釜石の日々

犠牲が続く日本

世界では、人口比で最も多くワクチンを接種している国はイスラエルである。人口が918万人で、東京都の23区(965万人)より少し少ない。イスラエルは昨年12月26日からワクチン接種を開始し、翌日27日から2週間予定で3度目のロックダウンに入ったが、感染は持続し、イスラエル政府は1月31日に、ロックダウンを2月7日まで延長すると発表した。Our World In Dataによる2月1日での人口100人あたりのワクチン接種者はイスラエルが54.7人で最多である。アラブ首長国連邦33.7人、英国14.2人、米国9.4人、イタリア3.2人、ドイツ2.8人、トルコ2.4人、中国1.6人、ブラジル1人、インド0.3人と続いている。イスラエルでは、1回目のワクチンを受けてから3週間以内に2回目を受けることになっている。イスラエルの保健省が公表したところでは、60代以上で2回のワクチン接種を終えた約75万人のうち、検査で陽性となったのはわずか0.07%に当たる531人だった。ただ、これがワクチンによる効果なのかロックダウンによるものなのか定かではない。昨日の英国BBCの「Covid: Israel's vaccine rollout linked to infection fall(新型コロナ:イスラエルのワクチンは感染低下と関連した展開を見せている)」なる記事が伝えている。Worldometerによると、イスラエルの累計感染者数は65万9978人で、累計死者数は4887人で、日本は感染者数は39万1626人だが、死者数は5794人でイスラエルよりも多くなっている。昨日のイスラエルの新規感染者数は7732人で、死者は71人となっている。米国経済情報通信のBloombergは、毎月「Covid Resilience Ranking(新型コロナウイルス耐性ランキング)」を公表している。主要53カ国の人口比感染者、致命率、死亡者、ワクチン確保率、封鎖強度、地域間移動性など11項目を評価して「コロナ時代で暮らしやすい場所」をランキング付けている。昨日発表された1月のランキングでは、総合評価76.8のニュージーランドが首位を維持しており、シンガポール、オーストラリア、台湾、中国、ノルウェー、フィンランド、に続いて日本が8位となっている。しかし、「1-MONTH FATALITY RATE(1ヶ月の致死率)」では日本は10位のイスラエル0.6%よりも高い米国と同じ1.4%で、16位のインド1.2%より悪い18位である。Googleによる日本の今月28日までの予想を見ると、1日の新規死者数も新規感染者数も概ね横ばい状態が続く予想となっている。保健所業務の崩壊を防ぐためとして従来以上にPCR検査を制限し、一部地域の限定的な行動制限と言う「コロナ対策」では、このしたたかなウイルスを抑え込むことなど望むべくもない。自宅待機やホテルなどの施設待機した人への配慮も不十分で、急変者も続いて行くだろう。昨年6月に出版された5人の長崎大学の研究者たちによる共著書『新型コロナのエアロゾル感染』を読んでいるが、著者らはWHOや厚生労働省が頑なに認めようとしないエアロゾル感染、いわゆる空気感染が、むしろ感染の主流であり、無症状感染者や軽症感染者を早期に見つけるための検査が重要であることを訴えている。新型コロナ対策の専門家の拠点の一つである国立感染症研究所は、以前にも書いたが2007年に「東京近郊のインフルエンザ流行伝播シミュレーション」なる論文を出しており、そこで「通勤電車の影響を考慮したインフルエンザ流行伝播」が示されている。インフルエンザの空気感染による電車内での感染の可能性がある。それはこの新型コロナ感染でも同様に起こり得る。しかし、電車内での感染は起きないものとしてメディも一切報じない。これだけ科学が発展した現代で、これほど非科学的な新型コロナ対応が行われている。こうした常軌を逸したとも思える対策しか出てこない日本では、今後も多くの犠牲者、死なずに済む人が命を奪われ、後遺症にいつまでも悩む人が絶えなくなる。常軌を逸しているのは、経済での日本銀行や政府債務も同じである。財政法や日本銀行法を実質的に無視した違法な状態を続けて来た。その報いもいずれは国民が負わされることになるのが日本と言う国である。日本をここまで導いた政治家、官僚、専門家は結局は罪を問われることがない。
雀の足跡
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