能力の無駄遣い

2010年01月23日 16時16分00秒 | B地点 おかか

 

 

一般には知られていないことだが、猫には超能力がある。

サイコキネシス(念力)、テレポート(瞬間移動)、プレコグニション(予知)などである。

ただし、これらの超能力は、宇宙を救うとか、地球を守るとかいう、喫緊の場合にのみ、用いられる。

日常生活で超能力をみだりに用いることは、禁忌となっている。

ましてや、私利私欲のために用いるなど、論外である。
さて、この日 ――

寒かったので、おかか先生は、おむさんと一緒に、毛布を被って過ごしていた。
「……おい、オシッコしたくなってきた」

「してくればいいでしょ」
「でも、寒いから、毛布から出たくない」

「ガマンするのは体に毒ですよ」
「私の代わりにオシッコしてきてくれんか?」

「何をバカなこと言ってんですか」
「しょうがない。テレポートで行くか!」

「……えっ!?」
おかか先生の姿が、忽然と消えた!

オシッコの場所まで、瞬間移動したのだ。
「まったくもう、先生ったら……」
「ただいま! いや~、寒かった!」

「……何で帰りだけ徒歩なんですか」
「おい、早く毛布に入れてくれ」

「……だめですっ!」
「オシッコに行くために超能力を使うなんて!」
「罰として、毛布には入れません!」

「か、硬いこと言うなよ……」
「いえ、だめです。そこで反省してなさい」
「そ、そんなぁ……」
「……おい、寒いよ! 頼むから毛布に入れてくれ」

「だめです。もうしばらく反省しなさい」
「貴重な能力を無駄遣いしてはいけないのです」

「……じゃあ作者も反省しなきゃな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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