釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

容易には去らない最悪の事態

2012-03-15 19:19:26 | 文化
今朝は小雨が降っていたが、後になって日射しも出て、青空も見えていた。風があったがさほど冷たくはない。職場の裏山のいつもの枝の近くにある椿の大樹に隠れるようにしてゴイサギが一時止まっていた。近くではヤマガラが飛び交って、ゴイサギも少し落ち着かないようだった。伊豆半島の太平洋側の河津町では町内を流れる河津川沿いに800本の河津桜が満開になったそうだ。染井吉野よりずっと色の濃い桜だ。昨日18時9分のM6.8の三陸沖地震は青森県八戸市や北海道のえりも町で20cmの津波があっただけで、被害はなかった。岩手県内では2,500人が注意報で避難したようだ。ほぼ1年経った時期だけにみんな一瞬は、またなのか、という気持ちにさせられたようだ。21時5分には千葉県東方沖でもM6.1の地震が続き、こちらは銚子市で100mほどの液状化が確認されている。三陸沖では今日も9時9分にM5.2の地震があった。東京大学地震研究所小原一成教授は千葉県東方沖の地震については今後も注意が必要だと言っている。昨年3月11日に起きた地震は低角度の逆断層というタイプでNPO法人国際地震予知研究会では去年と同じ地域の沖合で、さらに陸から離れた位置で高角度の正断層タイプのM9.2のアウターライズ地震が発生する可能性を指摘している。この場合、陸からは昨年より離れているため、揺れはかえって小さくなる可能性があり、それだけ、津波への警戒心が薄れることになる。しかし、規模はM9.2の予想なので津波はかなりなものになる。しかも高角度の正断層タイプの場合津波の規模も昨年を上回る可能性すら出て来る。「地震の目」に着目している琉球大学木村政昭名誉教授は昨年の震源と同じ地域には地震の目は見られないので、昨年の震源域の北端と南端にあたる北東北沖や茨城・千葉沖の方がM7クラスの地震が想定されるとしている。同じ分野の研究者によってもこうして予測はかなり異なっている。しかし、われわれ素人は自身を守るために、常に、指摘されているすべての可能性に備えておく必要がある。「安全だ、大丈夫」では無防備になってしまう。「週刊現代」2012年3月10日号にはさらに慄然とさせられる記事が出ている。福島第一原発の近くには双葉断層と言われるよく知られるようになった断層がある。東北大学地震・噴火予知研究観測センターの趙大鵬教授によれば、東日本大震災の余震と見られている昨年4月11日のM7の「いわき地震」を地震波トモグラフィーという画像解析方法で調べていたところ、双葉断層でも同じ変化が見られた。要するに水分が断層に沿って上昇しているため、断層が非常に滑りやすくなっているという。1995年の阪神・淡路大震災(M7.3)や2005年福岡県西方沖地震(M7)、2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2)などの内陸直下型地震も同じメカニズムで起きている。この双葉断層については昨年6月の政府の地震調査委員会でも地震発生の可能性が高まっている、とされている。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教によれば、福島第一原発4号機の燃料貯蔵プールには1331体もの使用済み燃料棒があり、プールが倒壊して燃料棒が外に飛び出せば、昨年3月11日以降に放出された放射性物質の、10倍以上の量が大気中に放出されることになるという。さらに完全にむき出しになれば、『再臨界』が起こって核分裂反応が始まり、手の施しようがなくなるという。趙教授らの研究結果は地震予知連絡会にも報告されている。果たして政府や東京電力は真剣に対策をとってくれているだろうか。
海岸から8Km内陸にある自宅付近の甲子川ー下流に向かって
津波もここまでは上って来ることはないと思うが・・・

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2 コメント

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Unknown (wombat)
2012-03-17 21:05:46
週刊現代の記事をご紹介くださり、ありがとうございます。
興味深く読みました。
ありがとうございました。
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こちらこそありがとうございます (管理人)
2012-03-18 11:11:08
つたないブログにもかかわらず訪問いただきこちらこそありがとうございます。福島県の双葉断層に限らず、静岡県の浜岡原発にも直下に長さ400Kmの巨大な活断層が伸びていることを名古屋大学鈴木康弘教授が報告していることを7月17日の中日新聞が報じており、柏崎刈羽原発にも直下を断層が走り、原発銀座と呼ばれる12基の原発が並ぶ若狭湾にも近くを断層が走るなど、日本は断層だらけの列島です。全国に54基もあればいつどこで何が起きてもおかしくはない、と思えて来ます。
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