写真:立山ケーブル駅と美女平駅
写真:称名の滝(中央が 称名滝で四段になって落ち、特に5月頃の雪解け時は水量が多く迫力がある。 右側に流れ落ちる滝は「ハンノキ滝」で落差 497m である。落差からいえば称名滝より大きいが、この滝は一時期に現れる滝のため日本一と認められていないという。
立山・剱岳「天の記」(6) 「美女と廊下」
富山電鉄は岩峅寺から芦峅寺(有峰口駅)へ・・、更に立山山麓の山襞が織りなすところ、常願寺川と称名川が合流する高台の終着・立山駅に到着する。
山の冷気がいまだ残っている静かな駅舎周辺である。 周辺は食堂や土産物販売店があり、シーズン中は大勢の観光客で賑わっていることだろう。 最近では海外、特に中国、韓国、台湾の観光客も増加しているらしい。
終着・立山駅に隣接(二階)して「立山ケーブルカー」が美女平へ向けて発着している。
われ等は、駅周辺でのんびりする間もなく、ケーブルカーに乗り込んだ。
ケーブルカーは、立山から美女平へ標高差凡そ1000mを7分足らずで結んでいる、それにしても40度の急角度は一抹の恐怖心さえ起きるほどである・・!。
それにしても「美女平」という駅名には些か気になった・・、
標高約1000メートルの美女平は、既に、山懐の雰囲気タップリで森閑とした森が広がっている。 特に樹齢200年を経たブナの巨木の生い茂る緑豊かな森でもある。
この一角にいかにも古老の杉の木がある。 この老杉には伝説があって、往時は立山信仰の地柄・女人禁制が決まりであった。 ところが禁制を破って登山した高貴な三人の女性がいて、そのうちの一人の姫が疲れのために動けなくなり、みるみるうちに体が変わってしまったという。 これも掟を破った神仏の祟りかと諦め、ぽろぽろ涙を流しながら形の美しい杉の気になったという。 この杉の木を「美女杉」といい、地元の人はこの付近を何時しか「美女平」という名前を付けたという。
これから先は雲上のバス遊覧である・・、
立山高原バスは、美女平から室堂へと標高差1400mの高程を突き進む。
1400mの高度差は、そのまま植生の変化、繁殖している樹林帯の高度変化を生で見ることが出来る。 日本で最も古いとされている立山杉の巨木群、「ブナ坂」の名の通りのブナの原生林、白樺によく似たダケカンバの樹木群、そしてその上部にはヒメコマツの林が続く。 立山大原始林の博覧会のようである。 そして、弘法、追分から弥陀ヶ原、天狗平、室堂平では大草原と高山性の植物地帯で形造られている。
それにしても立山らしく神仏信仰に因んだ地名や固有名が多いのが一つの特徴であろう。
この高原の特色は、裾野を広げて周囲がそのまま山腹へ連なっているのではなく、台地状(溶岩台地)になっていて右側は常願寺川の湯川谷、左側は称名渓谷のⅤ字形となって落ち込んでいるのである。 称名渓谷は、日本一の落差を誇る「称名の滝」でも有名である。
途中、称名滝が見えるポイントがあり、わざわざバスが徐行して乗客が見えやすいよう配慮してくれる。
立山連峰、雷鳥平に源を持つ称名川は、立山山麓の溶岩台地に入って称名廊下(垂直に近い岩壁の間を流れていく渓谷で、渓の男と言われる冠松次郎が命名・・?、黒部川上流部の下廊下、上廊下は有名)という一条の溝をつける。 そしてこの廊下の出口から、称名川の水が4段の滝・称名滝となって日本一の落差をつけ、一気呵成に流れ落ちる。 東京タワー(330m)の天辺から流れ落ちる様な、落差320mを誇るその姿は、天上界からの一筋の白糸の様でもある。
称名川は、下流の立山駅付近で常願寺川と合流し、日本海に注ぐ。
高原バスは美声の添乗員が、出発してから到着まで案内のしっぱなしで、称名滝をはじめ立山の自然や造形美、そして立山信仰のことなど詳しく説明してくれる。 その度に、われ等はナルホド、ナルホドと首を縦に振ったり、絶景を見るのに左右に首を振ったりと、こちらも大忙しである。
次回は、弥陀ヶ原
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