釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

太古の天変地異

2012-05-09 19:23:16 | 文化
午前中は日が射すいい天気であったが、午後から曇って来た。釜石の染井吉野は連休中の雨と風ですっかり散ってしまったが、今は八重桜がどこも満開だ。市街地のグランドを利用した仮設住宅のそばにはこの八重桜の並木がある。3種類くらいの八重桜が並んで咲いている。仮設住宅に隣接して小さい公園もあり、ここで時々老人たちがゲートボールに興じている姿を見ることがある。タンポポやスミレが咲いていて、一本の八重桜が満開になっている。いずれの八重桜も巨木ではないので、せいぜい数十年前に植えられたものだろう。周囲の山々も日一日と緑を濃くしている。新緑の5月にふさわしい色合いになって来た。日当りのいいところではもう桐の花まで見られるようになって来た。今朝7時前に釜石では震度3の地震があった。ここのところまた強くはないが地震の数が増えている。今朝の地震は釜石と大船渡の沖合が震源で、陸から比較的近いようだ。日本気象協会が継続して発表している地震の震央分布図を見ると、震源地は圧倒的に東北から関東沖までに集中している。過去100日間の地震となると内陸や日本海側までもう日本中が震源になっていることがよく分かる。北は札幌から仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡まで国内主要都市すべてで100日以内に地震が発生している。太平洋側の震源はしかし、プレート境界より陸寄りになっている。このことは逆に地震研究者たちの言うプレート境界の海側で予想されている今後の地震のエネルギーが解放されないまま蓄積されていることを意味するだろう。そこを震源とする地震が起きていないことの方が不気味だ。日本の活火山は2011年に北海道の天頂山と雄阿寒岳が追加されて110になった。これらの活火山は名古屋、大阪圏、四国を除く日本全国に分布している。『東日流外三郡誌』(つがるそとさんぐんし)寛永元年(1624年)藤井土佐執筆の「二王国之争乱と変遷」では「阿蘇辺族は、阿蘇辺盛なる山丘に住みて、西にあり。津保化族は、都母なる海浜に暮して、東にあり。東日流、糠部に生々しをるも、総じて、交流せるはなかりき。しかるに、ここに、一大地変をこれるによりて、両族の接触ぞ始まりたり。即ち、岩木山、八頭田嶽などの大噴火、大津波なり。  太古代、東日流、糠部の地には、安闍羅連山、中山連峰、白山連山を除きては、さしたる高山なく、ほぼ平坦なりき。しかるに、突然の地変あり、東西にて噴火たがひにつづきて、八頭田嶽うまれ、阿蘇辺盛は岩木山となりぬ。また、宇曽利島には恐山そびゑ、島は糠部と陸つづきになれり。東日流にては、安東浦なる大入江の海底が隆起し、大里ぞ生れたり。  阿蘇辺盛の大噴火にて、激しき災禍をかふむりたるは、阿蘇辺族なり。飛び来る火岩に打たれ、あるひは、火泥の流れに焼かれ、埋りて、一族を多く失ひ、生き残りし者、わずかなりといふ。これとても、住家を奪はれて四散し、安全なる処を見つけて、再び寄り集ひしも、王国のおもかげ無かりしといはるるなり。海浜に住める津保化族は、大地震のあとに襲ひきたれる大津波によりて、これまた、巨いなる災ひをかふむりたり。一族の多くが死に、ゆきがた知れずとなり、牛馬をほとんど失ひ、漁舟、漁網も大浪にさらはれしなり。地形も大きく変りて、獲物を得るに困難をきたしたり。やむなく、生々の地をば求めて、まづ、北へ、そして、東へと移動せり。つひに住みつきたるは、外浜辺なる処にて、さらに、中山連峰を住家となし、三神を祀りしが、この処を坪毛山といひて、いまに遺れり。」と書かれている。太古の時代にも青森県の津軽半島、下北半島で地形が変わるほどの巨大な噴火や地震、津波があったのだ。
蝮草 幹は蝮の模様に似ている

浦島草 大きな花穂から釣り糸のような付属体が伸びている

雪餅草 穂の上に雪のように白い膨らみがある

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2 コメント

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いつも 勉強になります (夕焼け)
2012-05-09 23:55:41
大自然の力には人間は どうにもなりません

地球は生きているので火山や地震は…天命で自然なことなのでしょう

千葉や茨城は休むことなく余震があるように思います 神奈川も鎌倉江ノ島…など心配です
私は内陸部に住んでいますが備蓄が頭から離れません…。でも備蓄用にと思いきや使い切ってゞしまって今特に何もないですゞ。リュックには色々入れてますがゞ逃げる場所があるのかさえ最近は緊張が諦めに似た精神状態でもあります。こんなことでは子供を守れませね☆最悪な事態ばかり頭を巡ります。筑波の竜巻など…怖いです
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夕焼けさんへ (管理人)
2012-05-10 07:47:55
私も備蓄はできるだけ維持するように気を付けていますが、夕焼けさんと同じく、うっかりするときがあります。確かに最悪な状態を考えると、どうしようもない無力感に囚われることもあります。しかし、基本的には楽観主義者なので、とりあえず、自分が出来ることだけはやっておこうと、考えています。何も起きないことを願いますが、昨年の震災は、自然の脅威を忘れることがかえって、被害を大きくすることを教えてくれました。いつもありがとうございます。
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