た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

7月5日

2009年07月05日 | essay
 一週間分の──いや、仕事のない日曜日を迎えるのは三週間振りか──疲労を朝十時の布団に横たえる。といっても土曜の夜から寝てばかりいるわけだから、眠いわけではない。現に夜明けに何度か目覚めた。しかし今日は何としてでもお昼まで寝てやろうと思っている。さすがにこのところ働き詰めだ。三十代も後半に差し掛かり、無理な生活に耐えるバネは確実に硬化してきている。このままでは体が危ない。眠れなくとも大の字になって目を閉じるべきである。倦怠感は水気を含んだ流木のように全身に重くのしかかっている。この感覚だけは何とか今日中に払拭せねば。
 窓は数時間前に妻が開けたままで、白いカーテンが風にそよいでいる。
 人間はとことん疲れるまで疲れる動物である。そんな事を考えてみるが、すぐに打ち消す。どう見ても、野生動物のほうが日々、生きるか死ぬかの瀬戸際の中で体を酷使しているだろう。
 少しだけ言い換えてみる。人間は、自らすすんで、とことん疲れるまで疲れる動物である。
 馬鹿馬鹿しい。私は寝返りを打ち、そよ風に背中を当てながら再び朦朧とした時間に身を委ねる。

 人間は、疲れた感覚がないと、それはそれでどこか不安になる厄介な動物である。
 ふん。
 おやすみ。
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