釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

留学生数の急減

2014-04-25 19:13:21 | 社会
昨夜から空には星が出ていて、良く晴れていた。今朝も晴れた空だったが、放射冷却はさほど強くなく、9度であった。日中も良く晴れて、最高気温は20度になり、とても気持ちのいい春の日となった。花が咲くところでは必ずと言っていいほど近くでウグイスが鳴く。釜石の素晴らしいところは市街地の中で普通にウグイスの声を聞くことが出来ることだ。薬師公園に隣接するため職場の窓からは近くで鳴くウグイスの声を一日聞いていられる。市街地の桜は風で散り始めているが、山際の桜はまだきれいに咲いている。やはり春は気持ちがいい。庭の山野草も少しづつ花を開かせて来た。 昨日の日米首脳会談後の記者会見でオバマ大統領は、2020年までに日米間の留学生数を2倍にすると表明し、安倍晋三首相は会談で、本年度に6000人の日本人留学生を米国に送る計画を伝えたと言う。日本人の海外留学者数は2004年以来減少の一途を辿っている。実は昨年すでに文部科学省は官民協働海外留学創出プロジェクトを立ち上げ、民間の資金を投入し、官民連携でグローバル人材を育成することを決定していた。このプロジェクトは具体的に2020年までに留学生数を2倍にすると言う目標を立てていた。今回の大統領の発言は、ある意味で日本側が要望したやらせである。昨年11月11日、米国国際教育研究所Institute of International Education(IIE)はThe 2013 Open Doors Report on International Educational Exchangeと言う通称オープン・ドアーズ・レポートを発表した。これによると、2012年から2013年にかけて米国の大学に在籍した留学生は81万9,644人で、2011年から2012年の76万4495人から7.2%増加している。国別で留学者数の最も多いのは中国で、235,597人おり、2位はインドの96,754人、3位は韓国の70,627人となっており、日本は7位で19,568人で前年度よりまた2%減少している。ドイツは12位で9,819人、13位に英国が8,467人で続き、フランスは8,297人で16位となっている。日本人留学生は2004年の8万2945人をピークに年々減少を続けている。その一つの要因はやはり経済状況の悪化でもあるだろう。米国には留学生たちによって毎年220億ドルが入っている。国の経済状況の悪化は留学にも大きく響く。2011年12月14日の日本経済新聞によると、「米国の大学は急ピッチで学費を上げている。授業料や部屋代、食費など留学中の9カ月間にかかる諸費用の平均は、2011~12年度が公立の4年制大学で3万3973ドル。3年前に比べて16%も上がっている。」と言う。また日本では「企業の採用活動が前倒しになっていることで、留学が就活に悪影響を与えると考える学生が増えた。グローバル化といいつつも、実際には海外での経験を採用時にあまり重視しない企業が多いこともマイナス」だと言う。しかし、企業の採用については留学生数がピークであった2004年当時も変わらない。従って、現在の減少傾向の要因とは考えにくい。関西学院大学社会学部鈴木謙介准教授は「社会学的には、海外志向とは別の意味での『内向き志向』が若者の間で強まっている」、「ローカルで閉じられた生活圏での暮らしを望む傾向は明らかに顕著になってきた」と語っている。留学適齢期の18歳から29歳までの若者の数は1997年をピークに急激に減少し、2400万人を超えていたのが、2010年で1800万人まで減少している。少子化が留学へも確かに影響しているだろうが、この少子化の減少率以上に留学者数の減少率が大きい。やはり、留学生の減少の最大要因は家計所得の落ち込みだろう。文部科学省がプロジェクトを設定したのも、国としてこの留学生の減少に歯止めをかけたいためだろう。民間企業の後押しがあるとは言え、経済的な留学生への支援は限られているから、個人が負担する部分はやはり大きいはずだ。経済の根本的な再生に着手しない限りは留学者数の増加はさほど期待出来ないだろう。結局は経済再生と少子高齢化の重要課題に立ち戻ることになるのだ。アジア諸国が留学生を多く米国へ送り込むことで、英語に堪能な企業人や研究者を育てることに熱心である現状はいずれそれぞれの国の国力に反映されて来るだろう。この点でも日本はもう斜陽化していることの証しだと言えるのではないだろうか。
庭のモミジの葉に朝日が射し、とても綺麗に見えた

八幡神社横で

同じく八幡神社横で

八幡神社の鳥居のそばに咲いて来た山吹

薬師公園で

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