釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「国内外で、欧米の制度は破綻している」

2024-05-15 19:14:42 | 社会
インドPTI通信社の報道によれば、2023-2024会計年度において中国は米国を抜きインド最大の貿易相手国となった。同期間における中国・インドの貿易額は1184億ドルに達し、インドの対中輸出入のいずれも増加、輸出の伸び率は8.7%に達した。一方、インド・米国の貿易額は1183億ドルで、インドの対米輸出入はいずれも減少、輸入の減少幅は20%に達した。また、2023-2024会計年度のインドの輸入総額は6772億ドル。中国製品の輸入額はその15%を占め、中国からの輸入の98.5%が工業製品だ。更には、2023-2024会計年度にインドが輸入した電子製品・通信機器・電気製品は898億ドルに達し、中国単独で占める割合は43.9%に達した。インドと中国の経済的な関係はより深化している。インドのジャイシャンカル外務大臣は、「The dominance of the United States, which started after the end of the Cold War, has effectively come to an end(冷戦終結後に始まった米国の支配は、事実上終焉を迎えた)」と述べている。英国の著名誌The Economistは9日、「The liberal international order is slowly coming apart(リベラルな国際秩序は徐々に崩壊しつつある)  Its collapse could be sudden and irreversible(その崩壊は突然で、不可逆的なものになるかもしれない)」を載せた。「しかし、もっと深く見れば、脆さが見えてくる。第二次世界大戦以来、世界経済を支配して来た秩序は何年にもわたり損なわれて来た。今日、その秩序は崩壊に近づいている。憂慮すべき数の引き金が引かれれば、無政府状態へと転落し、力が正義となり、戦争が再び大国の手段となる可能性がある。たとえ紛争に至らなかったとしても、規範の崩壊が経済に及ぼす影響は、迅速かつ残酷なものとなるだろう。」とある。米国財務省の財務次官を務めた後、世界銀行グループ第13代総裁(2019年~2023年)であったデイビッド・マルパス David R. Malpassが、自身のLinkedinに一昨日、「At Home and Abroad, Western Institutions Are Failing(国内外で、欧米の制度は破綻している)」を載せた。

この数カ月は、経済、地政学、そして国際機関にとって悲惨な時期であった。私の発言、ツイート、メディア出演の中で、いくつかの重要な問題と解決策を強調した。

人間の観点から見た最大の問題は、ウクライナとガザでの戦争、ハマスによる人質事件とナイジェリアでの誘拐事件、そして多くの発展途上国で貧困層を襲っている大惨事である。米国の世界的な弱体化は、サハラ以南のアフリカをイスラム原理主義者、中国、ロシアに明け渡すことにつながっている。

経済的に最大の問題は、米国政府の恣意的な税と財政支出政策であり、それが経済的余裕の危機を生み出している。クレアモント・インスティテュートとAsia Timesが主催した5月8日のウェビナーで、私はこの問題を概説した。投資や成長の可能性を追加することなく、米国政府の支出は大幅に増加している。

海外に目を向けると、米国政府の負債が爆発的に膨れ上がり、世界の資源が米国政府の狭い優先順位と受益者に集中し、流出している。私は、米国議会図書館で開催されたクーリッジ財団の "America in Debt (債務まみれの米国)”会議で、このことについて議論した。

すべての兆候は、債務上限が発動され、歳出が急増し、税率が跳ね上がる2025年の財政破綻を示している(太字は管理人)。

5月9日のブルームバーグ・インタビューでは、税率が急上昇する2025年に両党が直面する税制改革の課題について述べた。政権が2024年2月に発表した予算は、さらに大幅な増税を要求しており、企業投資を弱体化させる。

多くの要因、特に税率は経済の供給サイドにとって重要であり、私はCNBCのSquawk Boxでそれを強調した。

連邦準備制度理事会(FRB)は、経済問題の主要な原因でありながら、依然として解決策の必要な部分である。端的に言えば、FRBの現在のモデルは機能していない。FRBは縮小し、ドルを守り、生産と投資を抑制するのではなく、むしろ奨励するために多くの政策手段を使う必要がある。

グローバルな制度とその中での米国の役割は、開発の逆転と紛争の増加という点で失敗している。米国とその同盟国は、最近でいえばニジェールで、米国に依存している多くの人々を失望させている。

G20の債務処理に関する共通枠組みは、中国、商業銀行、IIFの債権者に対する途上国の重い債務負担を軽減するために機能していない。G20諸国は、途上国の債務問題を支援するふりをしているが、何年もの交渉の後でも、債務負担を持続不可能なほど高いままにしている。

私が最近、ウィリアム&メアリー大学、パデュー大学、戦略国際問題研究所(CSIS)、ハドソン研究所、ジョージ・メイソン大学で行った債務再編プロセスに関する講演は、持続不可能な債務に対処するための新たなプロセスを構築し、その責任をIMFと主要債権者に移し、その責任を怠ったG20から遠ざけることの緊急性を強調するものだった。

テッセン



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