昨日のビル・トッテン氏訳、「China Just Launched Payment System in Africa to Replace US Dollar!(中国、アフリカで米ドルに代わる決済システムを導入)」。今月7日のサイラス・ヤンセンCyrus JanssenのYouTubeからの文字起こし。サイラス・ヤンセンは米国ラスベガスを拠点する地政学アナリスト、投資家、講演者、そしてソーシャルメディア・インフルエンサーで、100万人以上のフォロアーがいる。中国とカナダで15年間海外生活を送り、60カ国以上を旅して来た。
中国が国際決済システムの導入計画を発表し、中国人民元の国際展開への道を開く中、アフリカ諸国では米ドル離れが進んでいる。これはビッグニュースだ。中国とアフリカは緊密なパートナー関係にあり、今後、貿易において中国人民元の使用が増えるだろう。最終的には、中国とアフリカ間のすべての貿易で中国人民元が使用されるようになるだろう。
中国は先日、アフリカ向けの新たな計画を発表した。これはアフリカの未来を根本から変えるものとなるだろう。
中国は現在、グローバルな支払いシステムの最初の拠点としてアフリカに注目している。これは、中国が自国通貨の国際的な使用を拡大し、米ドルの支配を打破しようとする動きの一環である。これは重大なニュースだ。なぜなら先月、中国はアフリカ諸国53カ国を新たな貿易枠組みに加盟させることに成功したばかりだからだ。この枠組みによりアフリカの輸出品は関税なしで100%中国市場にアクセスできるようになる。これは中国とグローバル貿易の未来にとってどれほど大きな意味を持つことか、強調し過ぎることはない。しかしこの新しい協定は、単なるガバナンスだけにとどまらない。これは、国際貿易の最も重要な側面である、通貨と米ドルの将来にも及んでいる。
私たちの世界はかつてないほど急速に変化している。まず今日の地政学的状況を見てみよう。各国を米ドルから遠ざける要因と中国人民元へ引き寄せる要因はますます抗いがたいものになっている。ドナルド・トランプはその予測不可能な行動でライバル国だけでなく世界中のあらゆる国々と関税戦争をしている。アフリカはニュースの見出しから完全に欠落している。しかしそれはトランプが善意からアフリカ大陸を容赦しているからではない。彼は単にアフリカを無視している。彼がいかにアフリカ諸国を軽蔑しているかは過去の発言からも明らかだ。米国は意義のある貿易パートナーシップとしてアフリカに事実上何も提供していない。そして、まさにそれが、54 カ国中 53 カ国のアフリカ諸国が将来に向けて中国と提携した理由である。
カイロで最近開催された会議では、中国とエジプトの中央銀行が中国国債のみを使用した貿易と投資を促進する一連の協定に署名した。エジプトだけではない。中国人民元ベースの貿易協定に参加するアフリカ諸国のリストは南アフリカ、ナイジェリア、アンゴラなどで、ナイジェリアだけで中国との通貨スワップの価値は150億元相当し、両国は直接商品交換を行い米ドルを完全にバイパスできる。アフリカは中国との貿易が重要な大陸だが、多くの国がユーロや米ドルのような通貨へのアクセスに苦労している。これがアフリカの発展の大きな障害となっている。現在のグローバル貿易システムではアフリカの企業がヨーロッパに商品を販売する場合、自国通貨を使用できない。まず米ドルに換金し、さらにユーロに換金する必要がある。これにより手数料が倍増し、遅延が増え、外国銀行への完全な依存状態に陥る。これらはすべて欧米が管理するSWIFT支払いネットワークを通じて行われている。それによって欧米はどの国がグローバルな金融システムにアクセスできるかを決定する権限を持っているのだ。SWIFTが貿易の円滑化を目的としていると考えている人は考え直すべきである。
2022年、ロシアがウクライナに進軍した後、西側諸国はロシアが銀行に預けていた約3,000億ドルの外貨準備を凍結した。これはグローバルサウスに衝撃波を送った。なぜなら米国とEUがロシアの資金を一夜で凍結できるなら、彼らがどの国に対しても同じことをするのを止めるものは何もないからだ。多くのアフリカ諸国にとって、これは警鐘だった。ドルやユーロで外貨準備を保有するリスクの大きさと、西側のルールに従う場合、西側が経済に持つ力の大きさが露呈したからだ。そしてまさにここに中国が介入してきた。アフリカにとって、初めて真の代替案が登場したのだ。CIPS(国際銀行間決済システム)である。CIPSは特にグローバルサウスで急速に拡大し、現在、最大のユーザーの一部はアフリカである。これは人民元の国際化は、米ドルへの依存の軽減、ドル支配から脱却し米国の制裁を回避する手段を各国に提供するという中国の戦略の要である。米国人がよく言うように「それを作れば、人々はそれを使いにやってくる」。中国はそれを構築したのだ。
現在、CIPSは187の国と地域にある4,900を超える金融機関で利用されている。そしてアフリカの成長する経済を背景に、新たな金融システムの台頭を加速させる主要な勢力となる見込みだ。6月、南アフリカのスタンダード銀行はアフリカ初の銀行として中国との直接的な銀行間国連決済を可能にし、米ドルを完全にバイパスした。南アフリカ(BRICSの「S」)はエジプトと共にアフリカにおける脱ドル化の先導役を担っている。彼らのリーダーシップは重要だ。彼らはアフリカ最大の2つの経済大国である。BRICSメンバーのエチオピアとパートナー国のウガンダはそれぞれアフリカで7位と13位の経済規模を誇る。一方、アフリカ第3位と第4位の経済大国であるアルジェリアとナイジェリアもBRICSへの参加招待を受けている。もし彼らが受け入れれば、BRICSは間もなくアフリカ最大の4つの経済大国を包含することになりアフリカ大陸の脱ドル化において重大なマイルストーンとなる。伝統的にアフリカを原材料の供給源として捉えてきた西欧諸国とは異なり、中国は各国の開発ニーズに基づいて個別に連携し、相互の利益を目的としたパートナーシップを構築している。世界がドルへの信頼を失っているのは制裁や支配のためだけではない。米国政府はドルを無限に印刷することによってインフレを招き、通貨の価値を低下させているからだ。そのため人々はより良い価値の貯蔵手段を探している。これが金とビットコインが過去2年間でそれぞれ72%と290%以上上昇した理由である。
中国のアフリカにおける役割について、最近アンゴラと中国の間で締結された合意について説明する。この合意は、アフリカの国を変革し、中国が最も得意とするウィン・ウィンのパートナーシップを築くものである。中国は最近、アンゴラの農業に3.5億ドルを投資し、食料安全保障の強化を推進した。アンゴラは長年、主要な石油・ガス生産国だったが、経済は依然として石油に過度に依存しており、GDPの約50%、政府収入の70%以上、輸出の90%以上が石油に依存している。米国はアンゴラの石油産業で重要な役割を果たしてきたが、中国が化石燃料からの脱却をリードする中、アンゴラは経済の多角化を進める必要があるとみなした。そして中国はまさにその支援を行っている。アンゴラは経済の多角化と食料輸入依存度の削減を国家の優先課題に掲げた。現在、食料消費のほぼ半分を輸入に依存しており、この状況を認識した中国は農業分野への大規模な投資を行った。先月、2つの主要な中国国有企業が3億5,000万ドル相当の契約を締結し、数万ヘクタールの農地を開発する計画を発表した。主要な契約の一つは中国の大手企業CITICが5年間で2億5,000万ドルを投資し10万エーカーの大豆とトウモロコシの生産地を開発する計画だ。これらの企業はまた、種子研究・試験センターを設立しアンゴラの農業部門への追加の中国投資を誘致する計画である。
アフリカが中国へのコミットメントを深める一方米国は距離を置いている。トランプは外交政策に「アメリカファースト」を掲げた。つまりアフリカに関しては関税引き上げ、外国援助の削減、外交使節団の閉鎖を意味する。アフリカ諸国は米国がガザでのイスラエルの戦争犯罪を支持したことに対する世界的な非難にも後押しされている。これらはすべてアフリカ大陸における米国のイメージを損ねた。米国の行動が「いじめ」と「一方的な」であることに対して、中国はより一貫性があり信頼できることから、中国は異なる種類のグローバルパワーとして差別化を図っている。ワシントンが貿易障壁を強化する一方、北京は市場を開放し、アフリカ最貧33カ国からの製品に無関税アクセスを提供し、農業輸入拡大に関する協定を締結した。その結果、中国は現在、アフリカにおいて他のどの大陸よりも肯定的にとらえられている。何十年にもわたりアフリカ諸国は発言権もなく、ほとんど利益も得られないグローバルシステムの中で活動することを求められてきた。しかし現在、人民元を基盤とした貿易、インフラ投資、CIPSのような金融代替手段を通じて、中国はアフリカ諸国にテーブルへの席を提供している。これは、多くのアフリカ諸国がついに手にした、まさにふさわしい席なのである。
ホテイアオイ
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