織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

南ア・仙丈ヶ岳紀行(22) 「アルプスの林道」

2011年10月31日 | 南ア・仙丈ヶ岳
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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(22) 「アルプスの林道」   .



戸台より北沢峠間の南アルプススーパー林道(案内板)



一歩一歩、歩を進めているとき、後方からザクザクと足音が聞こえてくる。 
振り返ると先ほどの若人が悠々と追い付いてきている。 
さすがに脚が早いもんだと驚く。

「アッ、先程はどうも。 大分見通しが良くなってきましたね」
「そうですね、先程、丹渓山荘の指導員の方が、この後天気は回復に向かうでしょうと言っていたが、その通りになりそうですね」
「ところで、あそこに見えている、あの白い筋のようなものは何ですかね・・?」
若者が不思議そうに聞いてくる。


若人が指をさすほうを見やりながら、
「私もさっきから気になっていたのですが、どうやら道路らしいですね。 そう云えば、私の古い登山地図には未だ記入されていないんですけど、聞くところにによりますと南アルプススーパー林道とかいって、この下の戸台から峠まで延びるらしく、また、山梨県側では広河原からやはり峠まで既に繋がっているらしいですよ。 つまり、この道路は南アルプスの高所を横断して信州と甲州が結ばれるわけですね」

若者は怪訝そうな、その顔は疑問と当惑の入り混じった表情で彼方を見いやっていた。


「ヘェー、全く知りませんでした。林道ができると、やがて自動車が峠(北沢峠)まで延びるかもしれないですね・・!、それが、いいのか悪いのか、どうなんですかね・・?」
「どうなんでしょうかね・・?」

小生も微妙な気持ちを若者に示した。
若者もチョッと妙な疑問を抱いているのだろう、ゆっくりしたペースの小生についてくる。



思えば日本にもつい最近、環境庁(1971年 発足)とかいうお役所が出来ていた。 
つまり、自然を保護育成する役所である。 その初代の長官に「大石武一」氏が就任している。

彼は就任直後から日本の自然破壊の実情の現場に足を運び、目で確かめ、自然保護の維持に英断を下していった。
特に、自然保護の立場から尾瀬の林道開発を中止し、この南アルプススーパー林道工事も中断凍結させている。 

しかし数年後、大石氏や歴代長官が変わると自然保護行政も次第に変化を見せ始め、変更を余儀なくされていったようだ。 


【スーパー林道工事も最終的には条件付きで再開、一般車両の通行を規制した上でバス運行が認められた。
地元の一部受益者に環境庁は降参したのであった。】


次回、「南アルプススーパー林道





祝い・・!!  平泉地方が世界文化遺産に決定。(2011年6月) 
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南ア・仙丈ヶ岳紀行(21) 「八丁坂・休憩適地」

2011年10月30日 | 南ア・仙丈ヶ岳
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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(21) 「八丁坂・休憩適地」  .





木々の間から、先ほ通ってきた戸台川の谷が見えていて、そこはガスですっかり覆われていたが、今はその雲の動きも活発で、切れ間から谷底の河原がキラリと光っていた。
チョコレートとミカンを頬張る。
気が付くとジットリと汗は滲んではいるが、余り喉の渇きは感じられない。 雨で湿気が多いせいもあるのかも・・?。


親子はラジウス(白ガソリン燃料のストーブ)に火を入れて、何やら調理中であり、未だ出立の気配は無い。
小生はヤオラ腰を上げて出発する。
「そいじゃ、お先に失礼します」
「どうぞ、お気をつけて、行ってらっしゃい。」
行ってらっしゃい・・?、そう言えば彼らはこの後、登りなのか降りなのか、うっかり聞き忘れてしまった。 
のんびりしているところを見ると、或は降りなのかも知れない・・?。


出発しようとしたところへ、重装備の若者の単独登山者が一歩一歩上がってきた。
小生が立ち上がったすぐ横にドッカと腰を下ろして大きなザックを下ろす。 
やはり、こちらは休憩適地なのである。

「お疲れさん」 
「どうも、 どうやら雨も上がったようですし、これなら明日は期待できそうですね・・!」
深い呼吸をしながら、小生が言おうとしたことを云われてしまった。
二~三言、やり取りをして、
「そいじゃ、お先に」


「八丁坂」の急坂をやりすごした後は、比較的穏やかな登り道である。 
鬱陶しい雨も上がり、気分も体調も快調に歩を進める。

ガスも晴れてきて周囲の見通しも大分良くなってきている。
林の間から藪沢の谷であろう・・?、深く切れ落ちているのが伺える。 
その向こうは重厚な尾根が競り上がっていて、上部は雲の中に消えていた。 若しかしたら仙丈ケ岳の尾根かも知れないが・・?。

此方よりやや高目のその尾根の山腹に、林を伐採したような一筋の白っぽい線が横に走っている・・?。 
若しかしたら戸台から延びている林道かもしれない・・?。


次回、「アルプスの林道






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南ア・仙丈ヶ岳紀行(20) 「親子連れ」

2011年10月28日 | 南ア・仙丈ヶ岳
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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(20) 「親子連れ」  .




向きを変え、方向を変えながら急坂のジグザグの登りを10数回繰り返す。
ヨウヨウにして一息つける台地へたどり着いた。 
休憩するには適地である。

気が付くと先着の二人の登山者が一服入れていた。 すぐ近くにドッカと腰を落とし、背中の荷物を下ろした。
二人の登山者はどうやら親子のようだ。 子供はまだ中学生くらいであろうか・・?。

父親らしい年配者が、
「お疲れさんです。 お一人ですか・・?、お元気のようですね」
「ハイ・・!、でも、もうバテ寸前ですよ」
「だいぶ雨にたたかれましたが、ここへ来て小降りになったようで良かったですね。 今日はどちらまで・・?」
「あー、そうですね。 今日は峠の小屋でやっかいになり、明日、仙丈をやる予定です」
「そうですか・・!!、 一切れですが、どうですか・・?」
といって、レモンを一切れ戴いた。 

口の中にジワッーと酸い味が広がる。
生のレモンは、普段は身震いするほどの酸っぱさであるが、不思議なことに今は心地よく甘味さえ感じるのである。 

熟年の老域に達しているような人物であるが、血色も良く、余裕すら感じられる。 
山に関しては相当の場数を踏んでいるようである。

「どうやら雨も上がったようですね。 上空も明るくなってきましたよ」
「そうですね、 明日は期待できそうですね・・!」
判り切ってることだが、妙に温かみのある一言でもあった。

確かにそうだった。 
つい先刻まで土砂降り状態であった激しい雨も、今はすっかり上がっていて、薄日さへ感じられるのだ。

山屋にとってお天気ほど気になるものはなく、好天が最大のプレゼントなのである。
まして、悪天から快方に向かうときなどは気分的にも気が漲り、力が湧いてくるのである。


次回、「八丁坂・休憩適地



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南ア・仙丈ヶ岳紀行(19) 「南アルプスの植生」

2011年10月26日 | 南ア・仙丈ヶ岳
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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(19) 「南アルプスの植生」  .




南アルプスに最も似つかわしい鬱蒼とした針葉樹林帯


ヨウラクツツジの花(資料)



一旦、沢へ出て三本丸太の危なっかしい橋を渡り、左手の山裾へわけいる。
気が付くと、先ほど渡った藪沢のやや上流部であろう、渓相がいきなり深く荒々しい様相を呈している。

そのすぐ左手の急斜面の尾根に山道らしいのが付いている。 
フーッと一息入れて、やおら取り付く。
長い九十九折り(ツヅラオリ・・?)のジグザグの急な坂道である。 
ただ、九十九折の一辺が意外と長いので急斜面のわりには山道そのものはたいした勾配ではない。


戸台河原では落葉、針葉樹の賑やかな混成林であったが、さすがにこの辺りまで高度を上げると、主に針葉樹林帯に変わっている。 
主に、モミ(トウヒ・・?)、シラビソやツガの大木であろうが、時折、道端にヨウラク系のツツジが見受けられる。
勿論、時節柄花の盛りはとっくに終わっていて、花のあとに茶色の種子がピンと立っている。


和生の石楠花やツツジにいささか興味を持っている小生ではあるが、このヨウラクツツジはツツジ科の中でも最も気品と可憐さが備わっていると思っている。

花は主に紫ピンク色で、束状に長い花柄をもって釣鐘状に下垂するのが特徴で、一般にはツリガネツツジとも称している。
尚、石楠花は今のところ姿を見せていない。 
甲州側の谷を隔てた東に連なる秩父連山には、至る所にアズマシャクナゲが群生をなしているのに、やはり、地柄であろうか・・?。


ところで「ヨウラク」という、チョット垢抜けした名称の由来は・・、 
インドの貴族男女が珠玉や貴金属に糸を通して作った装身具から始まったとされ、主に頭・首・胸に掛ける装飾物。 
日本では仏像などの装飾に使用され、また建築物の破風などに付ける垂れ飾りのことで、紅紫色の花を仏像などの天蓋や建築物の破風などにつける垂飾り「瓔珞(ヨウラク)」に喩えたもの。

日本には7~8種あるとされるが、小生の特に好きなのが「ウラジロヨウラクツツジ」(葉の裏側が白い)や御近所の手前「ハコネムラサキツリガネツツジ」(葉が濃い緑で微細な毛に覆われている)

尚、同様に釣鐘状に花を咲かせるツツジに「ドウダンツツジ」があるが、フウリンツツジともいい、普通一般に生垣などに見られるモノと「ベニサラサドウダン」などの珍種もある。



因みに南アルプスの植生として、一般に標高約800m以下ではモミ・カシ・シイ・タブの林が見られ、約1600mまでの間ではツガ・ウラジロモミ・トウヒの林、約2600mまでの間ではダケカンバ・シラビソ・コメツガ・ウラジロモミの林が多い。
そして、森林限界を越えた高山帯ではハイマツ群落と色とりどりの花が咲く高山植物の世界になっている。
何れも、常緑の針葉樹林帯がその大半を占めるのである。


次回、更に「八丁坂






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南ア・仙丈ヶ岳紀行(18) 「南アルプスの特性」

2011年10月25日 | 南ア・仙丈ヶ岳
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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(18) 「南アルプスの特性」  ,




鬱蒼とした南アルプスの一端



八丁坂」の急坂をを喘ぎながら登っている。
今までの河原歩きと異なって、確かに“山に向かって登っているんだ“という実感がこみ上げてくる。

本来なら急坂の場合、腰に両手を当ててグイグイ登っていくはずであるが、雨のせいもあって片手に傘を差しているので何となく宙ぶらりんな格好になり、どうもバランス良く無く力が入らないのである。

それにしてもこの八丁坂は様気(雨)のせいとは言いながら、時間帯を比較してもチョッと暗すぎる感じがしてならない。 
日の出前か、日没後である太陽が天上界から消え失せている状態にしか思えないのである。

そういえば、山脈全体を見渡しても南アルプスと北アルプスを比較すると明らかに明らかなのは(・・?)北アルプスの方であろうと誰でも納得してしまうであろう。
其々の好みは別にして、南アルプスは北アルプスに比べると派手さが少なく地味であると、大抵の登山者なら誰でも思っているのではなかろうか・・?。


連綿と連なる山様を比較しても、南アルプスは稜線近辺に到ってもアルペン的な風貌が少なく、北アルプスの派手な岩稜の連続した豪快さとは一線を譲ってしまう。
また、甲斐駒ケ岳や北岳を除けば、北アほどの「シャープ」さがなく凡庸なイメージにつながってしまうのではなかろうか。

しかし、そのことは情緒的な面ばかりではないらしい。
植物相地質層から観ても南アと北アとは明らかに異なっているともいわれる。

南アルプスの植物の垂直分布を見ると、標高の低い所から既に温帯性の常緑広葉樹林帯(照葉樹林帯)と落葉樹林帯が混在し、高度が上がるにしたがって直ぐに常緑針葉樹林帯(亜高山樹林帯)となっている。
高度1千メートルを越えるとツガ、モミ更にはコメツガやシラビソ(常緑針葉樹林)の大木が大部分を占めてしまうのである。 
つまり、南アルプスは低い高度でありながら、既に原生の「常緑針葉樹林」に覆い尽くされているのである。
また、北アの森林限界が2500~2600メートルと言われるが、南アルプスの北部でも2700~2800メートルもあり、被覆率も大幅に異なるのである。


一方、地質相からみても南アルプスは特徴的といえるものがあるらしい。
甲斐駒ヶ岳や鳳凰山塊の一部山域を除いて、主に黒っぽいもろい水成岩質で構成されているといわれる。
この地層は、専門的にはいろいろ言われているようだが、要は海底に積もった砂岩、泥岩などが複雑に重なり合い、古い世代に次第に隆起して陸地や山を形造ったとされる。 一般には堆積岩、水成岩とも言われ、この南アルプスの地層は「四万十層」ともいわれている。(本州中部から九州までの各地域の南部に広がる地層)

風化した水成岩は、通気性や保水性の良い安定した表土を作りやすいという特徴があるとされ、特に南アルプスは夏期の豊富な降水量と冬季の降雪量が比較的少なく雪解けも早いのもあって、植物の生育には全く理想的と言った土壌なのである。


これに対して槍・穂高等の北アルプスでは、凝灰岩(火山から噴出された火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石)や花崗岩系(火山性マグマがゆっくり冷えて固まった岩石の一種)等のやや白っぽい岩質からなっているといわれ、南アルプスでも甲斐駒ヶ岳や鳳凰山塊ではこのような感じである。

また白馬山系の雪渓等に観られる冬の膨大な積雪量のため雪が遅くまで残り、植物の生育が阻害される。 
北アルプスでは元々白っぽい土壌の上に植物が乏しいため明るいイメージの山容となるのである。

つまり南アルプスは、植生植物の発達と黒っぽい土壌がもたらした結果、暗いイメージといわれる所以なのであろう。
 

次回、「南アルプスの植生






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