日記

日々の雑記にございます。

ハロウィン企画2

2007-10-25 19:54:21 | ハロウィン企画
家に帰ってからパソコンを付けるのが面倒だ;そんなわけで、本日は第二弾。記念の週に猫に行きたいと思いを募らせつつ。

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02:街中に漂う甘ぁい香り

「ジェリー!」

劇場から出てきた可憐な女性の姿を認めて、崩れそうなベンチに退屈そうに座っていたコリコパットは嬉しそうに声を上げた。

「コリコ?どうしたの?」
「ちょっとガスに用事。ジェリーはお稽古か?」
「ええ、そうよ。ガスは奥にいるわ、ランペルとバブも来ていたわよ」

いつもはこんなところに来ない仔猫たちが次々と訪ねてくる。
今日はハロウィンだから、仮装の道具を借りにきているのだろう。
コリコパットも例に洩れず、といったところかとジェリーロラムは微笑んだ。

「ランペルとバブもか、早いな。俺、ギルと待ち合わせてるんだけど」
「ギルはまだ見てないわ」
「ふうん、そっか。タントのとこにでも寄ってんのかな」

地面を見つめて独り言のように呟いたコリコパットだったが、勢い良く顔を上げるとニッカと笑った。

「俺、一番最初にジェリーんとこ行くからな」
「ふふ、待っているわ。ギルと一緒に来なさい、タントと一緒に作るから」
「サンキュ。ギルとどこから行くか揉めなくてすむよ」

トンと軽やかに地面に降り立って、コリコパットは伸びをした。
そしてきらきらと期待に満ちた瞳をジェリーロラムに向ける。

「ここに来るまでも、街中甘い匂いでいっぱいだったんだ。すっげえ楽しみ」

人間のこどもたちだって、きっと目を輝かせて夜の訪れを待っているのだろう。
おとなたちは、猫だって人だって準備に大忙しだ。ジェリーロラムも昨夜からタネは仕込んである。
かぼちゃを蒸したり、漉したり、焼いたり、煮たり。優しい甘さをお菓子に変えて、夜を待っている。
細く開けた台所の窓から、まずは香りのお裾分け。

「おいしいの作るから、夜まで我慢ね」
「何作ってくれるんだ?」
「お楽しみよ」

微笑んで軽くウィンクしてみせるジェリーロラム。
その時、向こうからギルバートが走ってきた。彼の連れてきた風にすら甘い香りが絡み付いている気がする。

「それじゃあ夜にね」
「うん、夜に」

ジェリーロラムとコリコパットは手を振り合ってその場は別れた。
どんな衣装で現れてくれるのだろう。
どんなお菓子を用意してくれるのだろう。
心のうちで、そんな風に思いながら。

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02:街中に漂う甘ぁい香り
コリコパット/ジェリーロラム

うちは、この二匹は恋仲です。タントとギルもしかり。

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