暖かくなってきたので、おかか先生もゴキゲンだ。 | |
「先生、やっと本格的に春が来ましたね!」 | |
ところが ―― この日また、おかか先生の目から、血の混じった膿のようなものが出て来た。 | |
「ああっ!? 大変だあっ!」 | |
「ん? この目か? なーに、大丈夫だよ」 | |
「どこが大丈夫なんですか! 薬を付けなくちゃ!」 | |
「え~? また薬か?」
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「やだなぁ……」 | |
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?」 | |
「……あのな、野良猫ってのは、自分の体は自分で治すもんだ」 | |
「薬を付けるなんざ、堕落だよっ!」 | |
「だめです! 薬を付けましょう!」 | |
「い、いやだあ~っ!」 | |
「やれやれ……困ったなあ……」 | |
「先生は病院や薬が大嫌いだからなあ……」 | |
「ふん! 私の言ってることは間違ってないぞ」 | |
「なぜ解らんのだ……」 | |
と、その時、とても小さな声が聞こえてきた。 「おかか先生、薬を付けましょう」 | |
「ん? 何だ、この声は?」 | |
桜の花びらが、口々に喋っているのだ。 「先生、お薬を付けて下さい」 「おかか先生、薬を付けないと」 | |
「桜の花びらのくせに、私に意見するのか?」 | |
「お願いです、先生、薬を付けましょうよ」 「薬を付けてよ、先生」 無数の花びらが、先生に呼びかける。 | |
落ちている花びらだけではない。 梢の花からも、おかか先生に語りかける声が。 | |
「先生、お薬を付けて」 「先生、お薬を付けて」 花びらたちの声が重なって、合唱のように響き渡った。 | |
「……ふぅ。負けたよ」 | |
「おい、さっきはすまん。薬を付けてくれないか」 | |
おかか先生は、おむさんに薬を付けてもらった。 | |
「しょうがない。また暫く続けるか……」 | |
「花びらたちよ、意地を張って悪かった。どうもありがとう」 | |
「よかったね、先生」 「よかった、よかった」 花びらたちの小さな声が、また聞こえてきた。 | |
早くよくなりますように。
実はこの日は、ひさしぶりに、吐いてしまったんだ。
(若造が記事にするかもしれん。)
どうもあれだな、この春の異常気象のせいで、体調を崩したらしい。
(冬に寒いのは当たり前だが、
暖かくなってからまた寒い、というのは、
こたえるからなあ。)
だが今回、眼は、すぐによくなった。
眼軟膏の塗布は、29日からまた停止。
05月05日現在、あんな症状は出ていないよ。
お気遣いありがとう、ボブテイルさん。
お薬のチューブをケースから取り出す動作に気付くと、
逃げようとするんだよ(実話)。
すぐにチューブを覚えちゃったんだよね。
* * *
ところで、レイアウトをちょっと変えてみました。
(日付・時刻を左側に移しました。)
表示が崩れていないでしょうか?
変える前のほうがよかったかな?