1月30日のコンサートの録音編集が無事に終わりました。トンプソンが2台ピアノの楽しさについて楽譜に書き残した素敵な言葉をもう一度紹介します。
【「一年生の2台ピアノアルバム」のトンプソンによる序文】
「本書は,ジョン・トンプソンによる第一課程用12の独奏曲集に第二ピアノをつけたアルバムです.例えば,最初の<小さな木馬>で,通常のレッスンで独奏曲として教えてから,教師やより進んだ生徒が第二ピアノをつけて演奏します.初期からの合奏の訓練の効用は明らかです.簡素な第一課程の独奏曲が,二重奏になるとずっと立派に響き,まるで第三課程や第四課程のような色彩感と音量が得られます.これは若いピアニストにとって魅惑的でやりがいのある経験であり,聴き手にも大いに喜ばしいことです.(中略)このアルバムは,一年目の発表会に音楽的興味と魔法のような魅力をも加えることにおいて,ことのほか有用であることがわかるでしょう.これらの楽曲を弾けば,初級者であっても上級の生徒のライバルになることができます.お客さまが喜ぶことはまちがいありません.初めて公開の場で演奏するとき,これ以上に理想的な手段を見つけることは困難です」
先だって日本人作曲家の言葉もご紹介しましたが、アメリカの教育者も同じように2台ピアノの芸術性、音楽性、重要性をこうして残してくださっています。「重要ではない」「珍しい」と言った2台ピアノ作品への誤った認識が早くなくなることを心より望みます。
ここにその素晴らしい言葉を過去の記事から再掲します。機会があれば何度でもご紹介したい言葉です。
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1冊目は昭和60年に東京音楽書院から発売された坪根春枝さん監修の「2台のピアノによるグルリットアルバム」です。
はじめに
発表会も終りに近づいて、高学年の方達が、二台ピアノやコンチェルトを弾かれるのを、うらやましく、又、一寸退屈しながら聞いた方は、多いのではないでしょうか。
この本は、ピアノをはじめたばかりの方でも、音楽界でできるように、ツェルニー100番
程度の曲を集めてみました。
二台ピアノは、連弾よりもずっと華やかな音で楽しめます。相手に迷惑をかけないように
、一生懸命に練習をするでしょうし、演奏者が離れているので、よく聞き合わなければならず、二台の音がぴったりとあった時のよろこびで、ピアノの練習も楽しくなると思います。
この本では、今、ピアニスト、ピアノの先生として活躍中の方々が、10~20年前、中学・高校時代に、二台ピアノ用に書いて楽しんだ曲もまぜて出版することにしました。音楽的には、幼い面もあるかわりに、心から楽しんだ若さがあると思います。
皆さんも、ピアノのレッスンに通い、宿題だけをするのではなく、仲間と好きな時に、もう一台分を書き添えて、楽しんでみたらいかがでしょうか。
ピアノが二台ない場合は、近頃売られている電気のキーボードを使うことをお勧めします。
せまいところでも使うことができる上に、色々な音色も楽しめます。あなたの今後の発表会にお役に立てば幸いです。
坪野春枝
この本に作品をのせた方は須田さゆりさんです。
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2冊目は昭和57年に共同音楽出版社から出版された酒田富治さん監修の2台のピアノの為の「こどものピアノ二重奏曲(3)」です。
まえがき
ー2台のピアノによる合奏の楽しさをー
ピアノ連弾の楽しさを経験したこどもは、2台のピアノで演奏する合奏に強い興味を示します。この機をとらえて、合奏をさせますと、音楽に対する喜びと楽しさは、一段と深くなります。
こどものそうした欲求に応じ、初期の中から巾広い演奏経験をもたせたいと念願していましたが、いままでに出版されているものには、国の内外を問わず、初期での二重奏曲は、連弾以上に見当たりません。
そこで、連弾曲の場合と同じように、初歩の段階から弾ける、易しくて面白い二重奏曲と念願して編曲したものの中から、更に厳選し、整理編集したものが本書です。
本書では次のことに留意しました。
(1) 大譜表を使用する段階の程度から演奏できます。
(2) I(第1ピアノ)と II(第2ピアノ)が同じ程度に編曲したもの。ーこれらの曲は、連弾と同じように、I ・II交代で演奏します。
(3) I ・IIが同じ程度でなく編曲したものーこれは、程度が少し違う子供でも二重奏が楽しめるようにとの配慮からです。
(4) 1つの楽曲を独奏で、連弾で、二重奏でといろいろな形を通して味わえるようにと、「こどものピアノ曲集」や「和音から入るピアノの本」「子供の連弾」などの曲を多数取り入れました。
昭和57年 早春
酒田富治
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