チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「MLBで今期二人めの完全試合(サトウ・キビ男のパーフェクト・ゲイム)/人類皆カインの末裔」

2012年06月17日 20時16分36秒 | 野球新陰流(上泉偐勢守のホウボウ剣
[He reised Cain by pitching a perfect game]

煎餅を焼かなくていい自由な身となって、
清々した気分で遊び呆けることができる。
生来のナマケモノである私は、仕事が大嫌いである。ただ、
1件だけ熱心に慰留してくれるので、それだけは
断ち切れないかもしれない。それでも、
ひとつ終わったと思ったらまた次のが、
というのがなくなるだけでも気が楽である。

6月13日にサン・フランスィスコウのAT&T Parkで行われた
ジャイアンツ対ヒューストン・アストロウズ戦で、
SFのMatt Cain(マット・ケイン、1984-)投手(27歳、UN:18、右投げ)が、
MLB史上22番めのperfect gameを達成した。
ジャイアンツの投手としては初めての快挙である。ところで、
つい先日4月21日には、
チカーゴウ・ワイトソックスのPhilip Humber(フィリップ・ハンバー、1982-)投手が
イチローらスィアトル相手に敵地で達成したばかりである。こちらは、
レイズから復帰したものの戦力外通告も時間の問題な松井秀喜に
ホウムランを浴びてたほど、当該ゲイム以外の成績は振るわず、
現在2勝4敗、防御率5.92である。が、
ケインのほうはこの試合で今期8勝2敗、防御率2.18である。
2年前のワールド・スィリーズでも第2戦で7回2/3を零点に抑えて
勝利投手にもなってるレヴェルである。
いわゆるフォーシームの速球が150km/h程度ながら、
140km/hのスライダーと同速のチェインジアップ、
そして125km/hのカーヴ、という"高速変化球"が武器である。
加えて、ときどき、いわゆるツーシームの速球も投げる。

この完全試合の相手はヒューストン(テクサス州)・アストロウズだったが、
同投手はテネスィー州メンフィスの郊外ジャーマン市の
"ヒューストン"高校在学中にジャイアンツに一巡め(25番)指名され、
MLB入りした。高校時代からデカかったので、その名
"Cain(ケイン)"が葦を意味する"Cane"と同じ発音であることから、
"Big Sugar(ビッグ・シュガー=さとうきび)"とあだ名されてた。
サトウキビの茎は3m前後にもなる高さだからである。
♪ザワワ、ザワワ♪
その恵まれた体躯からバッティングも侮れない。
メイジャー8スィーズンめの今年までに通算5本塁打を放ってる。

ところで、
"Cain"というのは旧約聖書の創世記で、アダムとイヴの長男の
カインのことである。カインは耕作を司ってたが、
弟アベルに嫉妬して殺し、それがために追放され、
耕作を取りあげられたので鍛冶屋になったとされてる。
いずれにせよ、
現在の世界全人類は、キリスト教の教義によれば、
嘘つき・殺人者(弟殺し)の"カインの末裔"ということになる。
昨季までの20人の達成者の中にはのちに
上院議員になった者もいたが、今度は
カイン、否、ケインだった。
杖打ちの刑に処せられるようなことはないだろうが、
日本で完全試合を成し遂げた投手の中には
犯罪者になったものいた。

今回のパーフェクト・ゲイムは、何度かあぶない場面があった。
6回表に相手キャッチャーのクリス・スナイダーの大飛球を、
1回裏に2ラン・ホウムランを放ったレフトフィールダーのメルキー・カブレラが、
壁際で好捕した。カブレラは
守備の巧さで定評がある外野手である。また、
7回表にはジョーダン・シェイファー中堅手の右中間への飛球を
5回裏にヒットで出たケインを1塁に置いて2ラン・ホウムランを打った
ライトフィールダーのグレゴウル・ブランコウが、
♪君は覚えて、いるぅ~、かしらぁ。
あのぉ、すごいぃ、ブランコゥ~~~♪
とビリー・バンバンも絶賛するダイヴィング・キャッチした。
ケインはこのように"当たってる外野手二人"の
"お膳立て"のおかげで大記録を達成できたのである。そして、
9回表トゥー・ダウン後のPHジェイスン・カストロウの
いわゆるサード・ゴロはやや深いものだったが、この日は当初
ショートストップに入ってたホアキン・アリアスが三塁に移ってたのが
ことによるとよかったのかもしれない。
アリアスの送球を捕球した1塁手のBeltはマウンドに走り寄りながら
右手のミットからいわゆるウィニング・ボールを左手に持ち替えて
ベルトの下の尻の左ポケットに詰め込んだ。ともれ、
味方の援護は攻撃でも大切である。
ケインは今まで味方の援護に恵まれず、勝ち星が少なかった。

それにしても、
ケインのこの夜のピッチングはすばらしく、
いわゆるゴロが6つ、飛球が7つ、そして、
三振が14というアウトの内訳、10対0という圧勝だった。
この試合にはケインの家族(夫人はスーツ姿で)が
平日の夜にもかかわらず球場に観に来てる姿がTVに映されてた。
試合終了直後には警備員に先導された金髪美人のチェルスィー夫人が
ダッグアウト前でインタヴィューされてるケインのところまでやってきて、
ハグを交わしてた。独り身のオヤジな私には
微笑ましくもうらやましい光景である。


(追記)
この記事の投稿から38日後の現地時間7月24日夜に
松井秀喜選手はレイズ監督から戦力外通知を伝えられた。
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