釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

論理の欠如による劣化

2021-01-29 19:17:39 | 社会
父親が犬が好きだったために、子供の頃から、犬はいつも家にいた。そのためか、自分も長じてからは、犬を飼うようになり、愛知県から今の岩手県の釜石へ引っ越したのも飼っていた犬たちのためであった。大型犬2匹と小型犬2匹の4頭の犬がいた。今はすべての犬がいなくなった。犬は人間よりもずっと寿命が短い。このほど米国科学アカデミー紀要PNASに「Dog domestication and the dual dispersal of people and dogs into the Americas(犬の家畜化とアメリカ大陸への人と犬の随伴拡散)」と題する英国ダラム大学Durham Universityの研究者たちによる論文が掲載された。論文によると、犬は、2万7000年~4万年前(後期旧石器時代)にオオカミの祖先から枝分かれしたが、2万3000年前にシベリアで家畜化され、1万5000万年前に人間と一緒にアメリカ大陸に進出したと言う。研究者たちは、シベリア、ベーリング海峡、北アメリカで見つかった古代人と犬の考古学的・遺伝学的調査を行った。人類は1万5000年以上前の氷河期に、ベーリング海峡がまだ地続きだったシベリアからベーリング”地峡"を通って北アメリカ大陸へ渡ったと考えられている。江戸時代に秋田孝季らが数10年の歳月をかけて資料を収集して完成された『東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)』などの、いわゆる和田家文書には、シベリアのバイカル湖のブリアート族の祖先がベーリング海峡を渡り北アメリカ大陸に渡ったこと、その一部がバイカル湖の故地を目指して、後に大筏で引き返し、現在の青森県に漂着したことなどが書かれている。漂着した人々が津保化族と呼ばれ、今もなお津軽には、子供を叱る言葉に「このツボケ」と罵る言葉が残っている。大筏には北アメリカ大陸の小型の馬も乗せられていたが、恐らく犬も伴っていただろう。北海道や東北の固有の犬の遺伝子も、北アメリカ大陸の古代の犬に見出された「A2b」と言う遺伝子のハプログループに属する可能性がある。日本の考古学者も現在の感染症専門家と同じく、極めて非科学的で、科学的な年代測定や発掘された古代人の人骨や動物の骨の遺伝子解析などがほとんどなされていない。亡くなった古田武彦氏は、自分が資料から考え出した仮説を実証するために、現地を訪れ、そこで新たに得られた資料から、仮説の補強を重ねる作業をおこない、「邪馬壹国」を論証し、和田家文書の資料性を説いた。論理や論証が如何なる分野でも基本である。しかし、日本と言う国は、これまでの歴史でも情緒的で、論理からはほど遠い対応をして来たことが、むしろ特徴的である。国を大きく揺るがす事態に直面した時ほど、その傾向が強い。太平洋戦争などはその顕著な例である。そして、今もまた新型コロナウイルス対応では、まさにそんな太平洋戦争時と同じような非論的対応に終始しており、泥沼に踏み込んでしまっている。論理性を欠くため、計画性が全くなく、場当たり的な対応が前面に出て、全てが後手後手である。検事出身の弁護士である郷原信郎氏は、自身のブログで、「菅内閣の感染症法改正の「迷走」、入院措置を“ブチ壊し”かねない」を書き、法的にも整合性を欠く感染症法改正について書き、本来であれば、内閣法制局の審査段階で、その不整合性が指摘されているはずだが、内閣があえてそれを排除した可能性を指摘している。本来、法的に入院しなければならないものが、罰金を払えば、入院しなくてもそれ以上は罰されないことになると言う「感染症法」の逸脱がむしろ発生するのだ。劣化した政治家の周りには劣化した専門家や官僚しかいなくなる。専門家や官僚の劣化はまさに論理の喪失である。感染の広がりを抑える名目で罰則を導入しようとしているが、その感染の広がりを助長しているのは、数少ない違反者ではなく、検査を制限し、十分な隔離・治療体制を準備して来なかった政府自身である。無症状・軽症者の早期診断を怠り、市中に潜伏させ、いつまでも感染を持続させているのだから。しかし、高齢の国会議員を抱える自民党本部では全職員のPCR検査を行うようだ。「管理職や国会議員との接触が多い職員は」すでに検査を終えている。今日の共同通信が伝えている。検査の拡大を批判しながら、自分だけは早々にPCR検査をした維新のリーダーもいた。
オナガガモ(雌)

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