で、いつ治るんだよ!」
「4ヶ月位かなぁ」
「冗談だろ!?こっちは1ヵ月後に試合があるんだよ!!」
オレはヤブ、もとい先生に立ち上がって掴みかかった。
その瞬間、ダーンと音を立てて床にすっ転んだ。
「いってぇーーーーーーー!!」
骨折した足だと言うことを忘れて急激に立ち上がったのがまずかった。
ヤブは、てっぷりとした腹を叩くとウムウムと頷いた。
「んー。今ので全治6ヶ月かなぁ」
「もっと早く治せよ!ヤブ!!」
オレは痛みを堪えながら、床の上に這いつくばり叫んだ。
「んー。それは難しいね。あ、言い忘れたけど、手術するからね、明日」
「手術?!ちゃんと説明しろ!ヤブ!!」
「全身麻酔だから大丈夫。痛くないよ。続きは君が落ち着いたらね。とりあえず、入院手続の説明を受けて下さいねぇ」
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