村上春樹さんって、毎年必ずノーベル文学賞の受賞候補に名前が出ますよね。
好きな作家さんではあるのですが、審査する人がいるわけなので、難しい部分もあるのでしょうかね。
同じくけっこうよく候補として名前を聞いていた青色LEDの中村修二さんに、ようやく物理学賞が受賞されました。私の中では化学のイメージだったのですが、物理なのですね。
実用的な青色発光ダイオードの開発として、赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんの3名が受賞となりました。
赤崎さんと天野さんが中心となって、世界で初めて青色の発光ダイオードが開発され、中村さんが製品化に向けた技術開発を行ったというわけですね。
さて、なぜ青なのでしょうかね。
光の3原色として、赤・緑・青があります。この3つの光を合わせると白になりますね。3色の光の強度を変えることで、様々な色の光を出すことができます。
ホームページのプログラムに使われているhtmlでも、色の設定として、赤の強度、緑の強度、青の強度をそれぞれ0から255で設定することで、色が決定します。全部最大値なら白、全部0なら黒になりますね。
ちなみに赤・緑・青の絵の具を3色混ぜ合わせると黒になります。例えば赤い絵の具は、赤以外の光を吸収して、赤のみを反射しているから、人間の目には赤く見えるのです。混ぜ合わせることによって、反射される光が減ってしまうから黒く見えるのですね。
青色の発光ダイオードが開発されている頃には、純粋な赤と黄緑は既に開発されていました。後に純粋な緑が開発されるとして、青が開発されることが重要なことだったわけですが、同時に最大の難関でもあったわけです。
青い光、といえば、文字通りブルーレイにも技術が応用されています。青色、というか現実には青紫色のレーザーが使われているのですが、波長としては400nmぐらいということで比較的短い波長であり、少ない面積で大量のデータの読み書きができるという特徴があります。アニメの世界にも技術革新の恩恵が回ってきているのですね。
ところで、中村さんといえば特許をめぐって所属会社と揉めてしまったことでも有名です。自分の力だけでは実験はできなくて、会社の施設や装置を使って研究していたわけですし、そもそも成功するかどうかわからない研究に多額の投資がされていたわけですから、会社側に特許の恩恵が持って行かれるのは理解できます。とはいえ、100億以上の利益を稼ぎ出したのに、対価がボーナスとして数万円では、納得できないですよねw。そのあたりの法整備や取決めがまだない時代だったのもあるかと思います。
中村さんも嘆いていましたが、日本の研究者は大抵は不憫ですね。博士課程の学生さんは、自分の研究よりも後輩の指導や教授の雑用が多くて、博士を取れたとしてもアカデミックに枠は少なくて、それでも頑張って成果が出たとしても全部教授に持ってかれるというw。
日本の若手研究者の未来にも、青い信号が灯って欲しいものです。