雪と寒さとオリンピックの2月もまもなく終わりです。寒さと雪の中、第164回目となる2台のピアノの午後「イタリアン・ネオクラシックス」を開催しました。
20世紀に活躍した5人の作曲家と21世紀の現在もご健在のアツィオ・コルギの6人のイタリア人作曲家の作品を2台のピアノでお届けしました。いずれも個性あふれる楽しい作品で、バロック時代にさかのぼっても2台の鍵盤楽器の合奏が盛んだったイタリアの音楽界の豊饒さを感じられた演奏会となりました。
前半の3人の作曲家はピアノ作品に限らず、教育者や評論家としても活躍しました。ベティネッリの「2台のピアノのためのソナチネ」が昨今巷を騒がせた「現代音楽」の言葉のイメージに近い響きかもしれません。マンツィーノとヴィオツィの小品はいずれも印象的な愛すべき作品です。ダリウス・ミヨーに献呈されたヴィオツィの「テンポ・ディ・サンバ」は「スカラムーシュ」と同じくアップテンポで聴く人が自然とリズムを取って体を動かしてしまう楽しい音楽です。
後半はコルギの不思議な「イッツ・ビス」で始まります。オペラも手掛けるコルギの力の抜けたユニークな旋律が続きます。ソレシーナの「軍隊ラッパの号令による小ソナタ」はラッパの音色をピアノに置き換えて、2台のピアノで鮮やかに響かせます。何故かピアノが伴奏でラッパの音が浮かび出て来るように聞こえてきます。余談ですが、ラッパといえばフレッド・ジンネマン監督のアメリカ映画「地上より永遠に("ここ"より"とわ"に)」のモンゴメリー・クリフトがトランペットを吹くシーンをいつも思い出します。今回のトリを飾るのは、アンジェロ・ラヴァニーノの「2台のピアノのためのソナチネ」です。「ソナチネ」にしては演奏時間が18分にもなる大作です。2楽章の「夕べの賛歌(主の降誕)」は荘厳で神々しい和音の響きが印象的です。打って変わって3楽章の「PARODIA IN BOOGIE-WOOGIE」はバーンスタインが「ウェストサイド物語」でも書いたリズムと旋律を数年先取りしていることは特筆しておかなければなりません。音楽の終わりまで続くブギウギのリズムがクラシックだけでなく、ジャズのファンまでも虜にしてしまいます。
どの作品も1台のピアノでは表現できない幅広い音楽の世界を構築しています。会場のお客様から「このコンサートだけでメシアンからジャズまで感じられて楽しめました」という嬉しい感想もいただきました。こうしたひとことが今後の活動のエネルギー源になります。これからも2台のピアノのアンサンブルの魅力を皆さんにお届けしたいと思います。
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