釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「法外な特権」の終焉

2019-07-25 19:19:20 | 社会
昨日は久しぶりの暑い晴天の日となり、今朝も青空が広がり、強い日射しが出ていたが、午前中には空に雲が流れるようになった。日射しがなくとも、この時期は湿度が高く、少し身体を動かすと、汗ばんで来る。今朝は職場の裏山で、しばらく見かけなかった鹿の姿を見ることが出来た。夕方、家の近くの川沿いをウォーキングする際には、河川敷で何度も鹿を見ていたが。夕方の川沿いのウォーキングでは、ヒグラシやカジカガエル、ウグイスが耳を楽しませてくれ、土手に咲く薮萱草や紫陽花が目を楽しませてくれる。釣り人の姿ものどかで、吹く涼しい風が気持ちいい。 米国最大の投資銀行JPMorganは、今月10日、「Is the dollar's "exorbitant privilege" coming to an end?(ドルの「法外な特権」は終わりに近づいているか?)と題する論文の中で、「we believe the dollar could lose its status as the world’s dominant currency due to structural reasons as well as cyclical impediments.(われわれは、構造的な理由および循環的な障害のために、ドルが世界の主要通貨としての地位を失う可能性があると考えている)」と述べている。先月20日には、Bloomberg紙が「King Dollar's Reign May Be Ending as Fed Debates a U-Turn(中央銀行FRBの理事会が金利のUターンを議論すると、王者ドルの統治は終わるかも知れない)」とする記事を載せている。ドルを「法外な特権(exorbitant privilege )」と表現したのは、戦後のフランスのドゴール大統領である。通常、世界貿易では、赤字になった国の通貨は、価値が下がる。自国通貨を売って、相手国通貨を買い、それで相手国に支払いをしなければならない。売られる通貨は下がり、買われる通貨は上がる。しかし、基軸通貨ドルを発行出来る米国は、自国通貨を他の通貨に変えることなく、ただドルを印刷して、それを相手国への支払いに当てるだけで済む。常に世界中でドルへの需要があり、ドルが買われるために、ドルの価値の低下が緩やかとなる。自国で使うマネー量だけでなく、世界貿易で使われるマネー量まで、ドルを印刷して来た。これだけ大量に通貨を印刷すれば、本来はインフレになるが、米国は国内だけでなく海外へもドルを流すことで、インフレを避けて来られた面がある。第二次世界大戦が終わった頃、米国は世界のGDPの25%以上を占めていた。欧州と合わせると、40%以上であった。しかし、過去70年間で、中国は世界のGDPのシェアを約4倍に拡大し、今や米国に迫っている。欧州や米国の経済力が低下し、中国をはじめ、アジアの経済が大きく頭をもたげて来ている。イラン、ロシアへの米国による経済制裁は、中国とイラン、ロシアとの間にドル離れをもたらしている。新興国間でもドルではなく自国通貨での取引が行われるようになって来た。JPMorganが数年前に作成した下記図表を見れば、ドルがいずれその地位を失うこともよく分かる。
主要貿易通貨の変遷(JPMorgan)

世界のGDPに占める中国の比率の歴史(JPMorgan)

輪状に咲いて芳香を放つ山百合

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