チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「A Humber of Perfect Games(完全試合さまざま/上院議員から犯罪者まで)/Give 'em A Rest!」

2012年04月25日 03時58分42秒 | 野球新陰流(上泉偐勢守のホウボウ剣
先日、4月21日に、シカーゴウ・ワイトソックスの
Philip Humber(フィリップ・ハンバー、1982-)投手が、敵地スィアトルで
MLB(メイジャー・リーグ・ベイスボール)史上21番めの完全試合を達成した。
Perfect Game(完全試合)とは、
一方のティームの先発投手がもう一方のティームの打者を一人も塁に出ずに勝利した、
という結果的条件が満たされた試合のことをいう。ともあれ、その試合では
イチローも御手上げだったらしい。が、
ハンバー投手は前期までに通算11勝しかしてない、凡庸な投手だった。
このパーフェクト・ゲイムも今期初勝利である。凡庸といえば、
日本のプロウ野球では、平成19年の日本シリーズ第5戦ナゴヤ・ドームで、
中日ドラゴンズの山井大介投手が8回を一人も塁に出さないピッチングをしたが、
オレ流落合監督は9回表に交替させて岩瀬をリリーフに送り、結果、三者凡退に抑えて、
公式には完全試合とはカウントされないが、
"継投による完全試合"という稀有な例が成立した。この試合は、
1対0でドラゴンズが日本ハム・ファイターズを下したのだが、その
敗戦投手はあのダルビッシュ有である。

MLBは前近代的な時代を含めて、
サイ・ヤング、サンディー・コーファックス、ジム・バニング、
キャットフィッシュ・ハンター、デニス・マルティネス、など、
三振が取れるかまたは切れるカーヴもしくはスライダーを持ってる大投手と、
そうでもない凡庸な投手のいずれもが成し遂げてる。
そのうち、ジム・バニングは異例な投手である。
このパーフェクト・ゲイムによって、
サイ・ヤングに次いで両リーグでノウ・ヒッターを達成し、
引退後は政治に転向、共和党員として
市会議員を皮切りに、下院議員、そして、
ケンタッキー州選出の上院議員にまでなったのである。
MLB時代、ワシントン・セネターズに在籍したことがなかったのが
一つだけ心残りだった、からではないらしい。
Hall of Fame(ホール・オヴ・フェイム≒殿堂)入りも果たし、
一昨年、功成り名遂げた末に政界からも引退した。

米国ではこんな立派な肩書きの人物もいれば、
日本のプロ野球では、完全試合を投げながら、
末路は犯罪者、という者がいる。
昭和35年、大洋ホエールズの島田源太郎(1939-)投手は、
当時の本拠地川崎球場(あの狭い、本塁打の出やすい)で、
阪神タイガーズを相手に、
日本プロ野球史上最年少(20歳11かヶ月)で
完全試合を達成した。そして、
米国で21人21度めの完全試合が成し遂げられた数日後、
島田元投手は石川県警金沢東署に逮捕された。
出資金詐欺容疑ということである。
「ボイズ、ビー・アンビシャス!」のクラーク博士とおんなじである。

ちなみに、
米国の21個のパーフェクト・ゲイムのうち、その投手の所属ティームは、
今回を含めるといわゆる
シカゴ・ホワイトソックスが3でもっとも多い。
日本のプロ野球は15個中、なんと、
たった15スィーズン半しかなかった
国鉄スワローズの3が最多なのである。
特急つばめを球団名にしたのだが、
サンケイ・アトムズ、ヤクルト・アトムズ時代を含め、
私がガキの頃は後楽園の巨人戦は超人気で、
親が読売関係の知り合いに頼んでも、
巨人戦の切符が手に入ったのは、
このティームが対戦相手のときだけだった(たまに広島戦も)。
後年にはそのキャラが笑いのタネとして貴重な存在となった
故武上四郎(1941-2002)が巨人ファンたちから
めいっぱいヤジられてた(というか、イジラレてた)のを
懐かしく思い出す。
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