釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

行き詰まって来ている日本銀行

2016-09-30 19:22:14 | 経済
中央銀行の役割は通貨を発行することを通じて、国の経済の安定を図ることにある。現在の日本銀行は国債の買い入れと株の購入を行っており、いずれも市場に介入してしまっている。結果的に自由市場に介入することで、国債の価格と株価を支えている。9月20日付の日本銀行の営業毎旬報告によれば、国債は392兆円を保有しており、株式や不動産へは11兆円が投じられている。日本銀行の総資産は452兆円であり、資産の89%を国債と株式・不動産が占める。これほど異常な構成を行わなければならない理由は何か。デフレからの脱却を掲げたアベノミクスのためと言うのが表向きの理由だが、アベノミクス自体は何ら成果を上げておらず、失敗は明らかである。対前年比2%のインフレ目標も程遠い。経済成長もほぼゼロ成長である。日本銀行が国債を買い取ることにも限界がある。株式や不動産についても同様だ。これまでの異常な市場への介入をいつか止めざるを得ない。市場もそのことを理解している。いつの日か日本銀行が介入を止めた時点で、国債価格や株価・不動産価格が急落する。国債の場合、価格が急落することは利率が急上昇することを意味する。急激な利率の上昇はいわゆるハイパーインフレとなる。しかも、日本銀行が抱える損失は巨大なものになってしまう。こうした傾向は日本に限らず、米国も欧州も同じである。いずれも「金融緩和」の名で、中央銀行が国債を買い取り、資金供給を市場に対して行っているが、一向に経済は好転しない。世界の基軸通貨であったドルへの不安を打ち消すために、米国は日欧に金融緩和を要請し、なお、自国の金利を上昇させることで世界の資金を米国に向けようとしている。しかし、金利が上がれば経済にブレーキをかけることにもなるため、ためらいがある。経済がさほど好転しているわけではない。対米従属の日本は米国に請われるままに金融緩和を行っているが、政府債務が巨大な日本の場合は欧米と異なり、国債の信用を失いかねない。一たび、国債への不信が生まれれば、国債の大暴落につながる。その時、金利は大暴騰する。凄まじいインフレが到来しかねない。ある意味では財務省はむしろそれを望んでいるとも思える。ハイパーインフレは政府債務を実質ゼロにすることが可能だ。むろん、日本経済は大混乱に陥る。百円で買えたものが、1万円にも10万円にもなる可能性がある。政府債務を消費税で賄うには限界があるため、最後は禁じ手のハイパーインフレに頼るしかないのかも知れない。しかし、そこから立ち直るにも今の日本には基礎体力すらないのが実情だろう。保護された産業しかない現状は体力に余力がない。
芳香を漂わせていた金木犀

不順な天候が続く

2016-09-29 19:12:46 | 自然
今年の釜石は夏から現在まで、まるで梅雨が続いているかのようだ。夏らしい夏が短く、秋に変わっても、不安定な天候が続いている。まだ内陸の方が日射しの出る日が多いようだ。予報では9月も暑さが残るとされていたが、釜石は例外だ。山背も関係しているのかも知れない。今日も小雨が続き、すっきりとした秋晴れの空をなかなか見ることが出来ない。そんな日が続く中で、昨夜は娘と夜道を歩いたが、都会で暮らす娘には釜石の夜の空気は清々しく、聴こえて来る虫の音にも感動を覚えたようだ。住宅街にあっても自然をすぐそばに感じられる。この自然の光景もとても気に入っているようだ。娘が釜石に来ると必ず産直でバッケ味噌を買う。フキノトウで作られた味噌だ。毎晩のようにご飯にのせて食べている。産直では地場産の野菜や果物が安く売られており、子どもたちの大のお気に入りだ。りんごやブドウ、梨などの果物も並んでいる。内陸の山際の丘陵地で果物がたくさん作られている。そんな丘陵地を車でゆっくり走るのが好きなようだ。都会とは違って、時間に追われず、新鮮な空気の流れる風景を存分に楽しむことが出来る。時々目に入る野火の煙ものどかさを増してくれる。ただ残念なのはやはり岩手でもキノコや野生動物に放射性物質が集積されていることだ。地場産の松茸なども食べたいところだが、原則販売がいまだに禁止されている。シーズンに入ったサンマもその点は気になるが、とりあえずは販売されているので、先日も大船渡で水揚げされたサンマを食べた。三陸沿岸のサンマはとても美味しい。ここのサンマを食べると、他地のものはとても食べられない。三陸のサンマであれば毎日でも食べたくなる。経済や社会は常に変化し、発展して行くが、三陸には変わらない自然がまだまだたくさんある。震災後、復興と言う名で、市街地にもたくさんの建築物が建てられ、自動車道の工事も促進され、他府県からは多くの人がやって来ている。毎朝必ずダンプが何台も走るのを見る。確かに市街地はこの三陸でも変化しているが、その周辺には山があり、そばには海もある。それらは大きくは変わらない。自動車道のために何箇所にもトンネルが掘られている山ではあるが。そんな山でも毎晩鹿が鳴いている。天候が良ければ、まさにその自然をさらに気持ち良く感じられるのだが。
庭の大文字草

子どもの貧困の社会的損失

2016-09-27 19:12:52 | 社会
経済の低迷が長期化すると、現在のような経済システム下では格差はますます拡大する。その影響が最終的には「子どもの貧困」を増大させることにつながる。少子化が進む中で、子どもたちがさらに貧困にさらされる。江戸幕府を倒した明治政府は列強に速やかに追いつくために、教育を重視した。諸外国から優秀な人材を教師として迎え、若い世代を育てた。戦後の高度経済成長期を過ぎると、教育が軽視され、教育現場での教師の個性や自由は締め付けられ、教育・研究に関わる費用が大きく削られて行った。そうした中で、貧困にある子どもたちは一層の教育機会を奪われて行っている。子どもはその国の貴重な財産である。国の未来は子どもにかかっている。にもかかわらず今の日本は子どもを大切にしない。元経済産業省官僚で、現在経済産業研究所副主任研究員である小林庸平氏は国の投資の観点から子どもの貧困問題を分析され、現在、子どもの貧困を放置することは国にとって社会的損失を、所得で-42.9兆円、税・社会保障の財政収入で-15.9兆円を生み出すことを明らかにされている。社会的損失を経済的な側面から試算されているが、子供にはこうした経済的な面だけでなく、様々な能力が潜在しており、その可能性を失わせることにもなる。本来、豊かな経済大国であれば、生活の基本となる教育などは大学まで無料化されていて、然るべきである。希望し、努力する子どもには開放すべきである。それによって悪しき貧困の連鎖からも開放される。現状の格差社会では、一度貧困に陥った子どもたちはそこから抜け出すことは奇跡に近いものになるだろう。子どもたちや若者が持てる能力を十分に出し切れる社会こそがこれからの日本を立て直す唯一の道だろう。しかし、残念ながら、今の為政者は国の根幹となる子どもたちのことより、懐古趣味と利権にしか興味がないようだ。問題が山積みする日本で、それらに正面から取り組む為政者がいないこと自体が、これからの日本を暗示しているのかも知れない。「賢明な」官僚たちも、それゆえにもはやリセット以外には選択肢がない、と考えているのかも知れない。
バラの園

ずさんなままの原発行政

2016-09-26 19:16:31 | 社会
東京電力福島第一原発自体もまだまだ「アンダーコントロール」下にはなく、台風で放射性物質による汚染水が流れ出している。福島県で除染された土もプラスチック製の袋に入れられ、海岸近くに山積みされているのが、外国人のドローンで撮影された映像がYutube(Nuclear Waste: Drone buzzes Fukushima temporary storage facility)で流されている。昨日の毎日新聞は福島第1原発周辺の飲料用や農業用の大規模ダムの底に放射性セシウムが濃縮され、高濃度でたまり続けていることを伝えている。除染されない東京都でも今だに放射性物質は残っており、文部科学省が公表した数値では2011年3~6月の放射性セシウムの月間降下物総量は「新宿が盛岡の6倍」、放射性ヨウ素の月間降下物総量は「新宿が盛岡の100倍超」だと言う。環境エネルギー政策研究所の『自然エネルギー白書2015』によれば、2014年に世界で導入された発電設備の60%が自然エネルギー設備であった。全原発が運転停止されていた2年間も電力は十分供給されていた。ドイツは無論、フランスも原子力からの離脱を図っている。当初の計画では建設費が5900億円であった高速増殖炉「もんじゅ」は累積1兆810億円を要し、ついには廃炉となることになった。にもかかわらず、政府は相変わらず今後も核燃料サイクルを維持し、新たな増殖炉をフランスと共同研究すると言う。日本の原発政策の問題は福島第一原発事故の反省が考慮されないまま再稼働が続けられ、際限のない核燃料サイクルを押し進めていることだ。今後福島県のみならず、東日本では放射性物質による内部被曝で、癌の発生は増加して行くだろう。再稼働ありきで、いい加減な基準でそれを許可する姿勢からは再び原発事故を起こす可能性が高まっているとしか思えない。しかも、事故で放出した放射性物質の影響を無視しているところから、今後も多くの犠牲者を出して行くことだろう。国土や国民を犠牲にしても潜在的な核兵器を保持したい人々は、半数以上の国民が再稼働に反対しようと、何ら関係なく、原発行政を進める。今や政治家の多くが私服を肥やすための道具として、原発推進にしがみついている。悪臭を放つ腐敗政治家の跋扈する時代になってしまった。
バラ

地方のささやかな生活

2016-09-23 19:10:05 | 文化
ここしばらく釜石では梅雨時のような日が続いている。先日1日だけ晴れたが、夕方からはまた小雨模様に戻ってしまった。まさに秋雨と言った感じだ。日によっては肌寒くさえ感じられる。職場の事情で転居を余儀なくされ、とりあえずは転居したもののまだまだ片付けが残っており、落ち着かない毎日でもある。何よりもネットの回線工事がまだ先なので、毎日のように利用しているネットへの接続に不便を生じている。新築された新居はありがたいが、電気のスイッチの位置やコンセントの位置が悪く、とても住宅を手掛けて来た建設会社とは思えない使い勝手の悪さに閉口もしている。旧居は大きな木があり、毎日小鳥たちがやって来てくれた。しかし、新居には全く木がなく、小鳥たちの声も聴けない。時間をかけて木を育てて行くしかないのだろう。大阪からやって来た子供達の手伝いで随分と助かっている。合間を見ては姉弟で岩手の産直に出かけて、新鮮な野菜や果物を安く買い込んでいる。ドライブを兼ねて、風景も堪能しているようだ。一部ではもう稲刈りが行われ、ハゼに架けられた稲も見受ける。晴れていれば黄金色の稲穂も見られるところなのだが。先日の晴れた日には北上市の浄瑠璃寺の彼岸花を見に出かけたが、例年より遅く、まだ満開にはなっていなかった。境内には萩も咲き、赤とんぼがたくさん飛び、とても秋らしいいい日であった。岩手の良さはこうした彼岸花の群生地であっても、人がほとんど来ておらず、のんびりとその花たちを鑑賞出来ることだ。近くにはコスモスやテッポウユリも咲く。普段は都会生活をしている子供達も心行くまで境内の景色に浸っていた。その後、花巻のバラ園にも行き、ここでもゆっくりとバラの香りに浸り、最後は鉛温泉へ入って、帰宅した。川淵に設けられた露天風呂で、せせらぎの音を聴きながら至福の時間を過ごした。やはり一定年齢になるとこうした地方の生活がとても好ましく思える。つくづく人には自然が癒しになることを考えさせられる。今や日本は大きく変わろうとしているが、地方のささやかな生活だけは変わらないでほしいと思う。
萩と彼岸花

コスモス

テッポウユリ

縄文の「別」

2016-09-21 20:43:54 | 歴史
ここしばらく曇天や雨天が続いていたが、今日は久しぶりに晴れて、もうすっかり秋晴れになってしまった。空には高いすじ雲が流れ、清々しい空気になっている。東北の夏はあっという間に過ぎてしまったようだ。やって来た秋はそれはそれでまたお気に入りの東北の秋ではある。 生まれた四国の愛媛県はかって伊予国と呼ばれた。しかし、古事記では四国を「伊予の二名島」と呼び、「身一つにして面(おも)四つあり」として、「伊豫(いよ)國は愛比賣(えひめと)謂ひ、讃岐(さぬき)國は飯依比古(いいよりひこ)と謂い、粟(あわ)國は大宜都比賣(おおげつひめ)と謂い、土佐(とさ)國は建依別(たけよりわけ)と謂う」と書かれてある。古田武彦氏は『盗まれた神話』の中で、伊予国よりも愛比賣が古いとされ、愛媛の最も古い名が「愛比賣(えひめ)」だとの考えを明らかにされている。この古事記のいわゆる「国産み神話」で語られた場面は伊邪那岐(いざなぎ)命と伊邪那美(いざなみ)命による国産みであった。すなわち、天照(あまてらす)の登場以前である。天照は弥生の金属器を持つ指導者で、孫に北部九州の稲作地帯を侵略させた。天孫降臨である。従って、伊邪那岐命の時代は縄文時代になる。縄文時代の地域の指導者は「比賣」、「比古」、「別」の名を持つ。戦後、古事記の「神代」は津田左右吉の説に従って、後代の創作とされて来た。しかし、古田武彦氏は古事記の「神代」のみに頻出する書名のない「一書」から他の史書から引用されたもので、史実の可能性があるとされた。他の史書とは九州王朝に残されていた史書である。古事記の編纂時に滅亡していた九州王朝の史書を利用したのである。縄文時代は狩猟と植物採取の原始的な時代とされていたが、三内丸山遺跡に見るように、統治された巨大な集落がすでに存在していた。しかも植物の栽培が計画的に行われていたことも明らかとなった。そんな時代の指導者に「比賣」や「比古」、「別」の名が付けられていた。岩手に来てから、紫波町に「志賀理和氣神社」があることに惹かれていた。宮城県にも亘理町の鹿島天足和気神社、石巻市の伊去波夜和気命神社があり、福島県にも宇奈己呂和気神社などがある。すべてではないだろうが、縄文時代につながる神々である可能性があるだろう。
北上市浄瑠璃寺の彼岸花の群生

量子テレポーテーション

2016-09-20 19:12:39 | 科学
自然界に存在する物質は、人体も含めて原子から構成させているが、その原子はさらに原子核とその周りにある電子から成る。また原子核は中性子と陽子からなる。そして中性子や陽子は物質を構成する最小単位である粒子で構成される。粒子は現在17種類が発見されている。粒子と波の性質を持ったものを量子と名付けられている。量子の世界では我々の日常生活で見られるニュートンの力学は通用せず、量子力学と言う理論が適用される。光の粒子である光子も素粒子の一つで、一つの光子を特殊な方法で分裂させると、二つの光子が生まれるが、その二つは互いに「絡み合い」の状態になっていて、一つが変化すると、他も同時に変化してしまう。この性質を利用して考えられたのが、量子テレポーテーションと言われるもので、遠隔地に情報を瞬時に伝達出来る。分裂させた二つの光子を互いに離れたところへ置いて、一方を変化させると他方も変化する。それによって情報が伝えらる。実際には両方の光子はそれぞれ相反する二つの性質を持っていて、「観察」されると一方の性質に決まり、遠隔の光子も他の性質に決まってしまうと言うことのようだ。この量子テレポーテーションにより、理論的には人のテレポートも可能だ。ただ人を含めて物質の場合は本体のコピーが遠隔地に出現し、本体は消滅する形になると言う。共同通信によれば、昨日付けの科学誌電子版に、カナダと中国の研究チームが量子テレポーテーションを使って、6Km離れたところに情報を瞬時に伝達することに成功したことが発表された。これまで室内での量子テレポーテーションは成功していたが、環境が変化する室外での成功は初めてだ。今後驚異的な速さと安全性を備えた超高速インターネットが出現する可能性がある。これまでもオランダのデルフト工科大学や東京大学が量子テレポーテーションの成功率を100%にするための実験に取り組んで来ていた。光の粒子である光子は途中に物質があると伝達が妨げられる。光ファイバーのようなものを使った伝達方式に限定される。とは言え、実現すれば、インターネットやコンピュータの世界は激変する可能性がある。量子コンピュータが現れると、人工知能の開発は驚くべきものになる可能性がある。学習機能が早く精緻になるため、人間以上の知能を持つ可能性が出て来る。感情の世界にまで踏み込んで来る可能性までもあるだろう。科学の発展は研究者が意図しなかった結果をしばしばもたらす。
木立朝鮮朝顔

続く放射線汚染

2016-09-16 19:12:32 | 社会
9月14日に発表された福島県民調査報告書では小児甲状腺癌及び疑いが174人となった。これまでに手術を終えた136人のうち良性だったのはわずか1名しかいない。今月初め、長崎大学の原爆後障害医療研究所の高村昇教授らは英国の医学専門誌に「福島県内ではチェルノブイリのような放射線被ばくによる小児甲状腺がんの増加は考えにくい」とする論文を発表している。1986年のチェルノブイリ原発事故では、甲状腺癌の発症が、事故当時0~5歳だった世代で事故4年後以降に顕著に増加したが、福島県では悪性か悪性の疑いと診断された116人はいずれも事故当時、6歳以上の子どもだった、としてチェルノブイリとは発症年齢が異なることを根拠に放射線被曝ではないとしている。福島の小児甲状腺癌が被曝によるものではないとするのは福島県立医大と同じ立場である。福島県立医大の副学長は長崎大学から移籍した人であるから、両大学が同じ立場に立つのも理解できる。しかし、先の論文の結論は素人が考えても明らかに飛躍があるだろう。発症年齢の違いは放射線被曝を直接否定する論拠にはなり得ない。10万人に一人と言われる小児甲状腺癌が何故福島であれほど多く見られているのか、何ら説明がない。福島県で行っているような大規模な検査は前例がないため、放射線と関連付けることは出来ないとしている。大規模な検査は確かに少しは患者数の増加をもたらすだろうが、これほど多くの患者になるには、それだけでは説明しきれない。最初から放射線被曝を否定する立場の人たちによる検査報告であり、資料も全てが公表されてはいない。食品の放射線測定を行っているホワイトフードWHITE FOODは東京都の放射線による土壌汚染を測定し、HPで結果を発表している。それによれば、今なお葛飾区、江戸川区、新宿区、世田谷区、文京区の土壌から、放射性セシウム134と137の合計が500Bq/kgを超えた放射線汚染が確認されている。葛飾区では2048.3Bq/kgにもなる。釜石ではこれから松茸のシーズンになるが、今年も取れた松茸は販売が禁止されている。増え過ぎて駆除された鹿の肉も同じく販売禁止である。やはり放射線が基準以上に検出されているからだ。メディアはこうした事実をほとんど報じないため、あたかも放射線はもう問題ないレベルになっているように誤解を招いている。近隣のスーパーなどでは、それでも福島産の桃などは敬遠されるためか、他県産のものより安く売られている。
合歓の木の花

最古層の岩手の地質

2016-09-13 19:19:31 | 科学
今年は珍しく台風が岩手にも被害をもたらしたが、その台風が過ぎると、すっかり秋めいて来た。今日は雨のせいもあって、最高気温は21度であった。引越しのために手伝いに来ている子供たちは、夜など寒くて長袖が欲しい、と言っている。やはり大阪の気温に慣れていると、そんな感覚なのかも知れない。小雨の降る中を今日もアザミの咲く職場の裏山にはシジュウカラとメジロの群れが一緒に来ていた。 地球上には19億年前のヌーナ大陸(ローレンシア大陸とも)に始まる超大陸が何度か出現した。2億5000万年前頃、古生代ペルム紀の終わりにローレンシア大陸、バルティカ大陸、ゴンドワナ大陸、シベリア大陸などすべての大陸が次々と衝突して超大陸パンゲア大陸が誕生した。岩手県の地質は日本でも最古となる地層を基盤としている上に、先シルル紀(約4億3800万年以前)、シルル紀以降の古生代(約4億3800万年~2億4800万年前)、中生代(約2億4800万年~6500万年前)、新生代(6500万年前~現在)のすべての地質時代を観察出来る。岩手の第2峰である早池峰山を含む早池峰構造帯を境に南北に地層が分かれる。北には約2億130万年前〜約1億4500万年前のジュラ紀の地層である安家-田野畑帯と葛巻-釜石帯、根田茂帯があり、南には約4億3730万から始まる先シルル紀の地層である南部北上帯がある。超大陸パンゲアは中生代三畳紀の2億年前頃から、再び分裂を始めている。恐竜が生息していたのは約2億5217万年前から約6600万年前までのほぼ中生代にあたる。1978年、岩泉町から、竜脚類の上腕骨の部分骨が発見された。日本で最初に恐竜の骨が発見された。琥珀で有名な岩手最北の久慈市は中生代白亜紀後期(9900万~6600万年前)と言うまさに恐竜が生きていた時代の地質である。南部北上山地は古生代から中生代の三畳紀やジュラ紀まで浅い暖かい海であったため、サンゴ、フズリナ、三葉虫や腕足類などの化石が見られる。北部北上山地は深い海であったために化石に乏しい。ジュラ紀から白亜紀初期(2億130万年前~1億4000万年前)にかけて大規模な造山運動が起こり、北上山地の原型が出来ている。日本列島は2300万年前にユーラシア大陸の東沿から分離し始めたが、それまで長い間ユーラシア大陸の東縁に接する海底であった。したがって、列島の高い山からも海生生物の化石が見つけられている。地球では超大陸が形成されては分裂を繰り返えされて来た。それらはプレートの動きによる。そして現在もまた北米大陸とオーストラリア大陸はユーラシア大陸に向けて移動しており、いずれは再び超大陸が形成されると考えられている。
まだ咲いていた近所の紫陽花

異次元の金融緩和の行き着く先

2016-09-12 19:12:41 | 経済
日本は1968年に世界第2位の経済大国になり、2010年に中国に追い越され、第3位となった。国・地方自治体・社会保障基金を含む一般政府債務は20年前の1996年には523.7兆円であったが、現在はその倍以上の1262.6兆円にもなっている。この20年はGDP(国内総生産)はほぼ横ばいで、そのため税収は伸びず、借金を重ねて来た。今後も少子高齢化と産業構造の変革がないため、GDPが大きく伸びることは期待出来ない。本年1月29日、日本銀行が決定したマイナス金利政策は貸し出し金利の低下による設備投資や住宅ローンの増加を目論んだが、一部に住宅ローンの増加を認めるのみで、思うような結果を得られていない。そればかりか、マイナス金利は市中銀行や保険会社の経営を圧迫し、むしろ政策の見直しが迫られている。今月行われる日本銀行の政策決定会合が注目されている。マスメディアは一切報じないが、明らかにアベノミクスは失敗であり、異次元の金融緩和はかえって日本の国債の価格の暴落に向かって拍車をかけている。2008年のリーマンショックを予測したニューヨーク大学のヌリエル・ルービニNouriel Roubini教授は「日本の財政が危うくなるとすれば、日銀の緩和政策解除や2%物価目標達成を引き金に国債の大量売却が誘発されるときかもしれない」と昨年末語ったことをロイター通信が伝えている。現在、日本銀行は日本国債の価格低下を防ぐために、ほぼ新規発行の国債を全て買い取っている。この買取をやめれば、国債価格が暴落する可能性が大きいのだ。かと言って、いつまでも日本銀行はこの買取を続けるわけにはいかない。日本銀行の負の会計を増大し続けることが出来ないからだ。また日本銀行は株の購入により、株価も支えている。国債や株の中央銀行による買支え自体がすでに資本主義市場のあり方を歪めている。そこまでしなければならないほどに日本の経済は傾きかけている。いつか日本銀行も買支えを止めざるを得ない。その時、支えを失った日本経済は崩壊に向かわざるを得ない。にもかかわらず、現政権はそんな日本の状況を知らないかのごとく財源の根拠もなく来年度予算も拡大させている。財源の根拠がなく拡大することは、さらに借金を増やすことを意味する。ここまで膨らんだ借金であれば、今更借金を増額しても差がないと考えているのだろうか。国債が暴落すれば、金利が急上昇し、超インフレとなり、円は急落する。場合によっては預金封鎖も行われるだろう。富裕層や大企業は海外へ資産をすでに移しているだろう。しかし、大半の国民はただその結果を受け入れるのみとなる。第三世界のような生活が待ち受けている。ほとんどのメディアはこうした日本経済の実態を報じない。日本には国の債務に匹敵する民間資産があるため、国としてデフォルト、債務不履行はあり得ない、とする人もいるが、そうであっても、国民の資産は全て失われる。年金や他の社会保障も悲惨な状態になるだろう。まさに「赤信号、みんなで渡れば怖くない」を地で行っているようだ。
凌霄花(ノウゼンカズラ)