王座を奪われたオカカ・メンドーサは、雪辱を果たすべくトレーニングを開始。それと併せて、過酷な減量を自らに課した。 | |
食べるものは、草のみ! | |
飲む水も、厳しく制限! | |
「……ううっ」 | |
くらくら どったん | |
「も、もうだめだ……」 | |
「……い、いや、私は負けない!」 | |
「耐えてみせるぞ!」
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王座を奪われたオカカ・メンドーサは、雪辱を果たすべくトレーニングを開始。それと併せて、過酷な減量を自らに課した。 | |
食べるものは、草のみ! | |
飲む水も、厳しく制限! | |
「……ううっ」 | |
くらくら どったん | |
「も、もうだめだ……」 | |
「……い、いや、私は負けない!」 | |
「耐えてみせるぞ!」
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「憂鬱だなあ……」 | |
「顔がますます汚れちゃった」 | |
「つらそうだな。可哀想に」 | |
「よし、私に任せろ」 「もうお灸はイヤですよ……」 | |
「お灸じゃないさ」 | |
「元気が出るツボを押してやる」 ぐぐっ | |
「あれっ!? 元気が出てきました!」 | |
「さすが先生! ありがとうございます!」 「……いや、実はデタラメに押したんだ」 |
「先生、こんにちは」 「おう若造。涼しくなってきたじゃないか」 | |
「あのですね、今日、ブロー君を、放鳥しましたよ」 | |
「おっ、そうか! で? うまくいったか?」 | |
「最初はぎこちなく、キョロキョロしてましたが、」 | |
「やがて上の方の枝に移って……そして、力強く羽ばたいて、どこかへ飛んでいきました」 | |
「ばんざーい!」 | |
「ハトには不思議な帰巣本能があるそうですから、またここに戻ってくるかもしれませんね」 | |
「それはそれでいいじゃないか、ブロー君ももう油断はしないだろ」 「ええ、多分……」 |
おっ、ハトさんがいるぞ。 | |
巣の右に一羽、巣の上に一羽……。 | |
おっと、もう一羽いる。 | |
都合三羽か! | |
きっと、ブロー君の両親と弟だな。 | |
ふっ。家族、か……。 |
※ タイトルは、ヴィスコンティの映画『家族の肖像』より