釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

自然に潜む神々

2012-04-04 19:23:30 | 文化
昨夜は強い雨と風があり、時折、家を振わせる地震のような風もあった。今日の日中は薄日が刺すかと思えば、小雨がふり、やがて雪にもなった。目まぐるしく天候が変わった。この低気圧で鉄道にも影響があったようだが、植木さえ倒れる勢いの風であったので、多くの桜が散ってしまっただろう。岩手の桜は今月下旬にならなければ見られない。今年は雪の残る山と桜を写真に収めたいと思っている。今日の北海道新聞にはアイヌの神話のことが出ている。「二つの水」と題されている。6、7歳になれば、水樽が空になると、夜であっても沢に水くみに行かなければならない。湧き水をすくう際にひしゃくで水面をなでて音を立ててから「トゥワッカモーシモシ、トゥワッカモーシモシ」と唱える。「二つの水よ目を覚ませ」という意味だそうだ。夜は水の神様も眠っており、水音を立てて神様の目を覚まさせてからくまなければ、悪い神が水に毒を入れるだという。人の命を支える自然には神が宿り、神にも善い神と悪い神があり、自然が人を害するのは悪い神によるものだと考えられたのだろう。自然は恵みであると同時に脅威でもあるという認識が人々にあったということだ。文明の発展とともに人はそうした自然の理を見失ってしまう。原子力安全委員会が原子力防災の重点地域にした原発から半径30キロ圏の居住者は重複を考慮に入れても全国では400万人を超える。最も多いのは茨城県東海村の東海第二原発で93万人が住む。静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発はそれに次いで74万4000人が住む。3月の県議会で茨城県の橋本昌知事は原発事故が起きた場合、「県内のバスを総動員しても1回に24万人しか運べない」と述べた。速やかな避難は実質的に不可能だと言うことだ。放射性ヨウ素による甲状腺被曝の可能性がある50キロ圏には全国で1,000万人以上住む。浜岡原発では最多の213万人が住む。福島第一原発事故後、原子力安全委員会は避難経路や手順を事前に決めるよう各自治体に促す重点防災地域「緊急防護措置準備区域」を8~10Kmから30Km圏に拡大している。最近の大飯原発3、4号機の再稼働をめぐる政府の動きは、以前に比べてややトーンダウンしている。当初、首相は「再稼働に向けて先頭に立つ」と勢い込んでいたが、福井県と隣接する滋賀県や京都府知事、大阪市長らが強く反発したため、原発推進側の枝野幸男経済産業相も「現時点では、再稼働に反対」と国会で述べている。昨夜首相は関係閣僚と協議した結果、福井県の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働の判断を先送りすることになった。5月5日には国内の商業用原発54基のうち、唯一稼働中の北海道電力泊原発3号機が定期検査のため停止する。それまでに大飯原発3、4号機の再稼働は出来なくなって来た。5月5日には全国のすべての商業用原発が停止する可能性が強まった。今日東北電力は青森県にある東通原発1号機と宮城県にある女川原発1号機で使用済み核燃料貯蔵プールの冷却機能が約20~40分間停止した、と発表している。東通原発には約600体の使用済み燃料がある。送電線同士が風で接触した場合、電圧が一時的に下がることがあり、そのため、冷却用ポンプの電圧が低下したのが原因と考えられている。
花富貴 千葉から埼玉にかけて自生していた椿

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