昨夜、地元の知人が地元の映画館で21:30のレイトショーを観に出向いたという。
でも映画館に着くや否や門番に入館が拒否されたという。
そのわけは、映画館には他の客が一人も足を運んでいないからだったという。
他に誰も来ていないからたった一人のために映画館を解放するわけにはいかないと説明されたという。
そんな説明に納得しなくとも、知人が仕方なくその足で帰宅せざるを得なかったという。
そしてクリケット・ワールドカップの決勝戦の続きをテレビで観戦したという。
うん?クリケット・ワールドカップの決勝戦の続き...?
ということは、知人がクリケット・ワールドカップ決勝戦の途中で家を抜け出して映画館に足を運んだということ?
ということは、地元開催のワールドカップで、ホスト国のインドがスリランカと決勝戦で対峙していたのに映画館に足を運んだということ?
ということは、決勝戦が行われたインドのムンバイでは試合のために休日が発表されていたぐらいなのに映画館に足を運んだということ?
ということは、準決勝のインド対パキスタンにしろ、決勝のインド対スリランカにしろ、全国的に無申告の外出禁止のような状況だったのに映画館に足を運んだということ?
ということは、町々では商店街に、会社に、工場...誰もが仕事を早めに切り上げてテレビに釘付けになっていたのに映画館に足を運んだということ?
ということは、ワールドカップのホスト国が優勝しないというジンクスを破る絶好のチャンスがインドにめぐっていたのに映画館に足を運んだということ?
ということは、インドが勝てば28年ぶりに2度目のワールドカップ優勝となるのに映画館に足を運んだということ?
ということは、大接戦が予想されていて、予想通りの展開になっていたのに映画館に足を運んだということ?
醤油こと。
インド中が固唾を呑んで見守っていたときに映画館に行こうと思うインド人の知人。
そして観客が一人だけなら映画を上映しないと決めたインドの映画館。
どっちもどっちだ。
仕方なく帰宅してから試合の続きを観ることにした知人だったが、インドの優勝が決まった瞬間から放送が終わるまでテレビに向けて絶えず拍手を送っていたという。