釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

崩壊への道を進んでいる日本だが

2012-03-16 19:16:53 | 文化
今朝は-3度で庭の土が凍っていた。しかし、もう日射しは春の日射しでとても明るくなっていて気持ちがいい。青空が広がり、小鳥たちのさえずりを聴いていると、まるで世界が広がったかのような気分にさえなってくる。これが東北の春の到来なのだ。今月末頃には少しずつ花たちが開き始めるだろう。1週間ほど前に24年度予算が衆議院を通過した。復興関連予算4兆円弱は特別会計となっているため別枠であり、一般会計だけをみても基礎年金負担を含めると96兆円を超え、過去最大の予算となっている。約半分近くが国債で賄われる。借金の積み増しだ。円高の方は最近、少しだけ解消されて来た。日本銀行が国債の買い取りを進めたことが市場に好感を持たれたためだ。しかし、円高の基本は米国経済への市場の不信感であり、財務省のドル買いや日銀の国債買い取りの効果もわずかしかない。日米ともに財政難を抱え、借金づけになっている点では共通だが、国債を通した借金では相違がある。米国の国債は中国や日本にも支えられている。ところが日本の国債は日本国内の個人や金融機関に支えられている。安定感は日本の方が今のところ勝っている。しかし、日本の金融機関が国債を購入する資金は結局のところ何らかの形で金融機関に預けられた個人資産である。そして、その個人資産は今後確実に全体として減少して行く。今政府が導入しようとしている消費税率など借金の減少にはどれほどの効果もない。それどころか、消費税導入でかえって消費が抑制され、経済は悪化し、税収は間違いなく減少して行く。欧米の消費税とは違って必需品にまで均等にかけられる。国の現在の縦割り行政は経済に関して見ると、極めて非効率で、財務省が出来るだけ支出を減らして税収を増やそうと動くのに対して、他の省は出来るだけ多くの予算を獲得しようと動く。獲得する数字は大きければ大きいほどいい。そこでは無駄な支出を減らすというモチベーションは全く働かない。官僚はあくまで省益優先だ。一旦ストップがかかった八ッ場ダム建設が結局はまた再開されることになった。先進国と言われる中で日本ほど建設業者の多い国はない。無駄と分かっていても省庁と業者は相互の利益のために押し進める。本来ならば、そうした無駄を政治家がコントロールしなければならなかった。しかし、その政治家自身が日本の無駄を生み出して来た。現政権は当初官僚を抑えて政治主導を行うことを掲げたが、実態は前政権以上に官僚主導となっている。近年の日本では首相や大臣が間をおかず交代し続けている。これでは適格な知識を持った首相や大臣がいるわけがない。素人首相と素人大臣ばかりで、知識や情報を占有する官僚に牛耳られるのは当たり前である。現在でさえ地域住民にこれほどの被害を与えた原発事故であるにもかかわらず、反省もなく、現首相はもう先頭に立って原発の運転再開を目指すと、宣言している。まだまだ日本には今後も天変地異が訪れる可能性がある。それらの直接の被害だけでも大変であるのに、さらにまた新たな原発事故が加われば、日本はもはや救いようが無くなってしまうだろう。そうしたことさえ想像出来ない首相のようだ。最高学府を出たはずの官僚も同様だ。現在のような国難にあたっても尚、日本の未来を考えることなく、省益に固執する官僚の姿を見ていると、まるで歴史で見る中国の腐敗国家の崩壊を見ているように思えて来る。政治に背を向けた皇帝と事実を隠蔽し続ける官僚がもたらす国家の崩壊。確かに、今の日本はすぐにはそうした事態になるわけではないが、そうした方向に動いているのも確実である。今回の震災では行政が動かなくとも人々が手をとりあって互いに助け合う姿がたくさん見られた。日本は何が起きても必ず人は立ち上がることが出来る。それもまた確実なことだ。
復興への第一歩ー損傷家屋を取り壊して更地に。一帯は6m以上かさ上げされる
海岸から900mほどの9階建ての職場も1階部分はすべて津波に襲われた。

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2 コメント

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Unknown (wombat)
2012-03-18 14:29:28
日本に建設業者が多いという印象を持っていましたが、先進国内での比較にまでは考えが至りませんでした。
そこで、インターネット上で調べたところ、以下の資料を見つけました。

http://sfc-forum.sfc.keio.ac.jp/archive/m_salon4-0.pdf#search='建設会社 数 比較 世界'

6頁の表1によると、日本は他の先進国に比べて建設業者数が多いことがわかります。
実数では米国が日本を上回っていますが、彼の国の人口が日本の2倍を超えていることを考え合わせれば、日本における建設業者数の多さが見えてくると思います。

考える機会を与えてくださり、感謝します。
ありがとうございました。
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ありがとうございます (管理人)
2012-03-19 07:37:57
日本の建設業はやはり列島改造が叫ばれた頃から急増して行ったのだろうと思います。下請け構造も何層か出来上がっていると思いますが、一度出来上がった構造は、それを維持することが最大の目的となるため、無駄な公共工事も相当になって来ます。産業構造としても硬直化し、適正な環境変化に適応できなくなります。そうした意味で現在の建設業の在り方は好ましくないだろうと考えています。いつもご覧いただきありがとうございます。
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