釜石の日々

PCR検査のさらなる抑制

昨日、超優等生であるニュージランドで2か月ぶりに新型コロナウイルスの感染者が確認されたと保健当局が発表した。感染していた56歳の女性は、スペインとオランダを中心に欧州で4か月間過ごした後、昨年12月30日に帰国し、今月12日までオークランドにある隔離用のホテルに滞在し、その間2回の検査では陰性であった。13日にホテルを出てから、夫と共にノースランド地方を数日間旅行し、ウイルスを人に感染させる恐れがある時期に約30か所を訪れていた。検査を受ける数日前から症状があり、隔離を終えた10日後に陽性と判定されている。この女性は南アフリカで最初に見つかった変異種に感染していた。フランスのAFP通信によれば、ニュージーランドで帰国者が隔離施設を出た後に新型コロナウイルス感染症を発症したのは、これで2度目で、1度目は、昨年8月にインドから帰国した男性が、隔離施設で2回の陰性判定を受け、隔離期間を終えた5日後に発症していた。中国でも2週間の隔離期間後に発症した例があるため、今では、中国は海外からの帰国者・渡航者ともに隔離期間が3週間となった。ニュージランドの今回のケースでは、隔離中か、隔離後かに感染した可能性もあり、当局が調査しているようだ。欧州のドイツは現在の第2波のピークを先月18日の3万1553人で越え、減少しつつあるが、外出制限措置に反対する極右勢力への支持が高いザクセン州などのドイツ東部では感染が続き、死者も続出している。日本での感染は米国と同じく緊急事態宣言が実施された今月8日がピークで、以後感染者数が減少している。東京都は前日の7日がピークで以後、減少している。東京も日本全体も緊急事態宣言により、いかにも感染拡大が抑えられているように見える。しかし、感染数の減少と検査数の減少が同時に起きている。厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部はその8日付けで、各(都道府県・保健所設置市・特別区)衛生主管部(局)宛てに、事務連絡として「新型コロナウイルス感染症に関する保健所体制の整備と感染拡大期における優先度を踏まえた保健所業務の実施ついて」を配布している。東京都などは感染者の急増で、医療逼迫・医療危機に瀕していたばかりでなく、まさに保健所などの業務崩壊にも瀕していた。国はそれを避けるために業務を重症感染者に絞り込むように通達したのだ。従って、この通達を機に、PCR検査なども無症状や軽症の者には行わず、症状の重い人を優先して行うよう方針転換している。全てを行政が取り仕切るためには、保健所などの負担を軽減せざるを得ない状況にまでなっていた。感染者の追跡も減らし、現在の保健所などの人員でこなせる範囲の業務に縮小せざるを得なくなった。それまで以前以上に無症状、軽症感染者が見逃される環境になっているのが現在である。検査数の減少で、あたかも感染者数が減少したかのような印象を与え、緊急事態宣言が有効であるような印象を与えている。3月にもオリンピック開催の可否決定を迫られている政府は、それまでに何としても感染が終息している「実績」を作らざるを得ない。期待したワクチンによる「集団免疫」はとてもオリンピックまでには間に合わない。無症状や軽症からの急変を放置してでも東京都は政府同様オリンピック 開催のために、コロナ終息の「実績」を作りたいのだ。23日の毎日新聞は、自宅で療養したり、入院先などが決まらず自宅で待機したりしている間に亡くなった人が続出していることを報じ、「もはや病院だけがコロナの主戦場ではない」と東京都医師会幹部が語ったことを伝えている。日本のコロナ対策の問題は当初から無症状・軽症感染者を市中に潜伏させてしまうことであったが、最も感染者の多い東京都でその潜伏傾向をさらに人為的に高めている。これで感染が終息する訳がない。危惧されるのは、こうした市中に潜伏する感染者の体内で、ウイルスの変異が生じることである。
キンクロハジロ(雄3羽)
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