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以下、ほとんどドキュメンタリーである ―― 。
今日もおむさんが、お気に入りのリュックに乗っている。
そこへ、おかか先生がやってきた。 |
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無論、おかか先生も、リュックに乗りたいのだ。 |
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ずいっ |
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先生は、強引に、おむさんの隣に乗ってしまった。
びっくりする、おむさん。 |
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おむさんは、先生をちょっと噛んだ!
(もっとも、甘噛みであったが。) |
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しかし今回は、先生も、引き下がらない。
両者、しばし睨み合い。 |
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「乗せてくれたっていいじゃないかあ!」
と、先生は叫んでいる。 |
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結局、先生はそのまま、 |
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隣に座り込んでしまった。
おむさんを、押しのけるようにして。 |
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露骨にイヤな顔をする、おむさん(笑)。
いや、笑い事ではない。
ボス猫としての威信に関わる、大問題である。 |
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結局、おむさんは、リュックを先生に譲った。
「奪われた」のではなくて、「譲った」というところが、ポイントである。 |
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仮に、リュックを「奪取された」であれば、おむさんの所有権が侵害されたことになる。
しかし、そうではない。おむさんは「譲渡した」のである。あくまでも、「おのれの所有物を、おのれの権利に於いて、譲った」のである。
だから、おむさんの権利は損なわれていない。 |
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実際、この時間は、おむさんが定時巡回に出かける時間なのである。 |
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即ち、ボス猫として、テリトリーのパトロールを開始する時間になったのである。
だからおむさんは、リュックを「奪われた」のではない。「恵んでやった」・「使わせてやった」のである。ボス猫としてのプライドは、保たれた。 |
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しかし、おかか先生としては、それはどちらでもいいことなのだろう。
リュックの上で、ご満悦である。 |
しかし、おむさんってあまりボスってイメージないけど
それでもやっぱりボスなんだ?
暴力で君臨する、というタイプとは正反対に、
皆に頼られるリーダー、というところでしょうか。
おかか先生も、おむさんを頼るあまり、
このような行動に出てしまうのではないでしょうか。
頼れる相手には、甘えたくなるものだよね。
過大な要求をしてしまうものだよね。
うんうん。
と、真夜中にただ一人、納得してみる。