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しゅ~くり~む ら

Osamu KURIMURA Official Blog

完全復活への二歩目

2013-06-30 | インポート
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photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

本日開催されたJプロツアー第8戦の 『JBCF西日本ロードクラシック』 に於いて、宇都宮ブリッツェン所属の鈴木真理選手が復帰後公式戦初となる一桁フィニッシュ(4位)を果たしました。

本当の意味での“完全復活”は鈴木真理選手が勝利を挙げる瞬間まで待たなくてはいけませんが、それでも長く暗いトンネルを抜け、その瞬間を迎えるべく着実な歩みを進めています。

昨日、フランスから生中継した 『ツール・ド・フランス 第1ステージ』 では多くのアクシデントが発生し、ゴール地点にある放送ブースの前を体中から血を流した選手たちが次々に通過していきました。

これから世界一過酷な3週間がはじまるというのに、初日に深刻な怪我を負ってしまった選手たちがとても心配になります。

鈴木真理選手の精神力にも脱帽するばかりですが、自転車ロードレースの選手が身につけている強いメンタリティはいったいどこで培われるのでしょうか?

毎日行うトレーニング自体が痛みや苦しみとの戦いなのでそこでタフな心が創られていくのかもしれませんが、もっと大きな意味での説明しがたい強さを彼らは身につけています。

そんな選手たちに触れることで、こちらまで強さを得てしまうのは気のせいではないと思います。

『生命力に溢れたスポーツ』

厳しくも美しい競技だと改めて感じました。


Porto Vecchio

2013-06-28 | インポート
フランス・コルシカ島の南に位置する街 『Porto Vecchio』 に来ています。

この街で、第100回 ツール・ド・フランス 開幕前の共同記者やチームプレゼンテーションなどが行われました。

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[Porto Vecchio は海に面した街で“一般向けリゾート地”といった印象です]

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[記念すべき100回目のツール“チームプレゼンテーション”会場になんと!ブリッツェン旗が!!!]

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[世界チャンピオン ジルベールにインタビューする、90年代の名選手 リシャール・ヴィランク]

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[ユーロスポーツのコメンターを担当するジャッキー・デュランは少し大きくなっていました]

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[チームプレゼン後も積極的にミックスゾーンでメディア対応をしていたアルベルト・コンタドール]

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[賛否両論あるものの新しいチームの形を創りあげた TeamSKY 代表のサー・ブレイルスフォード氏]

明日、6月29日(土)日本時間18:40~ 『J SPORTS 4』 にて、第100回 ツール・ド・フランス 第1ステージ の模様を現地から完全生中継いたします


いざフランスへ

2013-06-26 | インポート
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これから 『ツール・ド・フランス』 中継の仕事でフランスへ行ってきます。

100回記念の特別な大会で、実は昨年からこの放送のオファーをいただいてました。

ヨーロッパは実に2002年以来…

なのでちょっと緊張しております。


精神力

2013-06-24 | インポート
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photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

昨日、2013年の日本チャンピオンを決める 『全日本選手権ロードレースエリート男子』 が、総獲得標高6,000m 弱という全日本選手権史上類を見ない過酷なコースで開催され、6月29日に開幕する 『ツール・ド・フランス』 のチーム内セレクションを待つ新城幸也選手(Team Europcar)が、2位に6分15秒という大差をつけて見事優勝を飾りました。

ちなみに優勝した新城選手の平均速度は 28.60km/h で、通常のロードレース(平均速度は 40km/h 前後)と比べていかに過酷だったかがわかります。

宇都宮ブリッツェン勢では、普久原選手が最終完走者となる16位でフィニッシュ。

普久原選手は今シーズンここまで逆風のなかでの活動が続いており、そんな状況を乗り越えて頂上決戦となる全日本でチーム内唯一の完走を果たしたことは、彼の精神力の強さを証明する意味でもとても素晴らしい走りだったと感じています。

しかし、昨年は2位&4位のリザルトを獲得し、今シーズンのチーム目標を3位表彰台に設定していた宇都宮ブリッツェンにとっては、『惨敗レース』 という言葉を使わなくてはいけません。

日々の活動に全勢力を傾けている選手たちというのは、レースでの結果に最大級の期待感(勝つという)を持ち、そしてそれが大きく崩れた時には逃げ場のない失意を味わうことになります。

それはとても残酷な現実。

自分自身を全否定されるわけですから、皆、混乱した頭を整理するのに様々な作業(原因探し、理由、受け入れ、etc)を消化していかなくてはいけません。

まるで、失恋のような、親友に裏切られたような、財産を失うような、勝った(目標を達成した)選手以外は多かれ少なかれそんな精神状態と戦うことになります。

そして、もし立ち直ることができなければ、ただでさえ過酷なトレーニングの質と量に影響がでてしまい、フィジカルスポーツである以上リザルトはどんどん悪化していってしまいます。

自転車ロードレースというスポーツは、100~200人以上の選手がスタートし、1つの試合で 『勝つ』 という称号を得られるのはたった一人だけ(もしくは1チーム)。

ボールゲームなどは年間順位などを除き、毎試合勝てる可能性は50%あり、選手もチームもファンもスポンサーも 『勝つ』 という快感をそれなりに味わうことができます。

そういう意味では、自転車ロードレースを取り巻くファンやスポンサーというのは、根気(精神力)がないと続けていけないのかもしれません。

ただし、ビジネスとしての参入を考えているような大きなスポンサーさんというのは、メリットがなければ簡単に撤退してしまうことになります。

負けることが標準のスポーツ。

リーグ構想、1つのレースの開催、チーム運営、選手レベルでの育成強化。

立ち位置によって考え方は大きく異なり、ものによっては正反対の意見や評価が生まれたりもします。

『精神力』

これがなくなれば、このスポーツに関わることすらできなくなるのかもしれません。


全日本アンダー

2013-06-22 | インポート
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photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

本日、『全日本選手権ロードレースU23男子』 が大分県の厳しい山岳周回コースで開催され、鹿屋体育大の徳田選手が驚異的なロングエスケープを決めて見事U23の全日本ロードチャンピオンタイトルを獲得しました。

今回のコースは下馬評通りのサバイバルレースを創りだしており、ジュニア男子は94名が参加して完走8名、U23男子は112名が出走して11名のみが完走となっています。

宇都宮ブリッツェンの堀選手はU23で最後のDNF(12番手を単独走行)となり、残念ながら目標としていた表彰台に上がることはできませんでした。

明日は真の全日本チャンピオンを決めるエリート男子が開催されます。

ツール出場の可能性がある新城選手(ユーロップカー)も強行帰国でエントリーしており、130名の選手が全日本史上最も残酷な戦いに挑みます。

スタートは朝8時。

選手たちは4時台に起きることになり、我々もはやく寝ないといけませんがスタッフはまだ寝れません…


ひ、ひどい…

2013-06-20 | インポート
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今週末、日本チャンピオンを決める戦い 『全日本選手権ロードレース』 が大分県で開催されます。

今年の全日本のコースは1周の距離が15kmに対して獲得標高(上り坂区間で得られる標高差)が500mにも達し、全日本史上最も厳しいレイアウトといわれています。

エリートカテゴリーは12周回180kmの距離で競われ、合計の獲得標高は実に6,000mにも達します。

下り区間もテクニカルな設定であり、バイクコントロールテクニックをもったクライマー系の選手が有利になるでしょう。

宇都宮ブリッツェンは昨年の同大会4位で上りを得意としている飯野選手をエースに過酷な頂上決戦に挑みます。

また、23歳以下(1991年~1994年生まれ)の日本ロードチャンピオンを決めるU23男子には堀選手と城田選手の2名が出場し、表彰台を現実的な目標としてこちらも過酷な戦いに挑みます。

ということで、現在そんな過酷な全日本選手権ロードレースが開催される大分県にスタッフ4名(チームカー2台)で陸路(宇都宮→大分=約1,250km)向かっているのですが、あろうことか雨の影響で山陽道が通行止めとなり、大渋滞の一般道を時速10km/hほどのスピードでノロノロと走り続けています…

宇都宮を出発したのが朝の5時…、そしてただいまの時刻21時45分ですが、今夜の宿になる東広島にすら未だ到着しておりません。

宇都宮を出てから間もなく17時間が経過、ホテル到着は23時くらいになりそうなので広島まで18時間もかかることになります。

明日は再び5時前に起きて残りの400km弱を移動して大分入りする予定です。

ただでさえ過密スケジュールなのにホント酷すぎます…

さすがに今日は全然気持ちよくありませんね


ツール関連番組

2013-06-18 | インポート
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昨日&本日と、6月29日より開幕する 『ツール・ド・フランス』 関連の特番収録などを行いました。

世界最大の自転車レースである 『ツール・ド・フランス』 は、今年で記念すべき100回目の大会を迎えます。

第1回のツールが開催されたのが1903年(明治36年)。

それから110年、途中、戦争などの影響で何度か開催中止となりながらも、とうとう100回という偉大な数字に到達することになります。

ちなみに、箱根駅伝がはじまったのが1920年、プロ野球も同じく1920年と、日本の伝統的なスポーツよりも遥かに古い歴史を誇っています。

参加チームも徐々に出場メンバーを絞りはじめており、レースの模様を伝える世界中のメディアのボルテージも軒並み上昇中!

あと10日ほどで偉大なる夏の祭典が開幕します


変化の兆し

2013-06-16 | インポート
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photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

本日、Jプロツアー第7戦となる 『JBCF富士山ヒルクライム』 が、静岡県小山町にあるふじあざみラインの激坂ヒルクライムコース(全長11.4km/標高差1,200m/平均勾配10%/最大勾配22%)で開催され、ルビーレッドジャージを着るトリビオ(チーム右京)が前週の借りを返す走りでモニエ(ブリヂストンアンカー)を大きく振り切って今シーズンJプロツアー2勝目を飾りました。

宇都宮ブリッツェン勢では、5月に一旦コンディションのピークを迎えた可能性のある飯野選手が引き続きチームの期待を一身に背負って得意とする富士山に挑み、ベストのタイムからは2分以上落ちる我慢の走りとなってしまったものの強い気持ちでペダルを踏み続けて8位でフィニッシュしています。

5月のツアー・オブ・ジャパンで日本人最高タイムを叩きだした飯野選手への期待が高まった富士山ヒルクライム。

一方で、飯野選手はエースとして常に好調を維持することへの難しさとも戦っている状況(一般的に好調の状態をキープできる期間は長くても1ヶ月半ほどと言われている)にあり、集中力を切らせば大きく失速して下位でのゴールへと転がり落ちてしまうリスクもはらんだ状態で今回のレースを迎えました。

前週同様に、自国フランスやスペインでジュニア時代からエリート路線を歩んできたであろう強力な海外勢がレースを掌握し上位を独占。

考え様によっては、本場欧州から遠く離れた極東のローカルレースに対して彼らが高いモチベーションを発揮することは困難なことにも感じますが、それでも優勝したトリビオはまるでTOJに出場できなかった悔しさをぶつけるかのごとく強力な走りで好タイムを叩きだしました。

1位のトリビオはヴエルタへの出場経験があり、2位のモニエに関してはジロでのステージ優勝経験すらあります。

カテゴリーの違いを考えれば、まるで宇都宮ブリッツェンの選手たちが未登録レースに出場しているような差があるはずなのでですが、トリビオはTOJに登録の問題で出場できないことを知った瞬間に悔しさで涙を流したらしく(当然グランツールとTOJとの間には大きな価値の差がある)、今回は自分がTOJで優勝争いに絡める力があったと言わんばかりの走りをみせてくれました。

“まだまだ未成熟な国内レースで戦っている”という意識をどこかに持っている我々ですが、グランツールに出場した=ジュニア時代から自国でエリート路線を歩んできたであろう海外勢が高いモチベーションを持って我々のレースを走ってくれていることに対してある種の嬉しさも感じたりします。

彼らを力で負かすことができれば国内にいても世界への階段を上ることができる。

そして今、かつて増田選手がぶち当たった壁と同じ壁に飯野選手がぶち当たって苦しんでします。

一方で、その壁の乗り越え方を最も熟知しているであろう鈴木真理選手が完全復帰への道を少しずつ這い上がってきています。

優れた才能と優れた経験を持ちつつもチームの消滅や怪我によって日本のチームに活路を見出した海外勢の参戦も合わせて、国内レース界が新時代への歩みを進めているのは間違いありません。

現在、宇都宮ブリッツェンは昨年の様な“破竹の勢い”を表現できる状態にはありませんが、一ついえることは色々な意味で“新生宇都宮ブリッツェン”へのチャレンジ真っ只中に置かれているということです。

来週はいよいよ国内の頂上決戦となる全日本選手権ロード(大分県)が開催されます。

今年のコースは全日本選手権ロード史上最も過酷で残酷ともいわれていますが、エリート、アンダー23とも全日本チャンピオンのタイトル獲得を目指して死に物狂いで戦いに挑みたいと思います。


アキバデビュー

2013-06-14 | インポート
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昨日、秋葉原にある 『書泉ブックタワー 』 さんに於いて、著書発売記念と題したトーク&サイン会が行われました。

雨が降る平日の夜にわざわざお集まりいただきました皆様、本当にありがとうございました&私なんかですみません…

普段はグラビアアイドルやプロレスラーさんなどのサイン会や撮影会が行われているとのことで、なんとなく脱がなくてはいけないのかな?と内心不安になりましたが、サインだけだったのでほっと胸を撫で下ろした次第です。

重ね重ね、私なんかで本当にすみませんでした…


ツール・ド・スイス

2013-06-12 | インポート
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近年、『クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ』 と 『ツール・ド・スイス」』 の2つのレースが 『ツール・ド・フランス』 前哨戦として位置づけられています。

先日終了した 『クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ』 を盤石の体制で制したのがツールの優勝候補最右翼といっていい クリス・フルーム(SKY)。

一方、現在開催されている 『ツール・ド・スイス』 を制するのはいったい誰か?

このあと 『J SPORTS 4』 にて第4ステージの解説を担当します。


国際化

2013-06-10 | インポート
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photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

昨日開催されたJプロツアー第6戦の 『JBCF栂池高原ヒルクライム』 は、2010年のジロ・デ・イタリア第17ステージでステージ優勝を飾っているダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)が、Jプロツアーリーダーのホセビセンテ・トリビオ(チーム右京)をスプリントで下して優勝を飾りました。

3位にはトリビオ(チーム右京)のチームメイトである土井選手(チーム右京)が入り、上位3名がグランツール経験者という国内UCI管轄外レースとしてはレベルの高いリザルトとなっています。

1位 ダミアン・モニエ(ブリヂストン)49m22s ('07ヴエルタ,'08ジロ,'09ヴエルタ,'10ジロ,'10ツール完走)
2位 ホセビセンテ・トリビオ(チーム右京)st ('10-'12ヴエルタ完走)
3位 土井雪広(チーム右京)+4s ('11-'12ヴエルタ完走)
4位 ヴァンサン・カナール(ブリヂストン)+8s
5位 伊丹健治(ブリヂストン)+13s (群馬県出身)
6位 トマ・ルバ(ブリヂストン)+23s
7位 狩野智也(チーム右京)+24s (群馬県出身)
8位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)+31s (群馬県出身)
9位 城田大和(宇都宮ブリッツェン)+1m26s
10位 初山翔(ブリヂストン)+1m26s

よく国内レースのレベルについて議論されることがありますが、アジアツアーで優勝を飾ってる選手や本場欧州のアマチュアレースで活躍する日本人選手が帰国して参加しても、すぐに余裕で優勝を手にしてしまうという様な光景はあまり見かけません。

『日本のレースは距離が…』、『日本のレースは展開が…』、などの言い訳をちらほら聞いたりもしますが、日本のレースについての情報(選手、コース、クセ)を殆ど持っていない外国人選手でも強ければすぐに結果を残してしまいます。

なんとく必要以上に、レースの地域、形態、距離、などに対して偏見を持ちすぎている気がします。

重要なのは、多くのレースがあり、それに対して選手たちが高いモチベーションを持って取り組むこと、そしてその中から世界で通用する“才能”を見つけられるかどうかです。

日本人選手と外国人選手の違いは?

3つのヒントがあります。

何故日本から優秀なプロ野球選手が生まれるのか?
何故フランスやスペインからは優秀なプロ野球選手が生まれないのか?
何故日本でのみしか開催されていない“相撲”というプロスポーツの上位に外国人力士が多いのか?

我々現場の人間というのは時に 『1+1』 すら解けない近視眼人間の集まりと化してしまいます。




栂池高原ヒルクライム

2013-06-08 | インポート
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明日、Jプロツアー第6戦となる 『JBCF栂池高原ヒルクライム』 が開催されます。

ヒルクライムレースというのは、ロードレースと違ってただひたすら峠を上るのみのレースです。

レース時間も1時間弱と短いので、そもそもヒルクライムレースそのものが必要なのか?という議論もよく耳にします。

たしかにヒルクライムレースだけを走っていては、本物のロード選手を生みだすことはできないでしょう。

ただし、この形態のレースは、その選手のヒルクライム能力を如実に表す 『実力勝負』 という側面も持っています。

チーム力が弱くても、展開に恵まれなくても、力さえあれば優勝を手にできるシンプルなレースです。

上りの割合が多い本場の 『ステージレース』 で総合優勝を狙う選手が、『こんな特殊なレース(ヒルクライム)で活躍しても意味がない』 という言葉を口にしたならばそれはただの負け惜しみとなります。

また、ヒルクライムレースというのは逆の意味での 『指標』 にもなり得ます。

おかしな表現かもしれませんが 『人間が本来持っているであろうポテンシャル+かなりギリギリの努力で創りあげた実力』 の上限というのをタイムなどから算出しやすいのです。

短い言葉で表現するならば 『普通にやっていたらこの峠でこのタイムがでるわけがない』 という内容になります。

たまに、『努力が足りない』、『戦う気持ちが足りない』、のような表現で叱咤激励する人を見かけますが、そういうことを平然と語ってしまっている人というのは、ハッキリ言って 『私はド素人です』 と告白しているのも同然といえるでしょう。

もちろん、『努力』 も 『戦う気持ち』 も大切ですが、それらで得られるアドバンテージというものが、『持って生まれた才能』 や 『有効なトレーニング方法』 、更に 『魔法』 などに比べてどれだけ大きなものなのか逆に尋ねてみたいものです。

宇都宮ブリッツェン所属の飯野選手はTOJの富士山ステージで42分30秒というタイム(ステージ8位)を記録しました。

これは彼の同レース中の体重あたりの平均出力が8番目に高かったということを意味しています。

ちなみに飯野選手がこのステージで優勝するためには、あと2分43秒タイムを縮めなくてはいけませんでした。

そのために更に得なければならない平均出力というものは計算すれば簡単に割り出すことができます。

平均出力を高める方法とはなにか?

飯野選手が今よりも3倍の練習をする?

戦う気持ちを養う?

今年の 『ツール・ド・フランス』 の総合優勝候補の一人である クリス・フルーム が2007年のTOJ富士山ステージで6位になった際のタイムは44分25秒。

恐らく富士山ステージで40分を切るというのは、人間の限界にかなり近い状態であり、仮に35分で上る選手がいたならば、その選手は規格外の 『才能』 、もしくは 『魔法』 を手にしていると解釈する必要があります。

そんな意味合いを込めてヒルクライムレースを観戦すると今までと違ったものが見えてくるかもしれません。

明日のレースも全力でがんばります。


著書3冊目

2013-06-06 | インポート
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栗村修の100倍楽しむ!サイクルロードレース観戦術

発売記念 トーク&サイン会 ※書泉ブックタワー9階イベントホール(秋葉原)

なんと、6月3日に3冊目となる著書が出版されました。

ここ1ヶ月ほど目がまわる感じの日々が続いていたのでブログでの紹介を失念しておりました…

今回の本はサイクルロードレースの観戦本です。

以前にも同テーマの本に監修として携わったことがありますが、今回はその時にプラスしていくつかの新たな題材を追加しています。

その一つがドーピングについて。

私がプロとしてヨーロッパを走ったのは 『フェスティナ事件』 が起きた1998年シーズン。

そして、テレビ解説者としては、ランス・アームストロングのツール7連覇(後に全て剥奪)のうち、6回の優勝を日本のレースファンの方々に伝えてきました(他にも、優勝を剥奪されたランディスやコンタドールの走りも伝えています)。

“観戦本”なのに、1章丸々ドーピングについて語っています。

この本が面白い本なのかどうかはわかりません。

今年で 『ツール・ド・フランス』 は記念すべき100回目の大会を迎えます。

一方で、解説者としては14回目の 『ツール・ド・フランス』 となります。

この15年間、ロードレース界はずっとドーピングの影に翻弄されてきました…

もし本屋で見かけたら軽く立ち読みでもしてみてください。


言いたいことはたくさんある

2013-06-04 | インポート
ディルーカに続き、ジロでヴィーニファンティーニのエースを務めたサンタンブロージオもEPO陽性となった。

ヴィーニファンティーニは、TOJと熊野でレースを支配したチーム。

私たちはいつも軽視されてきたし、ガラパゴスとも言われた。

でもガラパゴスのままでいいと思う。

いつか必ず正しいやり方で負かしてやりたい。


復活への一歩

2013-06-02 | インポート
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photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

『ツール・ド・熊野』 が終了しました。

9ヶ月ぶりのレース復帰となった鈴木真理選手が、難易度の高い熊野のレースを個人総合20位で完走し、暗くて長かった過酷なトンネルをようやく抜けだしたことになります。

もちろん、本当の意味での復活を果たすには“勝利”が必要となりますが、それでも3ヶ月前の状態を考えれば“奇跡的な復活劇”と表現しても決して大袈裟ではないでしょう。

チーム全体としての結果は決して満足いくものではありませんでしたが、シーズン中盤戦に向けていくつもの“成長”を得られたのも事実であり、引き続き高い志を持って努力を継続していきたいと思います。