釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「マネーサプライは大恐慌以来最大の崩壊を続けている」

2023-12-07 19:12:36 | 社会
12月7日 ZeroHedge
The Money Supply Continues Its Biggest Collapse Since The Great Depression
マネーサプライは大恐慌以来最大の崩壊を続けている

著者はライアン・マクマケンRyan McMaken氏(The Mises Institute)

マネーサプライ(経済全体に供給されている通貨の総量)の伸びは10月に再び低下し、2022年11月に28年ぶりにマイナスに転じた後、依然としてマイナス圏に沈んでいる。10月の落ち込みは、過去2年間の大半で経験した空前の高水準からの急降下傾向を続けている。

2021年4月以降、マネーサプライの伸びは急速に鈍化し、11月以降は前年比で縮小を繰り返している。マネーサプライの前年比(YOY)変化がマイナスに陥ったのは1994年11月が最後だ。その時はマイナス成長が15ヶ月続き、1996年1月にようやく再びプラスに転じた。

マネーサプライの伸びは12ヶ月連続でマイナスとなっている。2023年10月、マネーサプライの前年同月比伸び率は-9.33%となり、悪化が続いた。これは9月のマイナス10.49%からわずかに上昇し、2022年10月のマイナス2.14%を大きく下回った。マイナス成長は8ヶ月連続でマイナス10%近辺かそれ以下となり、マネーサプライの縮小は大恐慌以来最大のものとなった。今年に至るまで、少なくとも60年間、どの月もマネーサプライが6%(前年同月比)以上減少したことはなかった。

ここで使用されているマネーサプライの指標-「真の」、すなわちロスバード・サレルノ式マネーサプライ指標(TMS)-は、マレー・ロスバードとジョセフ・サレルノによって開発された指標であり、M2よりもマネーサプライの変動をより適切に測定できるように設計されている。(現在、ミーゼス研究所はこの指標とその伸びについて定期的な最新情報を提供している)。

ここ数カ月、M2の伸び率はTMSの伸び率と似たような経過をたどっているが、TMSはM2よりも早く低下している。2023年10月のM2成長率は-3.35%だった。これは9月の伸び率-3.35%から低下した。2023年10月の成長率も2022年10月の成長率1.42%から大幅に低下した。

マネーサプライの伸びは、経済活動の指標として、また景気後退の指標として役立つことが多い。好況期には、商業銀行が融資を増やすため、マネーサプライは急速に増加する傾向がある。一方、景気後退期はマネーサプライの伸びが鈍化する傾向がある。

なお、不況や好況・不況サイクルのシグナルとして、マネーサプライが実際に縮小する必要はない。ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスが示したように、不況の前にはマネーサプライの伸びが鈍化することが多い。しかし、ここ数カ月で見られたマイナス圏への落ち込みは、マネーサプライの伸びがどれほど急速に低下しているかを示している。これは一般的に、経済成長と雇用にとって赤信号である。

マネーサプライがまったく縮小していないという事実は注目に値する。マネーサプライは2022年4月のピークから2.8兆ドル(13.1%)減少した。比例して、2022年以降のマネーサプライの落ち込みは、大恐慌以来最大の落ち込みである。(ロスバードの推計によると、大恐慌に至るまで、マネーサプライは1929年半ばのピーク時730億ドルから12%減少し、1932年末には640億ドルに達した)。

最近のマネーサプライ総量の減少にもかかわらず、マネーサプライのトレンドは1989年から2009年までの20年間を大きく上回っている。このトレンドに戻るには、マネーサプライは少なくともあと3兆ドル、つまり15%減少し、15兆ドルを下回らなければならない。 さらに、10月時点でもマネーサプライ総額は2020年1月以降32%(4.6兆ドル)増加している。

2009年以来、TMSのマネーサプライは186%近く増加している。(現在のマネーサプライ18.9兆ドルのうち、2020年1月以降に創出されたのは4.6兆ドル、つまり24%である。2009年以降、現在のマネーサプライのうち12.2兆ドルが創出された。言い換えれば、過去13年間だけで、現存するマネーサプライのほぼ3分の2が創出されたことになる。

このような総額では、10%の下落は新たに生み出されたマネーの巨大な建造物をわずかにへこませるだけだ。米国経済は、過去数年間からの非常に大きな通貨超過に依然として直面している。このため、マネーサプライの伸びが18ヶ月間鈍化した後、労働市場に減速が見え始めている。(例えば、求人数は過去1年間で22%減少したが、コロナ前の水準にはまだ戻っていない)。インフレブームもまだ終わっていない。

それにもかかわらず、金融減速は景気をかなり弱めるのに十分である。フィラデルフィア連銀の製造業景況指数は景気後退局面にある。景気先行指数は悪化の一途をたどっている。イールドカーブは景気後退を示唆している。臨時雇用者数は前年比で減少し、これはしばしば景気後退に近づいていることを示す。デフォルト率は上昇している。

マネーサプライと金利上昇

インフレによる好況は、新たな資金注入が一段落すると、不況に転じ始める。量的緩和、金融抑圧、金融緩和への傾倒を10年以上続けてきた連邦準備制度理事会(FRB)が、ついにマネーを生み出すアクセルから足を離した後、現在のような停滞の兆しが見られるのは驚くにはあたらない。12月上旬現在、FRBはフェデラルファンド金利を2001年以来の高水準となる5.50%まで引き上げることを認めた。これは短期金利全体の上昇を意味する。例えば10月の3ヵ月物国債利回りは5.6%に達し、2000年12月以来の高水準となった。

ゼロに近い金利で簡単な資金を継続的に利用できなければ、銀行は融資に消極的になり、多くの限界企業は借り換えや新規借入によって財務上の問題を食い止めることができなくなる。2023年中に商業破産の申し立ては大幅に増加し、今年の最終四半期に入っても急増を続けている。モニター・デイリーが報じたとおりである:

Epiq Bankruptcyが提供したデータによると、WeWorkによる11月の連邦破産法第11章適用申請件数は842件となり、2022年11月の349件に比べ141%増加した。

米国破産協会(American Bankruptcy Institute)の分析によると、WeWorkが11月6日に申請したケースには517件の関連申請が含まれており、1979年に米国破産法が施行されて以来、1つのケースで関連申請が3番目に多かった。

11月の商業部門全体の申請件数は2,252件で、2022年11月の1,864件から21%増加した。第11章内のサブチャプターVの選択として捕捉される中小企業の申請は、2022年11月の101件から79%増加し、11月には181件となった。

11月の破産申請件数は37,860件で、2022年11月の31,187件から21%増加した。個人の破産申請件数も前年比で21%増加し、11月の35,608件は2022年11月の29,323件より増加した。11月の連邦破産法第7章の申請件数は20,250件で、2022年11月の16,421件に比べ23%増加し、11月の連邦破産法第13章の申請件数は15,280件で、昨年11月の12,862件に比べ19%増加した。


個人消費向け融資も割高になっている。10月の平均30年物住宅ローン金利は7.62%に上昇し、2000年11月以来の高水準に達した。

これらの要因はすべて、バブルが崩壊しつつあることを示している。この状況は持続不可能だが、FRBは新たな物価上昇を再燃させることなく方向転換することはできない。プロのエコノミストの中には、物価上昇率はほとんどなくなったと主張する者もいるが、労働者の多くが賃金が物価上昇に追いついていないと考えているのが、現場の感情であることは明らかだ。物価の高騰は、生活費の上昇を考えれば特に問題である。一般のアメリカ人は、住宅価格についても同様の問題に直面している。アトランタ連銀によると、住宅価格指数は住宅バブルの真っ只中にあった2006年以来、最悪の水準にある。

もしFRBが今、方針を転換し、新たなマネーの洪水を受け入れれば、価格は急騰するだけだろう。こうなる必要はなかったのだが、ウォール街とワシントンの放漫財政が囃し立てた10年間の金融緩和のツケを、一般庶民が払わされているのだ。経済を長期的により安定した軌道に乗せる唯一の方法は、FRBが新たな資金を経済に投入するのを止めることだ。それはマネーサプライの減少とバブルの崩壊を意味する。

しかしそれはまた、人為的な低金利と金融緩和によって可能になった支出ではなく、貯蓄と投資によって成り立つ実体経済、つまり際限のないバブルの上に成り立っていない経済の土台を築くことでもある。


米国マネーサプライ推移

「アメリカ帝国について習近平は正しい」

2023-12-06 19:18:10 | 社会
今日のビルトッテン氏訳「Xi Jinping is Right About the US Empire(アメリカ帝国について習近平は正しい)」

中国の経済力が高まるにつれ、欧米支配を圧迫し、その結果、戦略的反動が起こると習近平は考えている。

by Jacob G Hornberger

中国の習近平国家主席の訪米前夜、 ニューヨークタイムズは、習近平主席の米国に対する考えを詳しく紹介する記事を掲載した。

記事は次のように述べた:

習近平氏は、中国は平和的に台頭しようとしているが、西側諸国は共産党が主導する中国が追い上げてきていつか世界の覇権において西側を追い抜くかもしれないという考えを受け入れないだろう、と言っている。西側諸国は中国の台頭を妨げ、共産党を倒そうとすることを決して止めないだろう、と習近平はメディアではほとんど報道されない軍部向けの演説で語った。

2015年、習近平は軍の司令官たちにこう言っている:

一部の西側諸国は中国共産党の指導の下、社会主義中国が力強く成長するのを絶対に見たくないのだ。

ニューヨークタイムズは、習近平の演説は「中国の台頭が支配を維持しようとする西側のライバル国からの反発を招くという、ほとんど宿命論的な確信に満ちたものだった」と報じている。習近平は2014年、中国空軍の将校たちに「われわれの発展が速ければ速いほど外部からの衝撃は大きくなり、戦略的な反動も大きくなる」と語った。ニューヨークタイムズは、「習近平の世界観では、西側諸国は中国共産党の権力を内部から転覆させ、国外での影響力を封じ込めようとしている」と報じた。

問題は、あまりにも多くのアメリカ人は直面したがらないが、アメリカ帝国について習近平は正しいということだ。

歴史を通じて、帝国は常にライバル、対抗者、敵対者、競争相手を嫌ってきた。帝国はその台頭を阻止するためなら有害な経済的措置の発動を含め何でもするし、戦争を仕掛けることさえある。その目的は、帝国にとって脅威とみなすものを弱体化させることである。

もちろんこうした措置は必然的に帝国内の住民にも影響を及ぼすが、その考え方は、帝国がすでに経済的に強くなっているため、通常は生活水準の低い対象となる国よりも、経済的困窮に耐えられるという考え方なのである。

中国共産党が中国を統制し始めてから数十年間、共産党は厳格な社会主義体制を確立し、ほとんどすべてのものを政府が所有・管理する仕組みを維持してきた。その結果、国全体が大規模な貧困に見舞われ、もちろん、中国共産党政府は比較的少ない資源しか持っていなかった。

そして数十年前、中国は経済の自由化を始め、中国国民が経済事業に従事し、貿易に携わり、事業を興し、莫大な富を蓄積することを許可した。その結果、経済的繁栄は著しく増大した。

一時期、米国人はこの経済的な現象を称賛した。それも無理はない。何十年もの間、多くの米国人が中国の社会主義体制を批判してきたのは、まさにそれが中国国民の間に多くの貧困を生み出していたからだ。今、人々の生活水準は急上昇している。世界の他の地域の人々が貧困から脱出している事実を、なぜ誰もが祝福しないのだろうか?

さらに、中国の繁栄は中国人が米国人から商品やサービスをますます購入できるようになったことを意味した。その結果、貿易はすべての人を豊かにしたのである。

しかしアメリカ帝国、具体的には国防総省、CIA、NSAは、このすべてを問題だと考えた。なぜなら中国の経済的繁栄は、中国共産党政権にとって新たな莫大な税収を意味もたらし、その資源を使って政権が軍事力を増強し、また世界中でその影響力を拡大する手段となったからだ。

米国政府がアフガニスタンやイラクの人々に対して戦争を行っていた20年間、中国にはそのような負担はなかった。アメリカ帝国が多くの人を殺すために税収を使っていたのとは対照的に、中国はその資金を使い大規模で壮大な社会主義プロジェクトを行う国々を支援することで、世界中に影響力を拡大していた。

したがって米国の国家安全保障体制の視点では、中国の台頭は冷戦後の世界唯一の世界帝国としての役割に重大な脅威をもたらした。中国を倒すためには、たとえ米国民に害を及ぼす結果になっても何かをしなければならなかった。中国の経済的繁栄を抑圧することで、帝国は中国政府の財源となる税収を減少させ、それによって軍事力と世界への影響力を拡大する能力を制限することを狙った。

これは帝国の常套手段である。しかし当然ながら米国民には疑問が生じる。米国政府が他国の国民に経済的打撃を与えることは正しいのだろうか?実際、米国政府が帝国であること自体、正しいのだろうか?


カワセミ

「グレート・リセット」途上

2023-12-05 19:12:12 | 社会
先週金曜日のNHK「都道府県ごとの感染状況 11月20日~26日 新型コロナの感染状況(1医療機関あたり)」を見ると、前週に底を打って、また上昇に転じたようだ。47都道府県中38で上昇している。NHKのワクチン接種状況を見ると、7回目接種者は1439万472人となっている。1回目接種が対象国民の80.8%が接種したことに比べれば、激減している。それでも明治製菓や第一三共などは新たなmRNAワクチンを政府から承認された。ワクチン接種は今後も続いて行くと言うことだろう。最も危惧されることは、WHO世界保健機関のパンデミック条約に日本が参加していることだ。今後、新たなパンデミックが発生し、WHOがワクチン接種を義務付ければ、日本人は全て、それに従わなければならなくなる。先月30日の米国The Daily Scepticは、「Japan Approves World’s First ‘Self-Amplifying mRNA’ Covid Vaccine – With No Safety or Efficacy Data(日本、世界初の「自己複製mRNA」コビドワクチンを承認 - 安全性・有効性データなし)」を載せた。「外国製のmRNA注射を何年も続けてきた愛国心の強い日本人コロナ族が、ついに国産の脂質ナノ粒子を血流に入れるチャンスを得ることになる。NHKワールドより: 「厚生労働省の委員会は、第一三共が開発したコロナウイルスワクチンを日本での予防接種に使用できると発表した。これは、実用化された最初の日本製コロナワクチンである。」  委員会の大半がいまだにマスクを着用していると知ったら驚くだろうか?」と書き出している。ファイザーやモデルナのmRNAワクチンと同じく、極めて短期間の治験で承認を受けている。しかも、第一三共の自己増殖mRNAワクチンはファイザーの4万人の治験者に対して、わずか828人でしかない。自己増殖型のmRNAワクチンは、これまでのmRNAワクチン以上にさらに危険性が強まっている可能性が指摘されている。記事は、「厚生労働省は抗体価に基づいて新技術を使用したワクチンを承認しただけでなく、実際に発売されるワクチンの抗体価に基づいて承認すらしていないのだ。『規制』の古い定義は、『安全』や『有効』の定義と同様、コロナのせいで死んだように見える。  これはコロナのパンデミックの永続的な遺産の1つであるように思われる。規制機関は、自分たちの仕事を適切に行うというふりを捨て、本質的に無意味なデータに基づいて、好意的な企業からの承認申請に喜んでゴム印を押すようになった。彼らの主張にもかかわらず、厚生労働省の専門家は、新しい予防接種がワクチンメーカー以外の誰かに利益をもたらすことを確認していない。」と結んでいる。WHOのテドロス事務局長は、昨夜、「WHOは本日、イスラエル国防軍から、ガザ南部にある医療倉庫から24時間以内に物資を撤去するよう通告を受けました。私たちは イスラエル に対し、この命令を撤回し、病院や人道支援施設を含む民間人と民間インフラを守るためにあらゆる手段を講じるよう訴えます。」とXに書き込んでいる。世界経済フォーラムと一体化したWHOのトップがガザの人道支援を訴えている。ウクライナ東部2州がウクライナのネオナチスに8年間も攻撃され続けていた時には、沈黙していた。調べて見ると、ガザのハマスを早くからジョージ・ソロスが支援していた。つまり世界経済フォーラムはガザ支援の立場だ。イスラエルとパレスチナの対立を煽る立場だった。第二次対戦中、ユダヤ人であることを隠してナチスに協力することで生き残ったジョージ・ソロスは、投資の世界で巨万の富を得ると、その富を使って、世界統一政府を目指すようになった。中国に目を付け、米国CIA下部組織全米民主主義基金NEDと共に天安門事件を引き起こした。その後、中国はジョージ・ソロスを入国禁止にしている。全米民主主義基金NEDについては筑波大学遠藤誉名誉教授が詳述している。昨日、日テレNEWS、「民主活動家・周庭さん「香港には戻らないと決めた」 事実上の亡命か」で報じられた「香港民主化運動」の旗手とされた周庭もやはりNEDが関与した人物だ。CIAの手配でカナダに住むことになる。この香港の民主化運動もやはりこれまでのカラー革命同様、NEDやソロスが関与している。世界経済フォーラムWEFのクラウス・シュワブは先日100歳で亡くなったキッシンジャーの弟子になる。彼らは地球上の人口を削減し、彼らの目指す世界統一政府の実現のために行動している。コロナもmRNAワクチンも人口削減の一環として主にビル・ゲイツとWHOのテドロスが担当した。世界中のmRNAワクチン接種国で超過死亡が増大しているのは、彼らの想定内だ。やがてやって来る覇権国米国の金融崩壊、ドル崩壊も彼らにとっては、世界統一政府への「グレート・リセット」の道程でしかない。2021年12月3日のNHKは、「岸田首相 ゲイツ氏電話会談 “新型コロナ対応で連携を”」を報じ、今年9月20日の毎日新聞は、「首相、ゲイツ氏らの財団から受賞 「保健分野でリーダーシップ」」を報じている。一国の政治トップと何の公的職務にも就ていない人物が簡単に会談できる関係なのだ。中国の習近平は世界経済フォーラムの総会を受け入れている。しかし、ロシアのプーチンは途中から距離を置くようになった。習近平は相互の利益となる経済関係を重視している。経済的に利用出来るところは利用すると言うことなのだろう。しかし、世界統一政府やパンデミック条約のような国家主権が奪われる事態は容認しなだろう。ロシアのウクライナ侵攻後の西側諸国のロシアへの経済制裁以来、ロシアは、欧州からアジアへ転換し、特に中国と接近した。結果的に米国は中国とロシアをさらに結び付けてしまった。プーチンは近々、サウジアラビアとアラブ首長国連邦を訪問する。中国やロシアは共に米国から制裁を受け、中東やアフリカ、中南米と一層緊密になっている。BRICSも年が明ければ、5カ国から11カ国になる。中国・ロシア・グローバルサウスが、欧米だけでなく、世界経済フォーラムの「グレート・リセット」に対してもどう抗って行くのか。昨日の米国THE HILLは、「White House warns it will run out of money for Ukraine unless Congress acts by end of year (ホワイトハウス、年内に議会が動かない限りウクライナへの資金が底をつくと警告 )」を報じている。欧米メディアがウクライナの劣勢を認め、EU欧州連合各国が支援打ち切りを表明している。米国情報機関がゼレンスキーの米国フロリダへの実質的な亡命の準備をしていると言う情報まで出ている。欧米は資金も武器・弾薬も枯渇して来ており、もはやウクライナとイスラエルの両方を支援する余裕はなくなった。ウクライナを捨てて、イスラエルだけを支援する流れになって来た。米国はイスラエルとハマスの戦いを周囲に拡大したいようだが、国内的にも批判が出ており、欧州でもフランスのマクロン大統領はイスラエルのガザ虐殺を批判している。周辺アラブ諸国、特にイランもイスラエルを強く批判するが、簡単には直接武力介入しようとはしていない。イスラエル自体も経済が厳しくなって来ており、ネタニエフ首相への国内からの批判が強まって来ている。 





「私たちの国家破産: 道徳、経済、政治」

2023-12-04 19:12:00 | 社会
今日の昼のTVで、政府による軍需産業への投資が報じられていた。TVでは軍需産業と言わず防衛産業と称していた。戦後も世界各地で戦争を引き起こして来た米国すら「国防省」と称し、日本も「防衛省」と称する。日本の憲法9条は、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 ② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」と明確に謳っている。「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」のであり、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」のである。自衛隊は立派な軍隊であり、日本は明らかに「陸海空軍その他の戦力」を明らかに保持しているのだ。小学生でも理解出来ることだ。これほど明らかなことを憲法の番人である最高裁判所すらこれまで無視して来たのが日本だ。法の勝手な解釈変更でなし崩しに軍備を増強して来たのが今の「自衛隊」だ。一度解釈変更が許容されれば、後は平然と解釈変更で何でもありとなっている。与党多数が常態化した国会は、まさに機能不全となり、国会での議論を飛ばして内閣決議のオンパレード状態になってもいる。法の解釈変更が罷り通れば、もはや国会に意義はなく、民主主義の原則である三権分立も絵に描いた餅でしかなくなっている。これも国家衰退の現象の一つだろう。国家を堅持するためには人口維持、新産業の育成、そのための教育・研究・開発投資、食糧自給が先ず優先されなければならない。しかし、今の日本はそれらいずれもがなされておらず、衰退の一途を辿るばかりだ。今日の東京新聞は、「「何が言いたいのか分からない」敦賀原発2号機の再開審査で規制委を呆れさせた、原電の支離滅裂な説明 」、「福島第1原発の北2キロの海水を独自調査 トリチウムやセシウムの濃度は?」の二つの記事で、原発管理の杜撰さを報じている。主要産業のモラル低下もまた日本の衰退の象徴だろう。日本の各地に設置された原発は、軍事的には島国日本の致命的な弱点だ。米国の防空システムを高額で導入しても、ロシア、中国の超音速ミサイルには全く太刀打ち出来ない。原発などドローンだけで十分攻撃出来る。要するに政府の巨額の軍備拡大は、すでに巨大な負債を抱える中でのさらなる国費の無駄遣いでしかない。中国、ロシアを敵視する限り、軍事的には核を保有するしか対応は不可能だろう。しかし、日本の核保有は米国が決して許さない。無論、憲法にも違反する。日本の衰退にトドメを刺すのは、国債や通貨円の暴落だろう。何をするにも通貨価値の維持が前提だ。しかし、巨大政府債務を抱えた国家は、歴史上必ず衰退している。今日のBloombergは、「Spot Gold Rises to Record on Dovish Fed Remarks(ハト派的なFRB発言を受け、スポット金は記録的な上昇) Bullion shoots past previous all-time high set in August 2020(地金は2020年8月につけた史上最高値を更新)  A rally underway since early October picked up pace on Friday (10月初旬から続いていた上昇が金曜日に加速)」を載せた。日本でも円での金価格は今日もまた過去最高を更新した。金価格が上昇すると言うことは、ただの紙でしかない円やドルの価値が下がり続けていると言うことだ。米国国債も価格が低下して金利が上昇した。このため欲深い金融機関は多大の含み損を抱えている。決算期が到来すれば、破綻金融機関が日米ともに湧出するだろう。米国ではGAFAをはじめ、主要金融期間でも人員削減が続いており、倒産企業も収まらない。すでに米国は景気後退に踏み入れている。米国金融専門家には今月末までに米国は本格的な景気後退に入ると予想する人もいる。来年前半になると予想する人はさらに多くいる。この景気後退は金融バブルの崩壊の引き金となる。現在の米国株はGAFAなどの主要IT企業に牽引されたバブル域にある。景気後退が鮮明になれば、先ず、株式の暴落が発生し、次いで国債や社債などの債券の暴落が続く。そして最後に通貨ドルの暴落に辿り着く。米国での金融崩壊は、投資家や金融機関に損失を生じさせ、穴埋めに現金を必要とするようになる。この時、金を保持していた投資家や金融機関は、金を売って現金化する。このため、売られた金は一時下落する。この下落したタイミングで、円やドル資産を金に変えておけば、自分の資産を守ることが出来る。確かにこの時、金は一時下落するが、国債やドルの暴落で、金価格はこれまでなかった急上昇を迎えるだろう。先月27日、米国仮想通貨情報メディア、Cryptopolitanは、「UAE officially stops using dollar for oil trades(UAE、石油取引におけるドルの使用を正式に停止)」を報じている。UAEアラブ首長国連邦は、中東ではサウジアラビアと共に親米国であった。そのUAEが石油取引にドルを使わないことを決めた。サウジアラビアはすでに中国との取引に人民元を使いはじめている。1974年の米国・サウジアラビアの密約で成立したペトロダラーが終焉に向かいつつある。ドルが基軸通貨であり得たのは、ペトロダラーが維持されて来たからだ。ドルの基軸通貨基盤であるペトロダラーが崩壊すれば、巨大な政府財政赤字と経常収支赤字を抱えるドルは、大きく毀損され、その価値を失って行く。これもまた金価格の上昇に拍車をかけるだろう。ドルの価値の下落は、米国の国債や社債、株式の形で保有する日本の金融機関や年金基金もまた、大きく損失を抱えることになり、それをカバーするために保有する日本国債を売り払う事態を招くだろう。ドルに続いて、円もまた暴落せざるを得ない。先月28日、The Epoch Timesは、経済学者のマーク・ヘンドリクソンMark Hendricksonの寄稿文を載せている。「Our National Bankruptcy: Moral, Economic, And Political(私たちの国家破産: 道徳、経済、政治)」

先月、連邦議会で働く友人から電話があった。彼は連邦財政の不条理な状況に心を痛めていた。世界一裕福な国が、34兆ドルもの借金を抱えながら、さらに深刻な借金に突き進むとは......。まるでホラー映画のようだ。

連邦議会は膠着状態にあり、連邦政府支出の蛇口は永久に大きく開いたままになっているようだ。

私の友人との会話は、3つのポイントに触れた。この手に負えない状況はなぜ生まれたのか、どうすれば軌道修正できるのか、そしてどのような政府のモデルが私たちを無限の負債から守ってくれるのか。

なぜこのどうしようもない状況に陥ったのか?


何が米国連邦政府を財政の奈落の底に突き落としたのか?それは主に2つの要因に集約される。選挙制民主主義の倒錯したインセンティブと、徐々に進むモラルの崩壊である。

破滅的な借金の根本的な原因は、モラルの崩壊である。数十年にわたり、私有財産の尊厳に対する米国の伝統的な敬意は損なわれ、衰退して来た。進歩的・社会主義的思想やその他の詭弁の影響を受け、米国国民は、他人が負担することになる恩恵を受ける権利があると考えるようになった。これが民主主義の自滅的性質である。投票箱で表明された民衆の要求によって、自発的な交換や慈善は、強制的な政府による富の移転(政府以外の主体が行えば窃盗とみなされる富の移転)に徐々に取って代わられて来た。

民主主義国家では、選挙で地位を得ようとする政治家は常に多くの票を必要とする。彼らは、自分たちの金ではなく、連邦国庫からの金で票を買うことが出来ることを発見した。政治的インセンティブは、議会と大統領にとって、支出、支出、支出である。有権者は税金を嫌うので、増税によって有権者の反感を買わないようにすることも政治的インセンティブとなる。国債の膨張は、こうしたインセンティブの必然的な結果である。

政府の過剰支出は民主主義のアキレス腱である。アレクサンダー・フレイザー・ティトラーの言葉だが、「民主主義は永続的な政治形態として存在することは出来ない。民主主義が永続的な政治形態として存在し得るのは、多数派が国庫から大盤振る舞い出来ることを知るまでである。その後、多数派は常に最も多くの利益を約束する候補者に投票し、その結果、財政政策が緩んで民主主義は崩壊し、独裁政権が続くことになる...」。

20世紀の米国の経済学者ハワード・カーシュナーは、もっと雄弁にこう言った: 「自治する国民が、ある者から奪い、ある者に与える権限を政府に与える時、そのプロセスは、最後の納税者の最後の骨がはぎ取られるまで止まらない。」

どうすればこの財政危機から脱却できるのか?


短い答えはこうだ: 出来ない。理論的には、投票権を持つ米国人の過半数が国家破産に内在する危険性を認識し、富の移転プログラムの膨大な網を元に戻す大統領と議会を選出すれば可能だろうが、現実的ではない。有権者の中には、自分たちの利益となる特定の政府プログラムを手放したいと思う人はほとんどいないのだから、福祉国家を自発的に解体することは不可能だ。

その代わり、最も可能性の高いシナリオは、「連邦政府の全面的な信頼と信用」を信じて国債を買うカモがいなくなり、連邦準備制度理事会(FRB)が何兆ドルも追加で国債を発行せざるを得なくなるまで、現在の自滅的な路線を続けることだ。

財政責任を果たす政府の青写真


そう、その青写真は目に見えるところにある。それは憲法だ。

憲法は、連邦政府が果たすべき比較的少数の機能を列挙している。連邦政府が農業、住宅、医療、エネルギー、教育、交通、退職金などの経済分野に関与したり、影響を与えたり、管理したりすることは、憲法には明記されていない。

建国者たちが、連邦政府が市民の経済問題にまで踏み込むとは思っていなかったことは、建国者たちの著作を読めば明らかだ。

トーマス・ジェファーソン(アルバート・ギャラティン宛書簡、1817年): 「議会は一般福祉のために無制限の権限を持っているのではなく、具体的に列挙された権限しか持っていない。」

ジョン・マーシャル最高裁長官(マッカロック対メリーランド裁判、1819年): 「この政府は、列挙された権限を持つ政府であることは、誰もが認めるところである。」

ジェームズ・ジャクソン(第1議会議員): 「われわれは憲法に記述された権限に自らを限定しなければならない。憲法を通過した瞬間、われわれは専制的な政府に向かって恣意的な歩みを進めることになる。」

限られた政府という建国者のビジョンはどうなってしまったのだろう?繰り返しになるが、「我々国民」のモラルの崩壊が第一の原因である。ジョン・アダムズ大統領は正鵠を射ている: 「われわれの憲法は、道徳的で宗教的な国民のためだけに作られた。それは、他のいかなる国の政府にとっても、まったく不十分なものなのだ。」

アダムズ大統領が理解したことは極めて重要である。どんな憲法であれ、たとえ最も崇高な理想や啓蒙的な考えを表現したものであっても、国民がその権威を受け入れるだけの価値を認めず、その厳格さや規則を一貫して受け入れ、支持し、守る決意を欠いているのであれば、価値のない紙切れに過ぎない。

私たちには本来の憲法のような青写真が必要だ。しかし、それ以上に必要なのは、私たちの生命、自由、財産を守るという任務に限定された連邦政府のもとで、私たちが再び自由な国民として生活出来るようにするための道徳的復興なのである。


米国国債発行額推移
今年急増する国債発行

表出する「悪」

2023-12-02 19:12:16 | 社会
昨日のロイターは、「米テキサス州がファイザー提訴、「コロナワクチン有効性の説明に誤り」」を載せた。「米テキサス州のケン・パクストン司法長官は30日、同国製薬大手ファイザー(PFE.N)が開発した新型コロナウイルスワクチンの有効性の説明に偽りがあったとして提訴した。 訴状でパクストン氏は、ファイザーがワクチンを接種した人に「相対的なリスク低減」をもたらすとの理由でワクチンの有効性を95%とする主張は誤解を招いたと指摘した。 同氏はこの主張はわずか2カ月の臨床試験データに基づくもので、ワクチン接種者の「絶対的なリスク低減」を基準にすれば、ワクチンの有効性は0.85%にとどまることを示していると述べた。」、「訴訟はファイザーに対し、同社ワクチンについての虚偽の主張と真実の言論を封じることをやめさせ、消費者を欺くマーケティングから保護するテキサス州の法律に違反したとして、1000万ドル強の罰金を求めている。」。主要メディアがこうした事実を報じるようになった。米国、ドイツでは、ワクチン後遺症に苦しむ人たちが多くの訴訟を起こしている。日本で7回目となるワクチン接種が行われているが、このワクチンは、すでに消失した武漢株に対する抗体しか作らず、免疫を低下させるIgG4抗体を増強させることは、8月時点で東京理科大学村上康文名誉教授が指摘していた。関西テレビは先月30日、「「ヒートショック死」 交通事故死をはるかに上回る 年間約1万7000人が入浴中に急死という推計も 」を報じたが、ワクチン接種後、入浴中に死亡する例は多発している。入浴によるヒートショック死などむしろそう多くはないだろう。昨日の米国ZeroHedgeは、「Watch: UK Health Security Head Admits Use Of Face Masks Was Never "Evidence Based"(注目: フェイスマスクの使用は "エビデンスに基づく "ものではなかったと認める英国医療安全保障省の責任者)」を載せている。昨日の米国主要紙The Wall Street Journalは、「U.S. Sends Israel 2,000-Pound Bunker Buster Bombs for Gaza War(米国はイスラエルに2000ポンドのバンカーバスター爆弾をガザ戦争に送る) After sending massive bombs, artillery shells, U.S. also urges Israel to limit civilian casualties(大規模な爆弾と砲弾を送った後、米国はイスラエルに民間人の犠牲を抑えるよう要請した。)」を載せたが、イスラエルは再びガザへの攻撃を開始し、開始後すでに100人以上の犠牲者を出している。トルコのアナドル通信AAは、昨日、「 AA kameramanı Muntasır es-Savvaf, İsrail hava saldırısında hayatını kaybetti(AAのカメラマン、ムンタシール・アル=サワフがイスラエルの空爆で死亡) AA'nın Gazze'de görev yapan kameramanı Muntasır es-Savvaf, İsrail hava saldırısında hayatını kaybetti.(ガザで活動中のAAカメラマン、ムンタシール・アル=サワフがイスラエルの空爆で死亡した)」を載せた。これで、イスラエルの攻撃で、活動中のジャーナリスト72人が亡くなったことになる。イスラエルが武器を入手すれば、多くの民間人が犠牲になって来た。それを知りながら、米国はイスラエルに武器を提供し続けている。今日のZeroHedgeは「Israel Pounds Southern Gaza As Officials Say 'Long War' Expected For A Year Or More(イスラエル、ガザ南部を砲撃 1年以上の長期戦が予想されると当局が発表)」を載せている。ガザの民間人の犠牲は増え続ける。それを周辺のアラブ諸国が黙認するだろうか。昨日の韓国The Hankyorehは、「[特派員コラム]米国の指導者たちがますます率直になるわけは」を題する日本のメディアでは決して報じない内容を載せている。以下、その全文を載せる。

帝国の特性の一つは余裕である。帝国にとって、威厳と寛容はコインの裏表の関係にある。中国の王朝は朝貢貿易で従属国が捧げるものより多く施したりもした。冷戦時代、ソ連は自国より豊かな東欧諸国を無償で支援した。実際には(それらの国々から)取り上げるものが多くても、寛大で気前が良い姿を見せるのが帝国の治世方式の一つだった。

 ところが、米国では最近、そのような姿があまり見られない。追い込まれると本音が飛び出すように、偽善を取り除いた発言も多くなっている。ジョー・バイデン大統領は10月19日の演説で、ウクライナへの追加支援が米国の雇用を作り出すと述べた。ジェームズ・オブライエン国務次官補は11月8日、上院外交委員会の聴聞会で、兵器の在庫をウクライナに渡せば、米国の兵器庫を新しく効率性の高い兵器で満たすことができるため、ウクライナへの支援額のほとんどが米国に対する投資だと答弁した。ホワイトハウスは、兵器工場がある州別に予算がどれだけ回るかを示す地図まで作った。税金の無駄遣いと批判する共和党議員に「愚か者たちよ! そのお金は結局、あなたたちの選挙区に戻ってくるのだ」と反論しているわけだ。

 これはウクライナの自由を守るための「崇高な」支援の裏に、冷静な計算があることを示す場面でもある。ロビイストたちが先を争ってウクライナ政府のために無料ロビーを買って出る奇妙な状況も、一方的な支援という主張が近視眼的であることを示している。お金は結局、米国の軍需企業の懐に入るため、ロビイストたちはそこで自分の分け前を確保すれば良いのだ。軍産複合体の営業秘密を打ち明けるような異例の説明は、米国が隠してきた真実をもはや内外に明らかにせざるを得ない境遇になったことを現わしている。そうでもしなければ、有権者を説得できない。

 米国が先頭に立って築いてきた自由貿易秩序を自ら傷つけているのも、このような態度転換の一形態である。「サプライチェーンの安定」は結局、中国の浮上を阻止するという意味だ。米国にとっては、学年順位1位の生徒がほかの生徒にノートを貸して問題の解き方を教えたところ、自分の座を狙うほど勉強が上手になったのと同じようなものだ。だから、雅量と余裕が消えたのだ。

 バイデン大統領はイスラエル軍のガザ地区民間人大量殺害に関しても非情なほど「率直な心境」を打ち明けた。10月25日、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相との共同記者会見中、「パレスチナの民間人が多く死んでいる」という指摘に対し、「確かに罪のない人々が死んでいると思うが、それが戦争を繰り広げる代償だ」と答えた。戦争を起こした側の人は、たとえ罪がなくても代償を払わなければならないという話に聞こえる。

 米国の影響力の減退と中国の浮上は、米国をさらに焦らせ、率直にさせるだろう。韓国などの同盟にも何かを差し出すように督促が続くだろう。ドナルド・トランプはこの雰囲気を巧みに利用して大統領になった。トランプほど嘘が上手な人もあまりいないが、逆説的に彼はあまり本音を隠さない。生涯を欲望に素直で忠実だったトランプは、大衆の率直な不満、危機感、コンプレックスを「アメリカファースト」のスローガンにまとめることに成功した。率直さが彼の成功の秘訣だというのは言い過ぎだろうか。

 国家であれ個人であれ、余裕と体面を捨てると、強情できつくなる。米国はバイデンが再選すれば緩やかなスピードで、トランプが再選すればより速いスピードでそうなるかもしれない。


ピラカンサス

「誰も米国債を欲しがらない」

2023-12-01 19:17:21 | 社会
今日は朝も日中もわずかだが雪がちらついた。出勤時、職場のエレベータの中で、初めて釜石へ来たと言う人が、今日は雪で大変だと言った。釜石は雪が降ってもあまり積もらないので大丈夫ですよ、安心させてあげた。今日もまだ夏タイヤで、週末にタイヤを替える予定だ。雪は積もらなくとも、溶けた雪で朝晩は路面が凍る。 今朝の車の中のTVで、中国でマイコプラズマ肺炎やインフルエンザなどの感染症が3倍に増えたと大袈裟に報じていた。今年の2つの期間を比較したもので、例年中国では感染症がどうだったのかは示されていない。29日の米国Insider Paperは、「Mysterious child pneumonia cases rise in Europe as COVID-like surge continues in China: report(中国で新型コロナウイルス感染症のような急増が続く中、欧州でも謎の小児肺炎症例が増加:報告)」を報じている。中国はコロナワクチンが異なるので、詳細は不明だが、日本や欧米はmRNAワクチンを接種しており、それが免疫低下を引き起こすため、様々な感染症が増加するのは当然だ。帯状疱疹の異常な増加も同じだ。日本にはたくさんのmRNAワクチン製造工場が作られているので、今後も多くの感染症のワクチンがmRNAワクチンに置き換えられて行くだろう。現在、WHOのパンデミック条約を、メキシコ、フィリピン、エストニア、スロバキア、ニュージーランドが拒否している。日本は条約を推進することを表明しており、mRNAワクチン工場もたくさんあるため、今後、WHOの指示で、多くの感染症の置き換えられたmRNAワクチンの接種が義務付けられて行くことになる。米国国防省系メディアPOLITICOは、28日、 ‘We’re taking it out of hide’: Pentagon says it has no money for Middle East buildup(「秘密裏に搾り出している」: 国防総省、中東増強のための予算はないと発表) Under the temporary budget, funding is frozen at the previous year’s levels.(臨時予算では、資金は前年度の水準で凍結される。)」を報じた。米国はウクライナとイスラエルを支持しており、そのため本来は両国へ資金支援したい。しかし、政府財政が厳しい。日本は米国のATM化しており、日本とは直接は関係のないウクライナに対して、世界銀行がウクライナに融資する12億ドル(約1772億円)の保証を行っている。財政の厳しい米国に代わって保証する。これは実質的に日本が返済すると言うことになる。ウクライナはすでに財政破綻国家だ。28日の米国MSNは、「UAE officially stops using dollar for oil trades UAE(石油取引でのドル使用を正式に停止)」を報じた。UAEアラブ首長国連邦は、サウジアラビアと共に中東の貴重な親米国家であった。しかし、今年、BRICS正式加盟が決まり、米国ではなくBRICSを選んだ。そして今回のドル離れだ。29日、米国を拠点として世界に拠点を置く、ニュースメディアSemaforは、「Nobody wants U.S. Treasury bonds(誰も米国債を欲しがらない)」を報じた。記事はウォール・ストリート・ジャーナル紙に勤務したSemaforのビジネス・金融担当編集者、リズ・ホフマンLiz Hoffmanが書いている。

情況

誰も米国債を欲しがらない。

かつては米国の経済力の象徴であり、世界的な貨幣として受け入れられていた米国債は、納税者、投資家、金融市場に深刻な影響を及ぼし、大きく人気を失っている。

供給過剰と需要不足という経済の原動力が衝突し、米国債は南北戦争以来最悪の伸びを見せた。政府は財政赤字を補填するために借金を続けているが、かつては信頼出来た国債の買い手は国内外を問わず手を引いている。

その結果だ: その結果、投資家は2007年以来最も高い利回りを要求している。かつては日常的に行われていた新規国債の入札は、今ではひどい状況になっている。そして債券ポートフォリオは大打撃を受けている。最長期限の国債は、ドットコム不況よりもひどく、2008年とほぼ同じ弱気相場に入っている。

政府は予想以上の借り入れを行い、国債の供給を増やし、その価値を下げている。一方、連邦準備制度理事会(FRB)は保有する国債を売却し、国債を欲していない市場にさらに国債を投棄している。

ゴールドマン・サックスのジム・エスポジートは先週、「6ヶ月前と比べると、需要はかなり減っている。利回り5%以上の6ヶ月物国債が買える。利回り4¾%の長期債の代わりに、なぜそれを買わないのか?」と語った。

すでに米国の経済生産の2.5%が既存の債務の返済に充てられており、この数字は2030年までに4%に達すると予想するアナリストもいる。すでに巨額の赤字を垂れ流している財務省が、CHIPS法や学生ローン免除のような野心的な支出プログラムとともに利息を支払うには、借金を続けるしかない。

しかし、誰から?

かつては信頼できる国債の買い手だった中国と日本は、自国の通貨安を支えるために米国債を売却している。10年前は米国債の22%以上を保有していたが、現在は7%だ。

みずほ証券のチーフ・エコノミストであるスティーブ・リッキートは、ウクライナ戦争が東欧の買い手の需要を減退させていると指摘する。米国の原油生産が増加していることは、国債市場を通じて再投資される中東の石油資本が減少していることを意味する。

米国の銀行もまた、投資を控えている。

パンデミック(世界的大流行)の最中、銀行は新規預金を国債に大量に預けた。貸出需要は少なかった。現在、預金過剰は緩和され、企業は再び借り入れを行っている。

さらに、この春にシリコンバレー銀行を破綻させたのと同じように、多くの企業が国債のペーパーロス(含み損)を抱えており、さらに積み増すことに消極的だ。1320億ドルの含み損を抱えるバンク・オブ・アメリカは、今年に入り国債の半分を売却した。

リズの見解

多くの投資家は、国債を投資としてではなく、代替通貨として、金融市場内で使われるチャック・イ・チーズ・コインのようなものとして所有している。国債は現金と同じように使えると思われていた。

しかしここ数年、国債は試され、失敗した。

市場は2019年秋に一時的にブレイクし、その半年後のパンデミック初期に再びブレイクした。イングランド銀行が介入を余儀なくされた英国の年金基金におけるほぼ悲惨な危機の背後には、英国国債があった。

シリコンバレー銀行の破綻を引き起こしたのは、910億ドルの米国債の山だった。大手銀行は地方銀行の危機を、国債が儲からないだけでなく、安全でさえないことの証明と受け止めた。

財務省市場は世界で最も深く、流動性が高いはずであり、その円滑な機能は他の市場に深刻な影響を与える。例えば、3月初めに国債の乱高下に巻き込まれた(しかもレバレッジが大きい)ヘッジファンドは、売れるものは何でも売り、株の暴落を招いた。セーフ・ヘイブンは安全でなければ機能しない。

見解の相違の余地

リッキートは、市場を活気づける新たな国債需要源があると言う。ハイテク企業は大量の現金を抱え込んでいるし、中国の貿易黒字は公式発表の数字よりも3000億ドルも大きいと考える専門家もいる。

(ドイツの)バント市場や(イギリスの)ギルト市場に再投資していないのは明らかだ。

FRBが2%のインフレ目標を達成するのか、それとも3%に近づいて静かに終了するのかをめぐる議論である。

注目すべき記事
もちろん、債券暴落の後始末をするヘッジファンドもいる。- ブルームバーグ
米ハイテク大手は、金利上昇に伴い国債を数十億ドル売り越した。- ユーロファイナンス


巨大な下落
米国債暴落の過去の弱気相場との比較
青(現在)、緑(200年ドットコムバブル崩壊時)、黄(2008年リーマン・ショック時)の米国債下落