M.I.の追憶に捧ぐ

2008年08月15日 17時18分00秒 | B地点 おむ

 

 

おむよ、おむ、写真コンテストの賞品が届いたよ。
野良猫のお前に首輪とは皮肉だが、堂々と栄誉を受けるがいい。
皮肉と言えば、もう一つ。
お前も当初は私にとって、ただの名無しの野良猫だった。「おむ」と名付けたのは、かつての私の恋人だ。(「海苔おむすび」の「おむ」にフランス語の HOMME がかけてあるらしい。)
日記エッセイを出版するほど才に恵まれていただけに、彼女は実に良い名前をつけてくれたものだが、
私達は別れ、連絡を取り合うこともなく、取り合おうともしない。つまりお前の名付け親が、この首輪のことを知らないのだ。
……まあ、そんな話はどうでもいい。

さあ、記念撮影は終わった。首輪は外すよ。お前は野良猫として逞しく生きるのだから。
だが、いつか、お前が年老いたら、あるいは病んだら……私がお前の面倒を見ることになるかもしれない。(キジトラ兄弟にそうしたように。)その日には、この首輪をまた私が付けてやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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