釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

自殺はいつまで放置されるのか

2009-08-04 07:02:19 | 文化
先月末の新聞で 警察庁は6月の自殺者数が2822人だったと公表した。今年上半期(1~6月)は昨年同期比768人増の1万7076人となり、このペースで推移すれば、統計の残る78年以降で最多だった03年の3万4427人と同水準になる可能性が出てきた。昨秋以降の大不況で、経済的要因での自殺が増えているとみられる。 とあった。自殺者の統計がとられるようになった1978年から1997年までの20年間は毎年の自殺者が2万人から2万5千人代で推移していた。ところが1998年以降は昨年まで連続して3万人代が続いている。警察庁は自殺の原因・動機を分類しているが昨年で言えば健康問題が48%、経済・生活問題23%、家庭問題12%、勤務問題8%、男女問題3%、学校問題1%、その他5%となっている。しかし近年のように経済不況に見舞われていれば健康問題にもかなり経済問題が絡んでいる可能性がある。医者にかかりたくてもかかれない経済状態ということが大いに考えられる。特に目立つのは50歳以上の自殺者が横ばいか下降気味ないし微増程度であるのに対し、30代の自殺者が年を追って急増してきていることだ。同じ警察庁の管轄である交通事故死について見てみると1990年の11,227人をピークにして年々下降し、2008年には5155人まで下がっている。かっては日清戦争の戦死者に匹敵するとして交通戦争とまで言われたその死亡者数より現在の自殺者数の方がはるかに多い。しかも11年連続して下降傾向がみられない。同じ警察庁管轄でありながら自殺については単に統計と要因分析だけで終わっている。交通事故死に対しては様々の規制と標識やレーダー装置などを含め警察官僚の天下り先をも考慮するとそこに胡散臭さを感じてしまう。国として自殺者への余りにもセーフティネットのなさに疑問を持たざるを得ない。先日の貧困同様、自殺はあくまで自己責任であるという新自由主義という単なる国家的無責任そのものではないだろうか。

グラジオラス 文目(あやめ)科の花で唐菖蒲(とうしょうぶ)とも言われる夏の花

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