釜石の日々

安全性が欠落し、原発再稼働しか頭にない人たち

朝から曇天で、昼頃には雨も降り始めた。9時半頃にM5.2、夕方にはM4.5とまた岩手県沖を震源にしたの地震があった。釜石はいずれも震度2になっていた。これらの地震もやはり陸に近い太平洋側で起きている。ここ1週間だけでも59回起きた地震のうち半分以上が東北から房総沖までの太平洋側で発生している。今日の夜半には珍しく京都府南部でもM3.5の内陸地震があったようだ。相変わらずM4以上の地震は東北から茨城県沖の太平洋側に集中している。こうして小規模の地震が少しずつエネルギーを解放してくれている方が大規模地震を抑えてくれるのでいいのかも知れないが。ただ先日も記したように、プレート境界のある日本海溝よりさらに沖合を震源とする地震が起きていないのが不安だ。いきなりM9クラスの大地震が起きて、陸からの距離があるため、揺れだけは強くなく、かえって、津波が巨大になる可能性があるのが心配される。地震の予知は科学的にはまだまだ不十分なため、いつ起きてもいいというくらいに心の準備と身の回りの備えをしておかねばならない。今朝、職場の関連施設の方から、自分で採られた山菜をいただいた。娘が好きな山菜なのだが、娘に食べさせるのは躊躇する。山菜表面の放射性物質はよく洗えば除去出来るかも知れないが、山菜そのものに取り込まれたものは除去が難しい。それでなくとも今後もまだ自然の脅威は収まらないので、せめて人為的な災害だけは出来るだけ避けたい。そのためにも原発はもうすべて廃棄の方向へ持って行かねばならないと思う。廃棄を考えるだけでも大変な問題が残される。それを思うと今の政治家たちは問題を先送りしているとしか考えられない。東京電力は新しい社長を決めたが、基本的には何も変わっていない。関西電力も当初は夏の電力不足を武器に再稼働を訴えていたが、真の狙いは債務超過を回避するための再稼働にある。関西電力の保有資産の半分近くは原発関連施設であり、もし、稼働しなければそれらが資産から外されてしまう。そうなると2~3年のうちには間違いなく債務超過に陥る。企業としては是が非ともこれを避けねばならない。安全性よりも企業としての存続性の方が重要なのだ。東京電力も実質的には膨大な被害補償を考慮すれば、すでに債務超過の状態になっているが、国有化を避けるために必死で抵抗している。東京電力の経営権をめぐって国と企業が駆け引きをしているだけであり、どちらも原発稼働の立場は変わらない。ひとたび原発事故が起きればこれほどの被害を及ぼすことが明らかになったにもかかわらず、国も電力会社もまったく反省する姿勢が見られない。有識者によって長期的な原子力政策を決める原子力委員会の「新大綱策定会議」の議案から「(原子力と)地域社会との共生」を外していたことが毎日新聞によって明らかにされている。経済産業省の資源エネルギー庁や電気事業者側に極秘で事前に議案を示したところ「『地域とはどこか』という論争が起こるのでやめてほしい」と依頼され隠蔽した、と言うものだ。原発を再稼働するためには「地域」の理解を必要とするが、その「地域」の範囲が曖昧で、それをめぐって混乱することで、稼働が遅れることを恐れたのだ。新組織の発足を先延ばしにしたまま、原発規制組織を相変わらず原発推進の経済産業省に置いたまま議案を策定しているから、こうしたことがまかり通ってしまう。昨日の新大綱策定会議では当然この問題が出され、紛糾しているが、会議後、発送電分離や再生エネルギー普及を訴える松村敏弘東京大学教授は「事前に電事連に資料を示す『検閲』は従来あると思っていた。さもありなんという感じだ」と話している。
庭で咲いた八重咲きの延齢草
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