PIAFUL♪

ピアノを愛する私の・・・独断と偏見による
その時々の旬な話題?を気紛れに~♪

フライ,ダディ,フライ

2005-06-12 | book
直木賞受賞作 『GO』 以来、3年ぶりとなる…

金城一紀の長編小説 『フライ,ダディ,フライ』
“飛べ、おっさん、飛べ!!”・・・

47歳の平凡なサラリーマン、鈴木一(はじめ)。妻と17歳になる一人娘が唯一の
自慢である。ある日、娘(遥)が何者かに殴られ入院したという知らせが入る。
遥を殴った相手、ボクシングの高校生チャンピオン石原への復讐を決意。

ひょんなことで知り合ったオチコボレ高校生集団、ケンカ名人の朴舜臣(パク・スン
シン)「おっさん、戦い方(技)を教えてやるよ。。大切なものを守りたいんだろ?」
舜臣との奇妙な師弟関係が始まった。
目標に向かって邁進する姿が、確かなメッセージと共に描かれたひと夏の冒険譚。
差別や偏見の中でタフに生きる若者たちと、平凡なサラリーマンとの対比・・・
舜臣の、おっさんへ向ける言葉の数々には唸らせられるものが・・・

“飛びたかったら、まずはしっかりと地面に立つことから始めるんだ。そのために足
を鍛えないとな”
“何も壊さずに新しく何かを作り出そうなんてそんな都合のいいことはあり得ないよ”
“恐怖は、喜びとか悲しみとかと同じで、ただの感覚だぞ。弱っちい感覚に支配され
るな” “不安や悩みを抱えてない人間は、努力してない人間だよ”
“過剰な思いや力は、すべてを台無しにするかもしれねえぞ”
“力は頭の中で生まれて育つんだ。頭でダメだと思った瞬間に、力は死ぬんだぜ”
47歳のおっさんが舜臣に!ではなく舜臣が47歳のおっさんに!言うんですぞ。

オチコボレ軍団が、これまたいいヤツたちなんだな~、心が温ったかくて優しくて。
タッチも軽く読み易い。読後には爽快感の残る作品でした~。

ガンバル47歳のおっさんも捨てたもんじゃぁねえ!?(ん?錯覚か?)
7.9(SAT)東映系で 映画 も公開されるそうな。おっさん方も観て奮起しろ~!?