酷暑の夏も、終わろうとしている。 | |
この日は、空気がカラッと乾いて、涼しく、過ごしやすい日であった。 | |
だが ―― 湿度が低くなってくると、猫にとっては、静電気が問題になる。 | |
冬場など、化繊の服を着て猫を抱いたりすると、強い静電気が起きて、猫も人も、共に痛い思いをすることがある。 | |
この日は、湿度がとても低かった。 しかもおむさんは、ナイロンのリュックに乗っていた。 そのため、恐ろしい静電気が生じてしまったのである ―― 。 |
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特に尻尾が、強く帯電してしまった。 | |
おかか先生の尻尾が、くっ付いてしまう程であった。 | |
節電が叫ばれる昨今、この強力な静電気を、何とか利用できないか? | |
―― と、おかか先生は考えた。 | |
「おい! この静電気で、ひと儲けできそうだな!」 | |
「う~ん。それは難しいでしょう……」 | |
「だが、もったいないじゃないか」 「あっ!? 触っちゃだめです!」 |
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おかか先生の鼻が触れた瞬間、凄まじい放電が! バチバチバチッ 「うわっ!?」 |
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「うわああーーーっ!?」 | |
「う、うう……」 | |
ガクッ | |
し~ん | |
「う、うう……」 | |
ガクッ | |
ぴくぴく | |
ガクッ | |
し~ん |