釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「新型コロナ感染症対策として、PCR検査を拡充することは」

2021-01-07 19:18:15 | 社会
国家の感染症対策には、秀でた感染症専門家の存在が重要だが、最終的な判断は政治家が行う。従って、やはりその国の感染症対策と言うことになれば、政治家の能力が問われる。日本では昨年春の第1波で、緊急事態宣言を出して、一旦は感染が減少に転じたが、終息することなく、夏の第2波となった。この時点で、政府は感染症専門家を入れ替えるべきであった。また、専門病院の整備にも着手するべきであった。300億円もかけた英国の専門病院が機能しないまま、無駄になったことを考えれば、やはり中国のような緊急仮説病院で十分である。「検査を増やせば医療崩壊する」などと言う「専門家」など、日本以外にはいない。検査を抑え続けた結果が、現在の首都圏の「医療崩壊」である。今になって民間病院の「非協力」を問題視するなど的外れな議論が浮上している。何十年もかけて医療福祉の予算を削り続けて来たのが政府である。民間病院はすべてコスト削減した上で、さらに看護職などの人材不足と言う二重苦と戦って来ている。介護施設なども介護の人材確保に苦心するが、低い給与で簡単には人材を集められない。そんな民間医療機関や介護施設で新型コロナ感染が広がれば、大きな赤字を抱えざるを得なくなる。まして、重症患者の受入れなど簡単には出来るものではない。東京都は民間病院が8割である。つまり従来から東京都はギリギリで経営を続けている民間病院に通常医療を頼って来たのだ。感染症と言う極めて特殊な病気が発生した。これこそ公的な病院が担うべき医療である。警察庁の調べでは、昨年3月から12月までで、死後に新型コロナウイルス感染だと分かった人や、新型コロナウイルス感染で自宅や施設で待機中に亡くなった人が122人いたと言う。第2類感染症の縛りを設けながら、何故、その人たちが見過ごされているのか。北海道大学病院のHPには、「唾液を使ったPCR検査について」が載せられている。最初に「新型コロナ感染症対策として、PCR検査を拡充することは、早期診断、感染拡大防止において重要な課題です。」と書かれている。「国立感染症研究所の検体採取マニュアルには、PCRの検体は喀痰や、鼻咽頭ぬぐい液(スワブ)と指定されてい」て、「スワブ検査の実施は、医師、看護師、臨床検査技師等に限られています。感染リスクもあるため、その人員確保は難しく、検査に要するマスクやガウンなどの防護具も不足していました。」、そして、「我々は唾液による検体採取が鼻咽頭ぬぐい液と同等の検査精度をもつ可能性を示し、厚生労働省も唾液によるPCR検査を認めました」とある。「PCR検査とは」では、4種類の塩基で構成された遺伝子では「塩基の並び方は生物毎に異なるため、塩基の並び方(塩基配列)を調べることによって、生物の種類や、病気などの異常があるかを調べることができます。」と書かれ、具体的なPCR検査の仕組みが解説され、後には、「ただし、壊れたウイルスの遺伝子(痕跡)も検出する可能性があり、実際にウイルスが悪さをしているか(感染性があるか)は区別できません。」とある。いわゆる偽陽性が含まれると言うことだ。問題が含まれる検査ではあるが、あくまでも「新型コロナ感染症対策として、PCR検査を拡充することは、早期診断、感染拡大防止において重要な課題」である。しかし、日本ではいまだに1日に可能なPCR検査は最大で13万件でしかない。昨年6月18日、NHKは「「PCR検査 主要国並み1日20万件に強化を」提言」を報じている。中国や米国では昨年秋にはすでに1日100万件を達成している。何故、民間のPCR検査を活用しないのか。行政が行うPCR検査機器よりはるかに進んだ全自動の精密な機器が導入されている。結局は、国立感染症研究所が全てのデータを掌握したいために民間を活用したくないのである。何度「緊急事態宣言」を発しようと、日本では現在の厚生労働省医系技官や国立感染症研究所系列の専門家が牛耳る限り、感染は終息しない。PCR検査が制限されて、無症状・軽症感染者が検出されないからである。日本よりはるかに多く検査が可能で、実際にも検査を膨大に実施している欧米で、では、何故感染拡大が続くのか。それはロックダウン時に徹底的な検査をしないからである。中国や台湾、ニュージランドなどはそれを行っている。中国は国土も広く、人口も世界最多の国であるため、地域的に散発的な発生はある。先日、中国の知人から聞いた話では、大連市で散発的な発生があると、大連市から他の都市へ行く場合も、他の都市で2週間の隔離が行われると言う。つまり、国外からの場合と同じく、国内の移動でも、同じ処置が取られている。現在、英国は3度目のロックダウンに入っているが、これで感染拡大が減少して来た時が重要だ。漫然と解除するのではなく、地域ごとに2週間以上新規感染がゼロのところを見定め、ゼロではない地域は徹底検査を行う。大連市などは、わずか60人の発生だけで、市民698万人全員を、しかも2回も検査している。検査を受けて、検査結果がスマートフォン に通知され、それを見せることで行動が出来るようになる。入店時にはそれを提示しなければならない。良くも悪くも、いずれ日本にもそんな時代が来るのかも知れない。1年前、大連市を訪れ、一番驚かされたのは、スマートフォンでの決済でなければ、どこへ行っても支払いが出来ないことだった。現金支払いはもう少なくとも中国の主要都市では出来なくなっている。その時、日本でもいずれはこうなるのだろうと思った。今回の緊急事態宣言は昨春の宣言よりずっと厳しくない内容だ。このままであれば、全国の感染の減少は緩やかで、首都圏の医療はかなり困窮することになるだろう。経済はむろん、感染もますます先が見えなくなっている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿