釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

腸内細菌

2014-11-20 19:15:19 | 科学
今朝は今シーズン初めて氷点下になった。放射冷却だ。車の窓ガラスも氷結が見られた。午前中は青空が大きく広がったが、昼頃より雲が流れるようになり、午後には次第に曇天に変わって行った。10度までに上がって日射しの出ている昼休みに、八幡神社へ行ってみた。本殿への急な石段の横に綺麗な真紅の紅葉が見られた。鳥居の前の道を隔てたところにある紅葉の大樹は日射しを受ける枝先だけは全体に紅く染まっていたが、日射しの影になる内側はまだかなり緑の葉が多い。石段を登って本殿の後ろを見ると竹藪の中にこれも見事な真紅の紅葉が2本並んでいた。しかし、せっかくの見事な紅葉も周りが手入れされていないために、その全体を楽しむことが出来ない。とてもいい紅葉だが残念だ。 人の腸には胎児の段階では細菌はいないが、生まれた後に様々な細菌が腸に棲み着く。腸内細菌と呼ばれるものだ。500種類にもなる細菌だ。おの最近の種類は年齢とともにも変化する。人の身体は60兆個の細胞からなると言われるが、人の腸には100兆個もの細菌がいて重さは1Kgにもなる。糞便の3分の1はこの細菌の死骸なのだと言う。これまで腹痛や下痢、便秘などで腸が不安定であった人は過敏性大腸炎と言われて来たが、これらも含めて、腸内細菌に原因がある病気が次第に明らかにされて来ている。腸管壁浸漏症候群(リーキーガット症候群Leaky Gut Syndrome)と呼ばれる病気が注目されている。腸を守る粘膜が傷つき、細菌や毒素などの有害物質が体内へ入ることで引き起こされる。それは自閉症、多動、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、偏頭痛、下痢、便秘、関節炎、更年期障害、自己免疫疾患、高血圧、肥満、癌などにも関係すると考えられている。子供の1%、世界では7000万人が自閉症だと言われるが、米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、自閉症を持つ子どもに最も多い健康上の訴えは胃腸障害で、自閉症児が慢性的な下痢や便秘を経験する可能性は、健常児より3.5倍以上高い。米国カリフォルニア工科大学、アリゾナ州立大学の最近の研究で腸内細菌が自閉症の一因となる可能性が明らかにされた。自閉症と腸内細菌との関連が着目されたのは1998年米国の医師の子供であった。バンコマイシンと言う抗生物質を飲んだところ、胃腸症状や自閉症状の改善が見られ、飲むのをやめると、再び同じ症状を繰り返した。理化学研究所によれば、成年期から老年期になるに従い、ビフィズス菌が減少し、大腸菌や腸球菌、乳酸菌、腐敗菌の一種であるウェルシュ菌が増加する言う。現代を取り巻く環境は戦後大きく変化し、抗生物質などの医薬品、食品添加物、農薬、飼料添加剤などが直接、間接に腸内へ取り込まれ、腸内細菌の様相が大きく変化している。このことが一見原因のよく分からなかった様々な病気を引き起こしていた可能性が高まって来ているようだ。
八幡神社前の紅葉の大樹

内側はまだ緑が多い

神社の階段横の紅葉

庭の紅葉

2014-11-19 21:11:45 | 経済
今朝は3度で晴れており、雪を冠った愛染山がよく見えた。最高気温は10度ほどで夜には4度まで再び下がって来た。もうストーブがないと寒い。家の庭には3本の紅葉があるが、最初に色付いた木はもう9割の葉が落ちた。2番目の木は黄葉の段階でほとんどが風で散ってしまった。今は最後の1本だけが色付いた葉を見せてくれている。しかし、この木もよく見ると細い枝先の葉がかなり散っている。今年は家の紅葉だけでなく、周辺の山々も紅葉の出揃うのを待たずに多くが風と雨で散った。そのため例年の綺麗な周辺の山の紅葉が見られなかった。家の3本目の紅葉も風に当たりにくい位置の葉は比較的枝先まで葉を残している。日当たりによって同じ木でも紅葉の進みが違っていて、やはり日当たりの良い位置の葉は色づきがいいが、悪い位置の葉はまだ緑のままだ。自然は同じ紅葉でもこうして毎年違った趣を見せる。それがまた楽しみにもなるのだが。
庭の紅葉

景気後退は長期化するだろう

2014-11-18 19:26:44 | 経済
昨日内閣府は7~9月期の実質国内総生産(GDP)の第一次速報値を発表した。市場の多くがプラス2%と予想していたため、発表された前期比で年率マイナス1.6%に衝撃を受け、株価も大きく下がった。内容を見ると全体の約6割を占める個人消費が0.4%増え、設備投資は0.2%減、公共投資は2.2%増、企業在庫の寄与度はマイナス0.6%、外需はプラス0.1%になっている。民間消費、設備投資、民間在庫で予想を下回った。民間消費と設備投資が弱いことは経済の基礎が弱まっている証拠であり、それを見越した企業の在庫減らしてでもある。ここ2年続いて輸出は伸び悩んでおり、円安もあって輸入が大きく伸びている。結局は経済の牽引役が不在なのだ。毎日新聞によれば、アベノミックスを支持して来た全国銀行協会の平野信行会長も「第一の矢、第二の矢は有効に働いた。成長戦略を前に進めることが大事だ」と述べている。第三の矢である成長戦略は現実には何も打ち出されていない。そもそも金融緩和も円安も株価を人為的に上げて、既存の輸出企業を助ける政策であり、成長戦略とは逆向する既存企業の保護政策である。古くから言われて来た政官財のトライアングルで転換を図らなければならない産業構造を温存しようとしているに過ぎない。中国は日本をGDPで追い越したが、その原動力はまさにかっての日本の高度経済成長期と同様に大きく産業構造を転換したからである。欧米や日本がすでに済ませた第一段階の産業構造の転換を今中国が行ったことで、GDPを大きく伸ばした。その中国と同じ産業構造である限り、日本はもはや中国には太刀打ち出来ない。中国には力溢れる労働力が健在だからだ。米国はすでに第二段階の産業構造の転換をやり終えて、日本よりGDPをずっと維持し続けている。情報通信革命や高度サービス産業を成長させたからだ。製造業中心から脱皮している。しかも高度サービス産業を維持するための専門職を多く育成している。しかし、日本は既存の製造業に固執して、そうした専門職の育成をしていない。日本の危機はまさにこの点にあり、今、産業構造の転換に向かわなければ、到底現状すら維持できなくなるだろう。先進国の一員でありながら、産業構造は新興国と同じであれば、人口も多く低賃金の新興国に完全に太刀打ち出来なくなるだろう。産業構造の転換は早期には出来ない。それ故にすでにもう取り掛かっていなければ手遅れになってしまうのだ。真の成長戦略は決して財界には支持されないだろう。既得権益に固執するために。それは財界とも密着した政治家や官僚でも同じことだろう。政治家の劣化する日本でそうした英断が出来る政治家の登場は極めて困難だろう。それがまさに日本の危機なのかも知れない。
駅付近の仮設商店街の紅葉

「民主主義の後退」

2014-11-17 19:17:24 | 社会
今朝は3度まで下がった。午前中は少し日射しもあったが、昼頃から小雨になった。ほんとうにもう日が暮れるのが早くなり、5時にはもう真っ暗になってしまった。釜石は日本の中でも東の端に近いので、どうしても日が暮れるのが早い。暗くなるとますます寒く感じる。街路樹のプラタナスの葉もかなり散っていた。 1989年11月に東西ドイツを分かつ「ベルリンの壁」が崩壊する直前に米国の政治経済学者フランシス・フクヤマジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院教授はナショナル・インタレストに論文「歴史の終わり?」を発表した。さらに1992年には『歴史の終わり』として出版され、世界的なベストセラーとなった。民主主義と自由経済が最も社会的安定をもたらすものであり、それを実現した政治体制を脅かすものはもはや現れない、それ故にその段階で「歴史」は終わる、と言うものだ。米国スタンフォード大学のラリー・ダイアモンドLarry Diamond教授によれば、1974年には「選挙民主主義国家 electoral democracy」と同教授が呼んだ国は35前後しかなく、世界の30%にも満たなかったが、2013年には、その数は約120に増加し、全体の60%以上を占めるようになった。しかし、ダイアモンド教授は『民主主義の精神The Spirit of Democracy: The Struggle to Build Free Societies Throughout the World』の中で2005年以降、世界的な「民主主義の後退 democratic recession」が続いているとする。フクヤマ教授によれば「民主主義国家が生き残り、成功したのは、人々が法の支配や人権、政治の説明責任のために戦うことをいとわなかったために尽きる。そのような社会の実現に欠かせないのは、指導者の能力、組織の能力、そして他ならぬ幸運である。」とする。そして、市場を基盤とした世界経済秩序の出現と民主主義の普及は明らかに関連があり、民主主義は常に広範な中流階級に依存している、としている。米国だけではなく欧州でも日本でも経済格差が広がり、民主主義を支える中流階級が崩壊して来ている。それが「民主主義の後退 」の要因だろう。今年5月、米国の世界の自由を調査しているフリーダムハウスは日本の「報道の自由度」は世界で42位だと発表した。さらに「国境なき記者団」が2月12日に発表した「世界報道の自由度ランキング 2014」では日本は59位だ。民主主義の根幹にあたる政治の説明責任は昨年12月に成立した特定秘密保護法により、日本では葬られてしまった。経済格差が拡大し、中流階級が減少していく日本でも今後ますます民主主義は後退して行くだろう。フクヤマ教授は豊かで財産を持つ市民の数が増えると、国民が豊かになり、教育を受けることで、政府に厳しい要求を突き付けるようになり、国民は税金を払っているのだから、役人の責任を追及する権利がある、と考えるようになると言う。国民からその豊かさが失われている今の日本はすでに民主主義が崩壊し始めたと言ってもいいだろう。それはもうメディアの崩壊に顕著に見られている。
落葉

庭の紅葉

2014-11-16 20:16:36 | 自然
今朝、西を見ると愛染山に雪が積もっていた。気温は7度だ。愛染山の近くの1000m近い山々にも雪があった。日中はは11度まで上がったが、風もあり、雲が多く流れて、日射しもすっきりしなかった。いつもの年であれば市街地を走る国道からでも近くの山の紅葉を眺められるが、今年はかなり散ってしまって、数カ所で部分的な紅葉が見られるだけになった。庭でも最後に残った1本がようやく昨日から今日にかけて色付きが一気に進んだ。枝先には真赤な紅葉が見られるようになった。しかし、その紅葉も見ているうちにも吹いて来る風で落ちて行く。玄関先にはその落ちたまだ紅い葉がたくさん見られる。今年は我が家の庭の紅葉も綺麗に揃った姿が見られそうにないようだ。
庭の紅葉

遠野で雪が降った

2014-11-15 20:39:54 | 自然
今朝は5度で最高気温は8度にしかならなかった。遠野へ向かう釜石道からは近くの山々が雪を冠っているのが見えて来て、雨が雪に変わった。まだ夏タイヤなので心配したが、路面に落ちるとまだ気温が氷点下にはなっていないために、みんな溶けてくれた。秋丸トンネルを抜けると、まさにそこは「雪国」だった。あたり一面が雪で覆われていた。ほんとうに釜石は温かいことが実感出来る。しかし、今年は気象も例年とは違っているようだ。これほど早く平地で雪を見るのは初めてのような気がする。せっかくの紅葉もこれでたくさん散ってしまうだろう。ただ家の紅葉の三本目はこの気温の低下で一気に色付きが進んで来た。と言っても、まだ枝先のところだけで、全体はまだまだ緑に覆われているが。八幡神社の紅葉の大樹に少し追いついて来たようだ。
黄葉と褐葉

紅葉する木々の適応

2014-11-14 19:21:51 | 自然
今朝は6度で、日中も10度までしか上がらなかった。雲が多く流れて風もあるため寒さを感じた。北からの寒気で北海道では多いところで40cmも積もったようだ。盛岡でも雪の降ったところがあるようだ。さすがに釜石のような沿岸部は太平洋の暖流のおかげで内陸部よりは気温が高い。それでも気温がここのところ急に下がってきたので、やはり寒さを感じてしまう。来週にはスタッドレスタイヤに替えておいた方が無難なようだ。 家の庭も昨日行った菅原神社も通り道は紅葉の落ち葉で埋め尽くされてしまった。家の紅葉はゆっくり眺める間もなくかなりが雨と風で落ちてしまった。市街地周辺の小山も落葉した紅葉がかなり見られる。風がなければ綺麗な紅葉が市街地にいても見られるところなのだが。北から流れてくる寒気も落葉を早めているのかも知れない。生まれた四国でも紅葉は見ることが出来るが、東北の紅葉はとても素晴らしい。自然そのものがまったく四国とは異なっている。生態学者であった故吉良竜夫大阪市立大学名誉教授は日本の樹木の種類は水平的森林帯も,垂直的な森林帯も温かさや寒さを表す温量指数によってよく説明出来ることを明らかにした。気温によって分布する樹木が異なってくると言うことだ。樹木は大きく分けて、常緑広葉樹、落葉広葉樹、常緑針葉樹、落葉針葉樹の4つに分けられる。大雑把に言えば北や高地から常緑針葉樹、落葉針葉樹、落葉広葉樹、常緑広葉樹のような順に分布する。植物も長い地球の歴史の中で環境の変化に合わせて、葉のあり方を気温や水分に適応するように変化して来た。東北の気候に適応したのがちょうど秋に紅葉で目を楽しませてくれる落葉広葉樹たちなのだ。人工的に植林されたところ以外では山々にはこうした紅葉する落葉広葉樹たちに溢れているのが東北だ。冬の乾燥期に地下からの水分吸収が少なくなるため、水分や栄養分を極力節約するために葉を自ら切り落とすと言う見事な適応を果たしているのが落葉広葉樹たちだ。葉に含まれる色素の違いで紅葉、黄葉、褐葉と分かれるが、いずれもが樹木本体が生き残るために葉を犠牲にしている。常緑樹も実際には落葉しているが、葉の寿命が落葉樹より長いために常に緑を保てているだけだ。
紅葉と黄葉

経済格差

2014-11-13 19:16:00 | 経済
今朝は10度あったが、午前中に13度になった後は気温が徐々に下がり、夕方には7度までに下がってしまった。風もあり体感的にも寒い。内陸では夕方3度まで下がったようだ。北からの寒気が下がって来たためのようで、明日からしばらくは低い気温が続くようだ。昼には雲がたくさん流れていたが、日射しも時々出ていたので、菅原神社へ行ってみた。神社前の紅葉の大樹は紅く染まってはいたが、風と雨で葉がかなり散ってしまった。少し離れた山の斜面には綺麗な紅葉が見られた。このあたりは茂みを手入れすればとてもいい紅葉の名所になるだろう。とてももったいない紅葉だ。 現在の臨時国会で労働者派遣法改正案が審議に上がったが、与党は早ければ来週中の衆議院解散を検討しており、本法案の成立を断念したようだ。厚生労働省によれば非正規労働者の比率は2003年の30.4%から昨年の2013年には36.7%まで広がった。これに伴い国税庁の調査では年収200万円以下の人の比率も2003年の20.2%から2013年の24.1%へ上昇している。格差が単に広がっているだけではなく、円安による物価上昇や消費税の増税により低所得層ほど実質的な負担率が高くなっている。こうした格差の拡大は日本に限られた話ではなく、先進国で一般的に見られるようになり、その格差の最も大きいのが米国である。経済協力開発機構(OECD)の1975年から2007年の間に世界の収入がOECD加盟18カ国の間でどのように分配されてきたかを示す「The World Top Incomes Database(世界のトップ収入データベース)」によれば、米国のトップ1%の人が税込所得の伸び全体の47%を占めている。しかもこれにはキャピタルゲイン(資産売却益)は含まれていない。トップ10%で見ると80%を占めている。残る20%を90%の人で分け合っている。1981年から2012年にかけて、税込所得全体に占めるトップ1%の富裕層の割合が2倍以上に拡大している。米国では1980年代にロナルド・レーガン大統領によるレーガノミクスReaganomicsと呼ばれた自由主義経済政策に始まる富裕層の保護が大きく寄与している。日本は戦後、世界でも経済的に平等な国と言われたが、実際には、先進国でも同じように格差は少なかった。第一次大戦と第二次大戦という戦争が各国とも統制経済を強いたために、むしろ格差は縮小した。米国ではノーベル賞受賞者のリベラル派経済学者であるポール・クルーグマンPaul Robin Krugmanプリンストン大学教授が2007年にはThe Conscience of a Liberal(リベラルの良心)邦訳『格差はつくられた』が出版され、米国の格差が政治よって作り出されたものだとしている。今年3月これまで名前も知られることがなかったフランスのトマ・ピケティThomas Pikettyパリ経済学校教授の英訳本『Capital in the Twenty-First Century(21世紀の資本論)』が米国で出版されるやたちまちベストセラーとなった。過去300年の膨大な資産や所得のデータをもとに分析したもので、資本収益率は経済成長率よりも大きいために富はより富裕層へ蓄積され、富が公平に分配されないことで格差が生じることを実証した。米国ではポール・クルーグマンやジョセフ・スティグリッツ、ロバート・ソローのようなノーベル賞クラスの経済学者から絶賛を浴び、たちまち講演先ではロック歌手のような人気を博している。無論これには批判的な立場の経済学者や経済誌もあるが、未だに有効な反論を成し得ていない。データがあまりに反論を許さない。来月には邦訳も出るようだがかなりの大著だ。この著書では2100年まで資本収益率が経済成長率をますます上回り続けるとしている。つまり政治が所得の再分配に手をつけなければ、格差は拡大し続けると言うことだ。クリントン政権で財務長官を歴任した元ハーバート大学学長の経済学者ローレンス・ヘンリー・サマーズLawrence Henry Summersは批判的な立場で、資本が蓄積され続けることは「「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウン)する」とする経済理論であるトリクルダウン論を持ち出している。しかし、実際には1980年代以後も格差は拡大していて、決して富が滴り落ちて来ていない現実がある。
菅原神社近くの山の斜面の紅葉

デジタルカメラ時代

2014-11-12 19:15:06 | 文化
朝は曇っていたが、午前中から小雨が降り始めて、そのまま雨が続いている。日が射さないために少し肌寒く感じる。せっかくのこの時期の紅葉も雨でまたさらに葉を落としそうだ。最高気温は13度ほどだったが、週末には気温が下がってくるようで、最低気温が0度の予想になっている。今月も半ばになると岩手では車のタイヤもスタッドレスに変えなければ、遠出は出来なくなってくる。岩手の沿岸部は隣接する市町村へ行くにも山間部を走らざるを得ない。釜石市内であればまだまだスタッドレスは必要ないが、山間部を走るとなるとそう言う訳にもいかなくなる。 現在は携帯やスマートフォンにまで付いているデジタルカメラは1975年に世界で初めて米国のイーストマン・コダック社によって生み出された。しかし、それが店頭に並ぶには15年を要した。日本では一般向けデジタルカメラは1988年に富士フィルムで開発されたが、市販されることはなかった。1990年代から市販品が普及し始め、急速にフィルムカメラに取って代わった。デジタルカメラは内部に小さなパソコンと記録部品を持ち、その二つの開発競争の歴史と言ってもいいだろう。パソコン部分で画像を作り出し、それを記録部品に保存する。パソコン部分は画像エンジンなどとも言われる。記録部品はメディアと通称される。もともとフィルムカメラの時代から世界には多数のカメラメーカーが存在していたが、精密機械の製造に優れた技術を発揮した日本が瞬く間に世界を凌いでしまった。デジタル時代に入ってもすでにフィルム時代に築き上げられたレンズ資産のおかげで、状況は変わらず、デジタルカメラでも日本はリードを保っている。カメラの場合はカメラ本体はデジタルであれば簡単に模写製品は作り出せる。しかし、何よりも人間の目にあたるレンズは容易ではない。特に一眼レフ用のレンズとなると何本もの焦点距離の異なるレンズを作り出すにはかなりの年数を要する。そのため、自動車ほど簡単には真似ることが出来ない。デジタル技術を持っていたソニーが一眼レフカメラに手を出すためにとった手段はミノルタがコニカと合併して出来たコニカミノルタの資産を吸収することだった。簡単に言えば、カメラはレンズで決まる。デジタル時代になってもなおドイツのライカが高級ブランドとして生き残っているのもそのレンズのためと言っても過言ではないだろう。むしろデジタル技術が進めばすすむほどにライカレンズの価値が高まっているとも言えるかも知れない。日本のカメラメーカーのレンズはとても優秀だがいずれもコンピューターで作り出されれいるため、次第に優秀だが個性のないレンズになって来ている。しかし、ライカはライカでなければ作れないレンズを今も作り続けている。しかし、プロではなく普通に写真を撮るのであれば、現在のコンパクトカメラでもかなりの描写が得られるような時代になっている。スマートフォンのカメラで撮った写真に驚くことがある。むしろカメラ本体の画像エンジンでの処理と同じく、撮った画像を後で画像の加工ソフトでパソコンで処理すると一見すると優秀なレンズで撮ったもののようにすら加工出来てしまう。このあたりがデジタル時代のすごさを感じさせてくれる。
小雨に濡れた紅葉

人と犬

2014-11-11 19:17:01 | 文化
今朝は5度まで下がった。愛染山は見えていたが、雲が多く流れていた。昼には14度まで上がり、昼休みには菅原神社へ行ってみたが、葉がかなり落ちており、色付きはさらに進んでいた。社殿前の紅葉の小木も色付いて来た。しかし、やはり昨年と比べても風のための落葉が激しい。八幡神社へも行ってみたが、こちらは先日より枝先が少し色付きが進んだ程度で全体はまだまだ緑のままだ。家の庭の紅葉も1本だけは色付いたが、こちらも落葉がかなりある。 犬が狼から分かれて家畜化されたのは1万5000年から1万6000年前とされている。しかし、シカゴ大学を初めとする国際研究機関の研究者たちは人と犬の遺伝子を調べ、複数の遺伝子グループが何千年にもわたり並行して進化していたことを発見した。その結果、犬の家畜化は3万2000年前に起きたとしている。ロシアと中国のハイイロオオカミ4頭、中国の野犬3頭、そして家畜化された育成種3頭(ジャーマン・シェパード、ベルジアン・マリノア、チベタン・マスティフ)を調査対象とした。そして家畜化は従来は中東で始まったと推定されていたが、研究チームは東南アジアで始まったとする。人が集団で定住生活をしているところへやって来たオオカミはそこに美味しいゴミを発見し、攻撃性の薄いオオカミが次第に人と共生するようになり、家畜化が進んで行った。研究者たちの人と犬の遺伝子解析では、家畜化した犬と人は住環境の変化を共に受けており、セロトニンなど神経伝達物質の運搬やコレステロール生成、そして癌にまつわる部分が選択的に現われ、異なる種の遺伝子に同じ部分が存在する現象は、自然界ではめったに発生しない収斂進化だと言う。そして、食習慣と行動に関する遺伝子を共有しているほか、肥満、強迫神経症、てんかん、乳癌など一部の癌と言った疾病に関する遺伝子も共有していると言う。人と犬との間には人と人との関係とは異なったとても単純な関係が成立するため、これを利用してセラピー犬などが育成されている。実際に、犬をなでるだけで人はストレスホルモンのレベルが低下し、呼吸が落ち着き、血圧が低下するのだと言う。さらに、オキシトシンという絆や愛着に関係するホルモンが犬でも人でも体内で分泌されている。米国デューク大学犬類認知センターの所長ブライアン・ヘア(Brian Hare)教授によれば、大半の犬は、外来者恐怖、見知らぬものに対する不安を持たないと言う。犬は見知らぬものが大好きなのだ。犬は人とは違って無条件の愛情を示すことがセラピー犬が活躍すことにもつながっているようだ。
庭の紅葉

菅原神社社殿前

菅原神社の深紅の葉