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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

3月19日・バートンの千一夜

2018-03-19 | 文学
3月19日は、アフリカ探検のリヴィングストンが生まれた日(1813年)だが、いまひとりの探検家リチャード・フランシス・バートンの誕生日でもある。『アラビアンナイト』の翻訳者である。

リチャード・フランシス・バートンは、1821年、英国イングランド南西部のトーキーで生まれた。父親は英国軍人で、リチャードには下に妹と弟がいた。
子どものころ、父親の転勤にともなって仏、伊などを転々とし、フランス語、イタリア語、ラテン語、ナポリの方言などを習得した。
19歳でオックスフォード大学に入学したが、反抗的な態度のため退学。軍人となって、英国の植民地だったインドに駐在した。
29歳のとき、英国にもどったが、32歳になると今度は中東へ渡り、イスラム教徒に変装してメッカ巡礼をし、そのころ勃発したクリミア戦争では、英仏が支援したオスマン帝国軍に加わってロシア軍と戦った。
36歳のとき、友人とアフリカへ渡り、ナイル川の源流をさがす旅に出発。ヴィクトリア湖を発見した。
39歳になると、北米大陸横断の旅に出発。北米の前人未到の地を訪ね、その人文地理を報告した。
45歳のとき、ブラジルの駐サントス領事に任命され、南米へ渡り、奥地を探検。
48歳で、シリアの駐ダマスカス領事に任命され、中東へ渡った。
52歳のとき、現在のイタリアの駐トリエステ領事となり、そこで『アラビアンナイト(千一夜物語)』を英語に翻訳。
1890年12月、心臓発作のため、トリエステで没した。69歳だった。

バートンは、数十カ国語をあやつった。『アラビアンナイト』のほか、インドの性典『カーマ・スートラ』も訳している。

バートン訳の『アラビアンナイト』は、たとえばアラブ系の人のペニスの大きさなど、性的なことがらに関し、冷静でくわしい注釈がほどこされていて驚いた。

バートンという人は、19世紀の人とは信じられないくらいに、地球を自分の庭のように動きまわった人だった。これだけの知力、体力、行動力を兼ね備えた人はめったにいない。
(2018年3月19日)



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