警察から来ました 番外篇 |
この日、ぴーちゃんの飼い主さんが、ボラさん経由で、素敵な贈り物を下さった。 | |
もちろん、ぴーちゃんは、幸せに暮しているのだ。 だから、みんなが、幸せだ。 飼い主さんの御一家も、ボラさん達も、この私も……! |
船に乗って、初島(はつしま)へと向かう。 | |
初島は、伊豆半島の沖にあり、静岡県熱海市に属する。人口は300人に満たないほどの小島である。「首都圏から一番近い離島」だそうだ。 | |
港に着くと…… | |
防波堤の上で、猫がお出迎え。 | |
島については、たいした予備知識がなく、猫のことも知らなかったので、嬉しかった。 | |
港のすぐ近くに、林芙美子の碑がある。 | |
猫が何匹かいた。 | |
日だまりになっているのだ。 | |
初島は、海産物がおいしい所である。 私個人のおすすめは、サザエと、出世草と呼ばれる、香り高い岩海苔である。 | |
忘れてはならない島の名物は、初島たくあん。 島内のあちこちで、大根を干す光景が。 | |
白亜の灯台の、一番上にまで登れば…… | |
素晴らしい眺望が。 北には富士山、南には、伊豆大島。 | |
また別の日だまりで、くつろぐ猫。 | |
後で調べてわかったことだが、初島の野良猫にも、それなりの歴史があるようだ。 | |
だが、ここでは触れない。次の二つのみ、紹介しておく。 熱海市ホームページ「初島の猫について」(2010年01月09日付) 静岡県ホームページ「初島の猫について」(2010年04月28日付) (このように公的な告知が出ているので、このエントリでは敢えてロケーションを明記することにした。) | |
私は美しいこの島で、半日ほどを過ごした。 さらば、初島の猫たちよ。 | |
この日、旅に出た。 | |
電車に乗って…… | |
海辺の、とある街へ。 | |
駅前の商店街を、ぶらぶら歩く。 と、猫さんがいた。 | |
許可をいただいて、撮影。 飼い猫さんだけれど、特別掲載。 | |
この日 ―― 私はいつものように、おかか先生たちと一緒に過ごしていた。 と、そこへ、地域の子供たちが数人、やって来た。 |
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私に向かって子供たちが口々に述べる内容は、必ずしも明瞭ではなかったが、とにかく、駐在所に仔猫がいるらしい。 | |
私は、その駐在所のお巡りさんとは、顔なじみである。 最近はぴーちゃんの件で、また、以前はキジトラ兄弟の時にも、お世話になった。 普段も、毎日のパトロールで、私や猫たちを見守ってくれているのだ。 |
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さて、急いで行ってみると ―― 駐在所の前には、わらわらと人だかりがしていた。 地域の子供たちや、ご婦人たちである。 |
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お巡りさんに事情を聞くと ―― 仔猫が四匹、捨てられていたという。 |
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四匹とも、ぴーちゃんと同じくらいの週齢で、明らかにまだ乳飲み子である。 | |
要するに、ぴーちゃんの時と同じパターンなのだ。 引き取り手がなければ、翌日には、センター送りになる……。 |
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私は、ぴーちゃんの保護預かりを終えたばかりなので、正直なところ、困ってしまった。 |
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だが、更に聞いたところでは ―― 地域の人々の連携プレーにより、預かりボランティアさんにコネのある人が、駐在所に来ることになっているらしい。 しかし、いつになったら来るのやら。 |
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さて。 駐在所に集まっている子供たちは、仔猫たちを見たり触ったりして、珍しがるやら、喜ぶやら。かわるがわる抱いたりして、大騒ぎである。 |
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その中に、ひとり、しくしく泣いている女の子がいた。 聞けば、その子は、仔猫の発見者だそうな。 「飼いたい」と親に頼んだけれども、ダメだと言われて、泣いてしまったらしい。 |
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たいへんキザな言い方で、なんとも面映ゆいのだが ―― 私は、その少女の涙を見て、決心したのである。 「仔猫を死なせるわけにはいかない、どうしてもダメなら、また預かろう」と。 |
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そうこうしているうちに、預かりボランティアさんにコネのある人が、やって来た。 だが、預かりボランティアさんとの連絡には、しばらく時間がかかるそうだ。 |
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私は私で独自に、いつもお世話になっているボランティアさんに電話して、協力を仰いだ。 |
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数時間後 ―― 私は再び、駐在所を訪れた。 | |
四匹の内、一匹は、近所の家に貰われた、とのこと。 |
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よかった、よかった。 |
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一つには、もちろん、仔猫の命が救われたので。 もう一つは……保護預かりによって私の生活が崩壊せずに済んだので。 |
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しかし、四匹の仔猫をまた育ててみたいという気持も、やはり、あった。 だから、ちょっぴり、残念だった。 |