京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「身代わりネコ」

2022-09-12 08:53:16 | 時計修理

9月12日月曜日。今日も暑くなりそう、朝9時の室温32度、湿度68%と早くも30度越え。猫のお花も床にべったりと貼り付いています。

台風の影響なのか湿度が高いまま夕方のチェロの練習時間に時計の針が早く動く。最初のスケールの練習で早くもひじやあごの先から滴り落ちる汗にうんざり。楽器についた汗の処理が大変、練習でくたくたに疲れているのでつらい時間です。相変わらず突発性難聴は改善されないままなのでチューニングは機械に任せる。きれいな高音部が聞こえずらい苦行のような2時間です。

練習中は猫のお花がつかず離れず見守ってくれるまるで先生のようだ。高音部のポジションは苦手のようでその間どこかへ避難しています。練習最後に弾くカザルス「鳥の歌」が聞こえると近くに戻って大あくびを一発「おとうちゃん、今日もはずれてたよ~」。シューマン「トロイメライ」もお気に入りのようで黙って静かに聴いてくれる。お花は私の唯一のお客様、練習終わりにチュール(子猫用マグロ味)をあげる。このときばかりは花姫のお部屋までお姫様抱っこしていくのが習慣になりました。毛玉ちゃんは抱っこするまで待っています。長崎猫の特徴で短く先の曲がった尻尾を仕切りに振っているので喜んでいるのでしょう。

京都から880キロ離れたコロナ疎開先の南島原市、水入り事故の処置でお客様からのお問い合わせになんとも対応できないのがつらいものです。ウラブタを開け、巻き芯を抜いて、針と文字盤を外します。これだけで一応の処置は完了。機械を冷凍庫に入れて都合のいいときに取り出し分解掃除を始めます。凍結すると錆の進行は止まる。それが880キロ離れているために一日違いで手遅れになる。そこで一般のお客様には近くの時計屋さんに持っていってくださいニャン!時計屋さんからのお問い合わせでは保冷材と一緒に送ってくださいニャン!と伝えるけどそのままメーカー送りになるようでこちらには届かない。メーカー送りをしたほうが利益は出るし責任を転嫁できるのだ。円安で4割以上の高騰は時計業種でも同じです。

猫の手をいつも借りている田舎の時計師。時計の仕事より畑の草むしりに忙しい毎日です、快晴の青空を見上げながらトボトボと畑へ向かいますニャン!

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 時計師の京都時間「ネコの脱走」 | トップ | 時計師の京都時間「ネコの夢」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時計修理」カテゴリの最新記事