釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

ずさんなままの原発行政

2016-09-26 19:16:31 | 社会
東京電力福島第一原発自体もまだまだ「アンダーコントロール」下にはなく、台風で放射性物質による汚染水が流れ出している。福島県で除染された土もプラスチック製の袋に入れられ、海岸近くに山積みされているのが、外国人のドローンで撮影された映像がYutube(Nuclear Waste: Drone buzzes Fukushima temporary storage facility)で流されている。昨日の毎日新聞は福島第1原発周辺の飲料用や農業用の大規模ダムの底に放射性セシウムが濃縮され、高濃度でたまり続けていることを伝えている。除染されない東京都でも今だに放射性物質は残っており、文部科学省が公表した数値では2011年3~6月の放射性セシウムの月間降下物総量は「新宿が盛岡の6倍」、放射性ヨウ素の月間降下物総量は「新宿が盛岡の100倍超」だと言う。環境エネルギー政策研究所の『自然エネルギー白書2015』によれば、2014年に世界で導入された発電設備の60%が自然エネルギー設備であった。全原発が運転停止されていた2年間も電力は十分供給されていた。ドイツは無論、フランスも原子力からの離脱を図っている。当初の計画では建設費が5900億円であった高速増殖炉「もんじゅ」は累積1兆810億円を要し、ついには廃炉となることになった。にもかかわらず、政府は相変わらず今後も核燃料サイクルを維持し、新たな増殖炉をフランスと共同研究すると言う。日本の原発政策の問題は福島第一原発事故の反省が考慮されないまま再稼働が続けられ、際限のない核燃料サイクルを押し進めていることだ。今後福島県のみならず、東日本では放射性物質による内部被曝で、癌の発生は増加して行くだろう。再稼働ありきで、いい加減な基準でそれを許可する姿勢からは再び原発事故を起こす可能性が高まっているとしか思えない。しかも、事故で放出した放射性物質の影響を無視しているところから、今後も多くの犠牲者を出して行くことだろう。国土や国民を犠牲にしても潜在的な核兵器を保持したい人々は、半数以上の国民が再稼働に反対しようと、何ら関係なく、原発行政を進める。今や政治家の多くが私服を肥やすための道具として、原発推進にしがみついている。悪臭を放つ腐敗政治家の跋扈する時代になってしまった。
バラ

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