今朝の新聞…第一面を飾った大見出し…
「日本 W杯 一番乗り!」
この試合を 「北朝鮮のVIPたち」 (在バンコク北朝鮮大使館員、その家族) に囲ま
れ、北朝鮮のベンチ裏で観戦していた男がいる。作家・村上龍…。
北朝鮮がFIFAの制裁を受けた後、日本はアウェーでバーレーンに勝って、圧倒的
に有利になったが、こういう時が危ない。サッカーの試合では、技術や精神力の他
に運が大きく左右する。ディフェンダーに当たって跳ね返ったボールが、どちらに転
ぶかで決まったりする。制裁試合で、北朝鮮がサッカーの神から思いがけない幸
運を授かることがないとは言い切れないのだ。だがそういったことはすべて思い違
いだったことが分かった。
私は北朝鮮を買い被っていた。埼玉スタジアムでは、もっといいプレーをしていたが
暑さのせいか、主力の何人かが故障で出られないせいか、または もう日本に勝っ
ても意味がないと諦めたのか、それともどうしようもなく弱いチームだったのか、とに
かく バンコクで見た北朝鮮は、ひとかけらの魅力もないチームだった。
しかも、北朝鮮のVIPたちの集団は、サッカーというゲームを知らない人たちばかり
だった。金日成バッジを胸で輝かせているおばさんたちは、状況に関係なく選手が
ボールを持てばそれだけで耳障りな嬌声を上げるし、日本にボールが移ると、別に
危険な局面ではないのに金属的な悲鳴を上げる。後半になると、私は 「これは、チ
ームとしても応援団としても、まったくリスペクトできない」 とはっきり結論を出した。
実は、イランとの最終戦にW杯行きがかかるというような盛り上がりを少し期待して
いたりしたのだが、もうそんなことはどうでもよくなった。“彼らを粉砕しろ” そう呟き
ながらゲームを見るようになった。すると、柳沢と大黒がゴールを決めた。その時、
息が詰まるようなバンコクの湿度と熱気を切り裂いて、冷たい風が吹いてきたかの
ような爽快感があった。 (村上龍流?観戦記より抜粋)
スポーツ=サッカーというぐらいのサッカーファンである龍さんにとっては、“期待を
裏切られた”?バンコクでの観戦だったんだろうな。
「日本 W杯 一番乗り!」
この試合を 「北朝鮮のVIPたち」 (在バンコク北朝鮮大使館員、その家族) に囲ま
れ、北朝鮮のベンチ裏で観戦していた男がいる。作家・村上龍…。
北朝鮮がFIFAの制裁を受けた後、日本はアウェーでバーレーンに勝って、圧倒的
に有利になったが、こういう時が危ない。サッカーの試合では、技術や精神力の他
に運が大きく左右する。ディフェンダーに当たって跳ね返ったボールが、どちらに転
ぶかで決まったりする。制裁試合で、北朝鮮がサッカーの神から思いがけない幸
運を授かることがないとは言い切れないのだ。だがそういったことはすべて思い違
いだったことが分かった。
私は北朝鮮を買い被っていた。埼玉スタジアムでは、もっといいプレーをしていたが
暑さのせいか、主力の何人かが故障で出られないせいか、または もう日本に勝っ
ても意味がないと諦めたのか、それともどうしようもなく弱いチームだったのか、とに
かく バンコクで見た北朝鮮は、ひとかけらの魅力もないチームだった。
しかも、北朝鮮のVIPたちの集団は、サッカーというゲームを知らない人たちばかり
だった。金日成バッジを胸で輝かせているおばさんたちは、状況に関係なく選手が
ボールを持てばそれだけで耳障りな嬌声を上げるし、日本にボールが移ると、別に
危険な局面ではないのに金属的な悲鳴を上げる。後半になると、私は 「これは、チ
ームとしても応援団としても、まったくリスペクトできない」 とはっきり結論を出した。
実は、イランとの最終戦にW杯行きがかかるというような盛り上がりを少し期待して
いたりしたのだが、もうそんなことはどうでもよくなった。“彼らを粉砕しろ” そう呟き
ながらゲームを見るようになった。すると、柳沢と大黒がゴールを決めた。その時、
息が詰まるようなバンコクの湿度と熱気を切り裂いて、冷たい風が吹いてきたかの
ような爽快感があった。 (村上龍流?観戦記より抜粋)
スポーツ=サッカーというぐらいのサッカーファンである龍さんにとっては、“期待を
裏切られた”?バンコクでの観戦だったんだろうな。