“社会に、この実情を知ってもらいたい!”・・・それが、執筆の動機!
現役産婦人科医師が描く 「医療の危機」・・・
『ノーフォールト』 著者 : 岡井 崇
データベース・・・
大学病院に勤める産科医・柊 奈智は、当直で容態が急変した妊婦の緊急帝王切開出を行なう。
ギリギリの判断が幸いし子供は無事に生まれた。が・・・数日後、原因不明の出血が母親を襲う。
医師たちの懸命の治療の甲斐もなく、出血の原因がわからないまま、母親は死亡した。
遺族から訴訟を起こされ、執拗な追及を受けた奈智は、精神のバランスを失い・・・。
緊急手術、医療事故、裁判、過酷な勤務、そして医師たちの私生活。
最前線で働く医師の姿を描き、感動の渦を巻き起こしたヒューマン・ドラマ!
この小説に出てくる症例は、著者さんの35年の臨床経験と医療知識を基に創作されたものだが、
どれも、今日にでもどこかで起こり得る話。(らしい)
知らなかった世界・・・。臨場感たっぷり。リアル過ぎる感(;´▽`A`` 。。
医学用語には慣れなかったけど、著者さんの訴えたいこと、願っておられること・・・伝わってきた。
“余話” に、小憎い計らい・・・著者(岡井)さんから主人公(奈智)へ宛てた手紙が。。。
「・・・貴女(奈智)の患者想いの診療姿勢が、また、激務にめげず真摯に努力する貴女の姿が、
患者さんの医師への信頼を呼び戻してくれることを、同じ境遇の若手医師に志を貫く勇気を与えて
くれることを願いつつ・・・」 と、締め括られていました。
読み終えるまでは、モヤッ!?とした印象だった “無過失補償制度” なるもの・・・
将来は、全領域の医療事故に適応されるといいな・・・と思いました。
※ 無過失補償制度の理念と精神・・・
「“過失” も “災害” も含めて、医療事故に遭った被害者は公平で妥当な補償が受けられる」