た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

「娼婦風スパゲッティー」(松本小旅行編4)

2005年02月17日 | 食べ物
 正式名称は忘れた。確かこんな風な名前だった。一昨日食ったのだから、もっと正確に覚えていてもよさそうなものである。「エオンタ」という松本のジャズ喫茶で、幾分酩酊したあとにJohn Handyを大音量で聴きながら食った。John Handyという強烈なサックス奏者の存在は一昨日初めて知った。
 そうそう、スパゲッティーである。娼婦風という名前に惹かれて注文したわけだが、どこがどう娼婦風なのかすこぶる興味があった。プチトマトとブラックオリーブのぶつ切りがペパロンチーノに混ぜ込んである体裁で、酸味のあるトマトと濃厚なブラックオリーブの油が互いを程よく刺激し合っていて旨かった。うん、旨い旨いと思いながら、ジャズの低音に震えるスピーカー前の席で食った。何が娼婦風なのかという一番大事なポイントは、わかったようなわからないような気分になった。真っ赤なトマトと黒いオリーブのぶつ切りのあたりが、娼婦風なのかも知れない、と勝手に合点してしまった。

 「エオンタ」は十年前の学生の頃、貧乏旅行をした際に立ち寄った店である。その際、隣に座った男に、「これが酒というものだ」と言って、ジャックダニエルのストレートを二杯飲まされた。あの人は今どうしているのかと思う。


※John Handyについては、ブックマークよりNelsonさんのHPを参照のほどを。 
   Thanks to Nelson
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松本小旅行編3

2005年02月17日 | 写真とことば
柿はそれでも明るく空を見つめていました。
生涯誰の口も潤しませんでしたが
それでも柿は
皺だらけの肌を隠しもせず
明るく路地を見つめていました。

冬の信濃の良く晴れた
湯煙の立つ坂道で。

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