投薬、再開

2010年04月24日 15時12分00秒 | B地点 おかか

 

 

暖かくなってきたので、おかか先生もゴキゲンだ。
「先生、やっと本格的に春が来ましたね!」
ところが ―― この日また、おかか先生の目から、血の混じった膿のようなものが出て来た。
「ああっ!? 大変だあっ!」
「ん? この目か? なーに、大丈夫だよ」
「どこが大丈夫なんですか! 薬を付けなくちゃ!」

「え~? また薬か?」


※参照、眼軟膏中止

「やだなぁ……」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?」
「……あのな、野良猫ってのは、自分の体は自分で治すもんだ」
「薬を付けるなんざ、堕落だよっ!」
「だめです! 薬を付けましょう!」
「い、いやだあ~っ!」
「やれやれ……困ったなあ……」
「先生は病院や薬が大嫌いだからなあ……」
「ふん! 私の言ってることは間違ってないぞ」
「なぜ解らんのだ……」
と、その時、とても小さな声が聞こえてきた。

「おかか先生、薬を付けましょう」
「ん? 何だ、この声は?」
桜の花びらが、口々に喋っているのだ。

「先生、お薬を付けて下さい」

「おかか先生、薬を付けないと」
「桜の花びらのくせに、私に意見するのか?」
「お願いです、先生、薬を付けましょうよ」

「薬を付けてよ、先生」

無数の花びらが、先生に呼びかける。
落ちている花びらだけではない。

梢の花からも、おかか先生に語りかける声が。
「先生、お薬を付けて」

「先生、お薬を付けて」


花びらたちの声が重なって、合唱のように響き渡った。
「……ふぅ。負けたよ」
「おい、さっきはすまん。薬を付けてくれないか」
おかか先生は、おむさんに薬を付けてもらった。
「しょうがない。また暫く続けるか……」
「花びらたちよ、意地を張って悪かった。どうもありがとう」
「よかったね、先生」

「よかった、よかった」


花びらたちの小さな声が、また聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ボブテイル)
2010-05-06 08:10:38
それは、おむさんでなくても心配です。
早くよくなりますように。
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Unknown (おかか)
2010-05-06 10:33:17
眼だけでなく、胃もやられたのか、
実はこの日は、ひさしぶりに、吐いてしまったんだ。
(若造が記事にするかもしれん。)

どうもあれだな、この春の異常気象のせいで、体調を崩したらしい。
(冬に寒いのは当たり前だが、
暖かくなってからまた寒い、というのは、
こたえるからなあ。)

だが今回、眼は、すぐによくなった。
眼軟膏の塗布は、29日からまた停止。

05月05日現在、あんな症状は出ていないよ。
お気遣いありがとう、ボブテイルさん。

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Unknown (おむ)
2010-05-06 10:34:39
あのね、おかか先生ったら、偉そうなこと言ってるけど、
お薬のチューブをケースから取り出す動作に気付くと、
逃げようとするんだよ(実話)。
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Unknown (おるつつ)
2010-05-06 11:14:46
おかか先生は賢いから、
すぐにチューブを覚えちゃったんだよね。


 * * *

ところで、レイアウトをちょっと変えてみました。
(日付・時刻を左側に移しました。)

表示が崩れていないでしょうか?
変える前のほうがよかったかな?

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