今日は一段と春めいたいい天気になり、空には釜石らしい青空が広がった。薬師さんの椿も一斉に咲き始めた。職場の裏山の椿には赤い椿の花にヒヨドリたちが群がっていた。歩くととても気持ちがいい。息子が買ってテラスに置いておいたライラックがもう咲き始めた。テラスだと外気よりずっと暖かいので、釜石のライラックが咲く時期より2ヶ月も早い。今朝は五時半頃にまた地震があった。岩手県沖を震源とするM4.5の地震だ。釜石では震度3であった。昨日夕方にはほぼ同じ時刻にメキシコとインドネシアでも地震があった。午後5時38分にインドネシアのスマトラ島沖でM8.6の地震が、午後5時55分にはメキシコのミチョアカン州沿岸部を震源とするM7.0の地震だ。太平洋プレートと北米大陸の間には南北に細長いココスプレートがあり、これと北米大陸との境界で起きたものだろう。インドネシアのスマトラ島沖は太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界が近く、2004年12月にはM9.1の地震による津波で約30万人の死者・行方不明者を出している。今回の地震はこの時の地震に起因するアウターライズ型地震だというのが専門家たちの見解のようだ。プレート境界型地震とアウターライズ型地震とはセットになっていて、日本でも1896年(明治29年)の明治三陸地震がプレート境界型で、1933年(昭和8年)の昭和三陸地震はアウターライズ型だ。2004年のスマトラ島沖地震ではM9.1のプレート境界型地震が起きた3ヶ月後にM8.7のアウターライズ型地震が起きている。日本の場合、陸側のプレートの下に海側のプレートが沈み込んでおり、そのため陸側のプレートも沈み込みに巻き込まれるが、その境界で歪みが解放されて地震が発生すると、陸側のプレートの巻き込みが解消され、海側のプレートの沈み込みが抵抗が無くなった分加速される。そのため海側のプレートに必要以上の引っ張る力が働き、遂にはそこに断層を造って引っ張る力を解消させる。これがアウターライズ型地震と呼ばれる。従って、大きなプレート境界型の地震には必ずアウターライズ型地震を伴うことになる。昨年3月11日の東北地方太平洋沖地震は巨大なプレート境界型の地震だった。しかし、その後現在までまだアウターライズ型地震は起きていない。研究者たちはもしこのアウターライズ型地震が起きればM8~9クラスの地震になると考えている。以前にも触れたが、今後予想されるアウターライズ型地震はプレート境界よりもさらに沖合が震源となるため、揺れは小さくなるが、津波はむしろ前回規模か、かえってさらに大きくなる可能性がある。文部科学省はそのことを十分知っていて公表しないようだ。確かに今の科学では地震の時期は予測が難しく、起きることは分かっていても、時期の特定は困難なのだ。ただ幾人かの研究者は独自の方法でその時期を特定している。北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センターの森谷武男研究支援推進員はその時期を2011年12月~2012年1月として公表したが、研究所によってそのホームページを削除された。その背景には文部科学省の圧力があった可能性があるようだ。国はこうした地震の可能性も含めて原発事故なども一貫して情報を公表しようとはして来ていない。しかし、どんな情報も隠さず公表すべきだと思う。その情報で少しでも警戒に役立てば、被害を最小に出来る可能性があるからだ。物理学者で地震学者でもあった寺田寅彦は、『正しく報道し、正しく備える』ことの重要性を説いたようだが、その通りだと思う。可能性はあくまで可能性だが、可能性であっても可能性があるものはすべてそのようなものとして公表すべきだと思う。 草むらで見つけた菊咲一華(きくざきいちげ)