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おかか先生である |
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おかか先生は最近、或る聡明な女性から、三谷幸喜の作品を薦められた |
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そこで先生は、『笑の大学』という映画を観た |
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映画を観終わった先生がまず感じたのは、ともかく何らかの「作品」を「創造」したいという、抗い難い、強い強い欲求だった |
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そこで先生は、こんなパフォーマンスをしてみた |
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草の山に登るのである |
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しかし、誰も見てくれなかったし、自分でも納得できなかったので、先生は落ち込んだ |
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だが、創作への欲求は、寧ろいっそう強くなった |
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そこで次には、こんなものを「創作」してみた |
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しかし……やはり、満足できなかった |
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先生は、自分の「作品」を抹消した |
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作品の価値を価値たらしめるのは、構造である |
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だが、スタティックな価値布置に安住していては、創造はできない…… |
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構造を変える力のダイナミズム ―― 太古から伝えられてきたこのカビ臭い概念を、先生はあらためて噛み締めた |
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作者とは読者であり、読者こそが作者なのである |
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先生はあらためて、構造変動論を見据えるのだった…… |
作者とは読者であり、読者とは作者である、とな。
よう、その真実に気付かれた。
かのジャン・リュック・ゴダール監督も
そのことを気ちがいピエロの中で描いておられた。
自己とは他者の内に吸収されていくものかも
しれませんな。