釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

変わりゆく世界

2018-10-04 19:13:28 | 社会
かって、現在の職業に就いた頃、職場の同僚の中にはポケコンと呼ばれる初期の携帯パソコンを使っている人がいた。簡単な統計処理が出来た。それから間も無く、親友の一人がマッキントッシュMacintosh、いわゆるマックMacのパソコンを使い始めた。その頃は、しかしマックは高価であった。何十万円もした。そのうち、その親友はこちらにもマックを使うことを勧めて来た。あまりパソコンには興味がなかったので、しばらくはそのままパソコンには触れることがなかった。ウィンドウズWindows'95が出た頃、子供の関係で仕方なくウィンドウズを購入した。しかし、使ってみると、何度も不具合に遭遇し、難渋した。親友の勧めを思い出し、マックを購入して見た。ウィンドウズとは異なり、とても使いやすく、多少の不具合が出ても、自分で処理が可能だった。そんなマックも数年経つと倒産の可能性が噂された。ウィンドウズを出していたマイクロソフトが企業に食い込み、急成長していた。何とかマックを立て直すために、追い出されていた創業者の一人であるスティーブ・ジョブスがマックを作るアップル社に呼び戻された。彼は次々に斬新なアイデアを具体化して、盛り返し、iPhoneと言うスマートフォンを創り出した。今やそのアップルは時価総額1兆ドルを超える世界一の規模の会社となった。日本最大のトヨタの5倍の規模だ。台湾証券取引所の全上場銘柄の時価総額にほぼ匹敵する。現在の米国の、つまりは世界のトップ企業はアップルを初めとする情報に価値をおいた企業群である。GAFAと呼ばれる。Google、Apple、Facebook、Amazonである。情報検索では多くの人がGoogleを使い、スマートフォンではiPhoneが使われ、知人間でFacebookを通して情報を共有し、ネット購入では多くがAmazonを利用している。しかし、これらの企業は利用者の情報をしっかり把握し、それをまた企業戦略に活用している。我々は気付かないうちに情報を掴まれている。米国のスタンフォード大学Stanford Universityの集団行動心理学が専門のマイケル・コジンスキーMichal Kosinski准教授の研究によると、Facebookの利用者は20億人いるが、その多くがプライベートを晒して嬉々としている。しかし、「いいね!」ボタンを68回押しただけで95%の確率でその人の国籍を当てられ、さらに90%の確率でその人の性的志向まで当てられるのだ言う。150回押すとAI(人工知能)は配偶者よりその本人を理解することが出來、300回に達すると本人も気が付いていないような性格やどのような嗜好かまでもが当てられる。実生活には何の影響もないままに、自分の情報が集められており、その情報を使って、瞬時にAIが分析結果を出し、企業はその膨大な情報を得ている。米国ではAmazonが、レジを通らずそのまま商品をもって出てくれば課金されるレジ無しコンビニ、アマゾンゴーを展開している。全米労働者の2.6%とも言われる340万人のレジ係は、いずれ職を失うと考えられている。中国でも主要都市ではすでにコンビニは無人化されている。コード化された個人の買い物の嗜好はすべてAmazonが掴んでいる。国家以上に個人情報を把握しているのだ。もはやこれらの企業は単なるIT企業の枠を超え、世界中の個人を把握している。今後、AIは一層急速にその能力を高めて行く。GPSを搭載しているiPhoneは個人の行動まで掴んでいる。知らないうちに世界は、これまでの世界とは大きく変容してしまっているのだ。
白い時鳥

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