島の猫たち

2010年12月27日 09時28分14秒 | 一期一会

 

 

船に乗って、初島(はつしま)へと向かう。
初島は、伊豆半島の沖にあり、静岡県熱海市に属する。人口は300人に満たないほどの小島である。「首都圏から一番近い離島」だそうだ。
港に着くと……
防波堤の上で、猫がお出迎え。
島については、たいした予備知識がなく、猫のことも知らなかったので、嬉しかった。
港のすぐ近くに、林芙美子の碑がある。
猫が何匹かいた。
日だまりになっているのだ。
初島は、海産物がおいしい所である。

私個人のおすすめは、サザエと、出世草と呼ばれる、香り高い岩海苔である。
忘れてはならない島の名物は、初島たくあん

島内のあちこちで、大根を干す光景が。
白亜の灯台の、一番上にまで登れば……
素晴らしい眺望が。

北には富士山、南には、伊豆大島。
また別の日だまりで、くつろぐ猫。
後で調べてわかったことだが、初島の野良猫にも、それなりの歴史があるようだ。
だが、ここでは触れない。次の二つのみ、紹介しておく。

熱海市ホームページ「初島の猫について」(2010年01月09日付)
静岡県ホームページ「初島の猫について」(2010年04月28日付)

(このように公的な告知が出ているので、このエントリでは敢えてロケーションを明記することにした。)
私は美しいこの島で、半日ほどを過ごした。

さらば、初島の猫たちよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


四匹の捨て猫

2010年10月14日 16時39分00秒 | 一期一会

 

 

  この日 ――

私はいつものように、おかか先生たちと一緒に過ごしていた。

と、そこへ、地域の子供たちが数人、やって来た。
  私に向かって子供たちが口々に述べる内容は、必ずしも明瞭ではなかったが、とにかく、駐在所に仔猫がいるらしい。
  私は、その駐在所のお巡りさんとは、顔なじみである。

最近はぴーちゃんの件で、また、以前はキジトラ兄弟の時にも、お世話になった。

普段も、毎日のパトロールで、私や猫たちを見守ってくれているのだ。
  さて、急いで行ってみると ―― 駐在所の前には、わらわらと人だかりがしていた。

地域の子供たちや、ご婦人たちである。
お巡りさんに事情を聞くと ――

仔猫が四匹、捨てられていたという。
四匹とも、ぴーちゃんと同じくらいの週齢で、明らかにまだ乳飲み子である。
  要するに、ぴーちゃんの時と同じパターンなのだ。

引き取り手がなければ、翌日には、センター送りになる……。
 

私は、ぴーちゃんの保護預かりを終えたばかりなので、正直なところ、困ってしまった。

預かるのは、不可能ではないが ―― しかし、仔猫(乳飲み子)を預かれば、私の生活は、またしても、崩壊してしまう。

(ぴーちゃんのことがあった直後なので、お巡りさんは、今回は気を遣って、私には知らせなかったという。)

  だが、更に聞いたところでは ―― 地域の人々の連携プレーにより、預かりボランティアさんにコネのある人が、駐在所に来ることになっているらしい。

しかし、いつになったら来るのやら。
  さて。

駐在所に集まっている子供たちは、仔猫たちを見たり触ったりして、珍しがるやら、喜ぶやら。かわるがわる抱いたりして、大騒ぎである。
  その中に、ひとり、しくしく泣いている女の子がいた。

聞けば、その子は、仔猫の発見者だそうな。

「飼いたい」と親に頼んだけれども、ダメだと言われて、泣いてしまったらしい。
  たいへんキザな言い方で、なんとも面映ゆいのだが ――

私は、その少女の涙を見て、決心したのである。

「仔猫を死なせるわけにはいかない、どうしてもダメなら、また預かろう」と。
  そうこうしているうちに、預かりボランティアさんにコネのある人が、やって来た。

だが、預かりボランティアさんとの連絡には、しばらく時間がかかるそうだ。
 

私は私で独自に、いつもお世話になっているボランティアさんに電話して、協力を仰いだ。

その上で、「どうしてもダメなら私が預かります。後ほどまた参ります」とお巡りさんに言い置いて、駐在所をいったん離れた。

  数時間後 ―― 私は再び、駐在所を訪れた。
 

四匹の内、一匹は、近所の家に貰われた、とのこと。

残る三匹は、ボランティアさんが預かって、里親探しをしてくれる、とのこと。

(私とは全く面識のない、遠方のボランティアさんらしい。)

 

よかった、よかった。

私は胸をなでおろした。

  一つには、もちろん、仔猫の命が救われたので。

もう一つは……保護預かりによって私の生活が崩壊せずに済んだので。
  しかし、四匹の仔猫をまた育ててみたいという気持も、やはり、あった。

だから、ちょっぴり、残念だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


最後の写真

2010年10月08日 16時46分54秒 | 一期一会

 

 

拙宅より飼い主さんのお宅へと出発する直前。
作者が撮影したものとしては最後の、ぴーちゃんの写真です。
お猿さんのように、ケージにしがみついています(笑)。

ピンボケですけれど、作者の涙でレンズが曇ったとお考え下さい。